Mouthwashing ざっくり紹介
Mouthwashingというゲームをご存じでしょうか。
一時話題になっていたので、Xなどで名前を聞いた人も多いのではないでしょうか。
僕はホラーゲームにはあまり興味がないのですが、何か他のホラーとは違う独特の雰囲気に惹かれました。
Steamのストアページを見てみると、評価は「圧倒的に好評」でかなりの人気を博しています。
価格は1500円とお手頃。
普段は手を出さないジャンルですが、思い切ってやってみることに。
結論から言うと、神ゲーでした。
というわけで今回は、Mouthwashingがどんなゲームなのか、前半ストーリーの一部をお伝えしたいと思います。
核心に触れるようなネタバレはしませんので、Steamのストアページだけじゃよく分からんって人が見て雰囲気を知ってもらえたらな、と思います。
作品概要
ジャンルとしては、ホラー、サイコスリラーあたりになるかと思います。
難破した宇宙船という極限空間でのクルーたちの人間関係、悪化していく状況、おかしくなっていく精神状態、そういったものが描かれます。
ホラーではありますが、幽霊や超常現象の類ではなく、心理的描写や幻覚チックな表現としてのホラーで、ジャンプスケアはありません。
グロテスク表現はあります。
僕は正直ホラーには興味がなくて、SFを舞台にサスペンスが繰り広げられるのかなと期待していましたが、そうではありませんでした。
精神世界の描写が激しくて、なんか思ってたんと違うなぁと最初は思ってしまったんですが、話の筋が分かると面白くなってきました。
解釈が難しかったりする部分も多くて、クリア直後はモヤモヤした気持ちもあったんですが、頭を整理したりネットで考察記事を読んだりしてスッキリしたところで確信しました。
神ゲーやこれ。
ゲーム性としては、ほんのちょっとのパズル要素とアクション要素はありますが、ほぼ話を進めてくだけで、エンディングは1つのみ。
プレイする映画というような感じの作品です。
でも映画ではなくゲームである意味は、存分に感じられます。
実況動画などを見ても楽しめる作品だとは思いますが、できれば自分でプレイして頂きたいですね。
前半ストーリー紹介
それでは、実際のプレイ画面で前半のストーリーを紹介していきます。
物語の舞台は、宇宙船「タルパ号」
ポニー運送という運送会社の長距離貨物船です。
船員は5名。
航行日数382日間のうち、147日が過ぎたところ…
苦しみを…祈る?
衝突まで0日。
宇宙船のコックピットで物語は幕を開けます。
警告。
進行方向に天体を検出、回避するようシステムがメッセージを発します。
しかし、主人公は自動操縦を切り、天体への衝突コースへと舵を切ります。
なぜそんなことを?
コックピットから廊下へ飛び出す主人公。
しかし、何やら様子がおかしい。
これは現実か?
精神がおかしくなっているのか?
そして目にしたものは───
…
………
場面は変わり、衝突から2ヶ月が経過した宇宙船内。
生き延びたクルーたちが食堂のテーブルに集まっています。
登場人物
ここで、この宇宙船のクルーである登場人物たちを紹介していきましょう。
スウォンジーは年配のメカニック。
頑固で口が悪いが、腕は確か。
そして、ダイスケの教育係でもあります。
ダイスケはインターンシップに来ている学生。
スウォンジーに教育してもらっているが、ヘマばかりしている様子。
能天気で調子の良い性格で、こんな状況でもへらへらしています。
アーニャはこの船唯一の女性。
医務スタッフですが、医者と言うわけではなく、あまり医療の心得も無いようです。
職務であるカーリーへの投薬も、精神的に参ってしまって満足にできていないらしい。
そしてこれが、船長カーリー。
この衝突事故を起こした張本人。
事故によって大けがを負い、動くことも喋ることもできず、耐え難い痛みにうめき声をあげています。
アーニャは医療スタッフとして、カーリーに鎮痛剤を飲ませていますが、あまりの痛ましさに耐えきれず、主人公ジミーにその役目を代わってもらおうとします。
ジミーは本来はこの船の副船長。
カーリーが大けがを負い、臨時の船長となりました。
この危機的状況で、ジミー(あなた)は船長として皆を取りまとめ、救助を待つまでのあらゆる困難を乗り越えねばなりません。
