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ハイドランダーについて語る
マスターデュエルを始めて9ヵ月、色々なカードを触って一番気に入っているカードが影星軌道兵器ハイドランダー。
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すごく使うのが難しいけど、使えたら強い!そんなカードです。
今回は、遊戯王を知らない人にもなるべく分かりやすいように、ハイドランダーの魅力を紹介していきたいと思います。
ハイドランダーの特徴と魅力
特徴1 専用のデッキ構築が必要
ハイドランダーは「ハイランダー」と呼ばれる特殊なデッキ出ないと使えません。
ハイランダーの説明は後でするとして、とにかく普通じゃない変なデッキでしか使えないということです。
特徴2 使えれば強い
上記のデッキ制約があるものの、それに見合った強さがあります。
これ1枚で勝てる!っていう強さではないものの、他のカードにはない強みを持っています。
特徴3 使ってる人が全然いない
マジで見かけません。
マスターデュエル始めて一度も対戦相手が出してきたことはないです。
それくらい使っている人が少ないカードなので、自分だけのオリジナル感を味わえますし、ハイドランダーを知らない相手に対しては、いわゆる「わからん殺し」で勝てることもあります。
カード説明
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻3000/守1500
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地にモンスターが5体以上存在し、
それらのモンスターのカード名が全て異なる場合のみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送って発動できる。
自分の墓地のモンスターのカード名が全て異なる場合、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
ハイドランダーの特殊召喚条件
墓地にカード名が異なるモンスターが5体いると手札から特殊召喚できます。
逆に言うと、墓地に同じモンスターが2体以上いる限りはフィールドに出すことができません。
墓地に送られるモンスターというのは、自分で好きに選べるわけではないので、デッキに同じカードを複数入れた時点で、墓地に同名カードが送られてしまう可能性はあります。
つまり、ハイドランダーを使いたかったら、基本的にデッキには同じモンスターカードを2枚以上入れられないということです。(抜け道はあるので、"基本的に"です)
このような、同じモンスターを1枚ずつしか入れないデッキをハイランダーと言います。
ハイドランダーは、その名前からも分かる通り、ハイランダーデッキに入れることを前提に作られたカードなのです。
ハイランダーデッキ
今の遊戯王でハイランダーデッキを見ることはほとんどありません。
各デッキにはキーとなるカードや、手札に引けたら強いカードがあり、そのカードを引く確率を上げるために、同じカードを複数枚採用するのが定石なのです。
例えば、「これを引けたら勝てる」というカードがあったとして(そこまで強いカードはそうそうないですが)、デッキに1枚採用した場合と3枚採用した場合では、1回のドローでそれを引ける確率は3倍違います。
それが勝利に直結するなら、当然そのような強いカードはフル投入(3枚)となるわけです。
特に現代遊戯王では最初に配られる5枚の手札が非常に重要で、最初に必要なカードが引けるかどうかは勝敗に直結すると言っても過言ではありません。
さらに、カードによっては同名カードが複数あることが前提の効果を持ったものもあります。
当然、そのようなカードはハイランダーデッキには採用できません。
では、ハイランダーデッキにする利点はあるのか?
無くはないのですが、それほど大きな利点はありません。
唯一つ、このカードが使えるということを除いて。
それが…
影星軌道兵器ハイドランダー!