救助が来るのが先か、船の電気や食料が尽きるのが先か…
船内
さて、宇宙船内を見ていきましょう。
ここはクルーが集まるラウンジ。
癒しのためか、大きなモニターには空が映し出されており、時間によって朝や夕方や夜の空に移り変わります。
左にいる馬のキャラクターは、ポニー運送のマスコットキャラクター。
右奥にあるのは、食料と飲み物を供給してくれるディスペンサー。クルーの生命線です。
後ろを向くと、キッチンと食堂があります。
事故によって、キッチンの一部は泡に覆われています。
この泡は、船体が傷ついた際に自動的に噴き出してくるもので、恐らく消火と、空気が宇宙空間へ漏れ出すことを防ぐ気密維持の役割を持っています。
この泡によって、クルーは一命を取り留めていますが、泡で塞がれたエリアには立ち入りができなくなっています。
作業室は、スウォンジーの作業エリア。
事故以来、中は泡だらけで危険だということで、スウォンジーは彼以外が中に入ることを拒んでいます。
コックピットは事故の損傷により、そのほとんどが泡に覆われています。
しかし、ここには船長のみに許可された特別なアイテムがあります。
ここはアーニャの仕事場である医務室。
気休め程度の設備と薬品があり、重傷のカーリーが横たえられています。
カーリー…
鎮痛剤を飲ませるには、口を手でこじ開けてやらないといけません。
痛々しい。
クルーたちは、カーリーの動機に心当たりがない様子。
今はそれを知る手段もありません。
積荷
さて、時間を巻き戻して、食堂にクルーが集まっていた場面。
彼らは、貨物庫を開けられないか?と話し合っていました。
貨物庫には彼らが運搬している積荷が入っています。
その扉はロックされており、船長の権限がなければ開けることはできません。
彼らは自分たちが何を運んでいるのか知らないのです。
貨物庫の中に何か役に立つものが入っているのであれば(それこそ食糧でもあれば)、この最悪な状況を少し緩和できるかもしれません。
というわけで、貨物庫を開ける方法を求めて船内を探索することになりました。
(貨物庫を開ける過程は省略)
さて、いよいよ貨物庫を開ける準備が整いました。
ロックを解除し、貨物庫の扉を開きます。
そこにあったのは大量の…
マウスウォッシュ?
これ全部?
クルーたちが過酷な労働に耐えて運んできた大切な積荷は、マウスウォッシュだった??
クルーを脱力感が襲います。
しかし、どうやらこのマウスウォッシュ、糖分とアルコールが含まれているらしく、飲めなくもない代物。
自暴自棄気味になったスウォンジーは、酒の代わりにマウスウォッシュをあおり始めるのでした。
………
過去
場面は変わり衝突7日前。
カーリーの視点に移り変わります。
アーニャに精神鑑定を受ける船長カーリー。
これも彼女の仕事の一つです。
しかし、ジミーはアーニャのカウンセリングに協力的ではない様子。
カーリーは、古い付き合いの自分になら協力的になってくれるはず、とカウンセリングの役目を買って出ます。
ここでジミーの容貌が明らかになります。
どうやらジミーは副船長でありながら、問題児の様子…
そして問題児がもう一人。
船の故障を直そうとして、さらに事態を悪化させている様子。
スウォンジーは悪態を吐きながらも、基礎からダイスケに教えて育てようとしています。
この作品はこんな感じで、事故の前と後の時系列を行ったり来たりしながら、この宇宙船とクルーに何が起きたのかを追っていきます。
さて、今日は実はカーリーの誕生日。
クルーはカーリーを祝おうと、小さなパーティーを開きます。
しかし、カーリーの口から告げられたのは、衝撃の通告でした。
これがクルーの運命を狂わせていくことに…
そして…
果たして、衝突前に何が起きていたのか。
なぜカーリーは事故を起こしたのか。
尽きていく食糧。
マウスウォッシュを飲み酔いつぶれるクルー。
ジミーはクルーを救うことができるのか。
事故の真相と、すべての結末を知った時、マウスウォッシュでは決して洗い流せない後味が残るでしょう。
もし興味を持ってもらえたなら、ぜひゲームを購入してプレイしていただきたいです。
素晴らしい演出と、胸糞の悪いストーリーがあなたを待っています。
それでは…