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ハイドランダーの強さ
さて、それではハイドランダーの強さを紹介していきましょう。
急に出てくる攻撃力3000
先ほど説明した通り、ハイドランダーをフィールドに出すには墓地に5体の異なるモンスターが必要です。
しかし逆に言うと、その条件さえクリアすれば、特に何のコストもなく急に手札からフィールドに出すことができます。
そして、ハイドランダーの攻撃力は3000。この攻撃力3000というのは、遊戯王における最上級モンスターの1つの基準です。
有名な青眼の白龍も攻撃力3000ですが、フィールドに出すためには1ターンに1度だけの"召喚権"を使用し、モンスターを2体墓地に送らないといけません。
それと比べると、同じ攻撃力3000が何のコストもなく急に出てくるのは驚異的な性能です。
しかも、この特殊召喚効果、1ターンに何度でもできます。
相手の罠カードなどで手札に戻されたとしても、すぐにまた出し直すことができます。
また、デッキによりますが、出しやすいレベル8モンスターとしての需要もあり、他のモンスターと合わせて強力なランク8エクシーズモンスターの素材にすることもできます。
破壊効果撃ちまくり
効果(1)の部分です。
デッキの上からカード3枚墓地に送り、墓地に同名モンスターがいなければ、好きなカードを1枚破壊できます。
カード破壊効果自体は珍しいものではありませんが、ハイドランダーのカード破壊は以下の点が優秀です。
①相手ターンにも破壊できる(フリーチェーン)
②自分のカードも破壊できる。
③ターン1制限に名称指定がない。
④墓地肥やしを兼ねられる。
①相手ターンにも破壊できる。
自分ターンに相手カードを破壊できるのはよくある効果ですが、相手ターンにも破壊できるのは比較的少ないです。
フリーチェーンと言って、要はいつでも撃てます。
相手の展開に合わせて、一番邪魔ができるタイミングを狙って破壊効果を発動することができます。
②自分のカードを破壊できる。
自分で自分のカードを破壊したい需要は、結構あります。
破壊された時に発動できる効果を使いたいとか、デメリットや制限があるカードが邪魔でどかしたいとか。
相手のカードしか破壊できないなどの制限があるカードも多いので、ハイドランダーが自分の好きなタイミングで自分のカードを破壊できるというのは、結構なメリットです。
③ターン1制限に名称指定がない。
ちょっとややこしい話になりますが、遊戯王には"名称ターン1制限"というものがあります。
これは、効果テキストに「このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない」などの文言が書かれている場合の制限で、読んで字のごとく、効果の使用回数が制限されています。
ハイドランダーのテキストを見てみると、「1ターンに1度~発動できる」とあります。これは一見名称ターン1制限と同じに見えますが、「このカード名の効果は」というカード名称の指定がありません。
この場合、最初にフィールドに出したハイドランダーの効果は1ターンに1度しか使えないのですが、例えば何らかのカードの効果で一度ハイドランダーを手札に戻して、またフィールドに出し直せばまた破壊効果を発動できます。もしくは、2枚目のハイドランダーをフィールドに出した場合は、2枚目のカードの方で効果を使えます。
…ややこしいですね。
まあ、「一般的なカードの効果は1ターンに1度しか使えないけれど、ハイドランダーは2回以上使える場合がある」と思っておいてください。
④墓地肥やしを兼ねられる。
カードを破壊する効果を発動する条件として、デッキの上から3枚のカードを墓地に送る必要があります。
これは一見デメリット効果のようですが、デッキによってはメリットになります。遊戯王では「墓地は第2の手札」などと言われ、墓地にカードを置いておくことで様々な効果が使えるようになるなどのメリットがあります。
このようなメリットを得るために墓地にカードを送ることを「墓地肥やし」と言いますが、自分と敵の各ターン3枚ずつ墓地を肥やせるのはかなりの性能です。
一見、メリット(破壊)のためのデメリット(墓地送り)に見えて、メリット&メリットなんですね。
2枚採用が強い
ハイドランダーというカード、実はハイランダーデッキを前提としていながら、本人はデッキに2枚まで入れることができます。
何故かというと、墓地に同名モンスターカードが無ければ良いので、1枚のハイドランダーが墓地にあっても、もう1枚のハイドランダーは問題なくフィールドに出せるからです。
そういうわけで、ハイランダーを要求しておきながら自分自身は2枚デッキに入っても許されるというなかなかの図々しさですが、個人的には2枚採用がすごく強いと思っています。
何らかの手段、もしくは運で手札に2枚のハイドランダーを用意できた場合、2枚の効果をそれぞれ使用することができます。(ターン1制限に名称指定がない、というところでも触れました)
つまり、墓地の条件がそろえば、手札から急に攻撃力3000のモンスターが2枚飛び出てきます。これはなかなか見ない光景です。
そして、2枚のハイドランダーはそれぞれ個別に破壊効果を発動できるので、自分ターンに2枚、相手ターンに2枚、1往復で合計4枚のカードを破壊できます。
付随して、墓地送りは12枚。これもすごい量です。
さらに、レベル8が2枚揃うので、そのままランク8エクシーズモンスターを召喚できます。
魔法カードを制圧できるタイタニックギャラクシー、強い除去強化を持つディンギルスなど、状況に応じた強力なモンスターが出しやすくなります。
採用可能なデッキ
では具体的に、どんなデッキに採用できるでしょうか?
下記の条件が必要です。
①効果発動時に墓地に同名モンスターがないこと
②ハイドランダーをサーチできる(デッキから手札に持ってこれる)こと
条件① 墓地に同名モンスターがない
この条件をシンプルに満たせるのは、ハイランダー構築です。
そもそも同名モンスターを1枚しか採用しなければ、条件を満たせます。
しかし抜け道として、同名モンスターを複数採用する方法はあります。
ハイドランダーの効果発動に合わせて、墓地から2枚目以降のカードを除外もしくはデッキに戻すなどすることによって、墓地に同名カードが複数無い状況を作り出すことです。
具体例としては、私が採用しているオルフェゴールのモンスターは自身を墓地から除外して効果を発動することができるので、墓地の枚数を調整できます。
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また、"妖精伝姫-シラユキ"は自身以外の墓地のカードを7枚まで除外できるので、一気に墓地調整が可能です。
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これらのカードを使用することで、完全なハイランダー構築でなくてもハイドランダーの採用が可能になります。
条件② ハイドランダーのサーチ
これがかなり難しいというか、デッキ構築で頭を使う部分です。
もちろん、最初に配られる5枚の手札と、毎ターン1枚のドローでもハイドランダーが手札に来る可能性はありますが、それでは安定してハイドランダーを出せません。
そこで、何らかのカードの効果でハイドランダーをデッキから手札に加える(サーチする)必要があります。
ハイドランダーをサーチできるカードは、以下のようなものがあります。
オルフェゴール・クリマクス
クリフォート・ゲニウス
混沌領域
黒き森のウィッチ
魔導契約の扉
この中で、個人的に最も使いやすいと思うのが、オルフェゴール・クリマクスです。
オルフェゴールがデッキの基礎になることが前提ですが、オルフェゴールデッキとして強い動きをしながら自然とハイドランダーのサーチまで繋げられます。
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クリフォート・ゲニウスを使ったデッキも作ったことがありますが、かなり難しいことをする必要があります。
その他のカードを使ったハイドランダーデッキはまだ作ったことがないですが、いい構築を思いついたら使ってみたいです。
まとめ
さて、ここまでハイドランダーについて語ってきました。
ハイドランダーを使う難しさと、それでも使いたくなる魅力が伝わったでしょうか?
自分は飽きっぽいのですぐに新しいデッキを作るんですけど、そうすると「あれ?これってもしかしてハイドランダーデッキにできるんじゃないか?」と思ってハイドランダーを組み込んでしまいます。
そうやってデッキを考えているときが一番楽しいですね。
散々強さを語っておいてなんですが、色んな制約や犠牲に見合うほど強いのかと言えば、そこまでではないと思います。
それでも使いたくなってしまう魅力があると思うんですよね。
最後に、ここまで読んでくださったあなたと、私にハイドランダーというカードを教えてくれたあごるん氏に感謝を申し上げます。
いずれ、私が作ったハイドランダーデッキの紹介もできたらいいなぁと思います。
それでは、また。