おまけ記事
【 インタビュイー プロフィール】
名前:清水勇輝
出身地:兵庫県宝塚市
趣味:サッカー、読書
好きな食べ物:ラーメン、カレー
経歴:大学卒業後、会社員として営業、企画業務に携わる。
その後、2018年に豊開発株式会社に入社。営業を経験後、管理部の責任者に就任。入社した4年後の2022年に2代目アトツギとして豊開発の代表取締役に就任。2023年には「あそ部」を発足し、広報・ブランディング・採用・新規事業の立案など、既存事業以外でも組織を強くするための新しい取組みをあそ部メンバーを中心に行っている。
経営者という顔以外にも、3人の子どもを持つ父でもあり、大学院生でもある。大学院ではファミリービジネスの事業承継とアトツギによるイノベーションについての研究も行っている。
今回は、こちらの「土木会社の経営者が語る企業のビジネスモデルと人材育成の話を『ラーメン』で例えてみた」シリーズのおまけ記事!
part① ~ビジネスモデル編~
part② ~人材育成編~
前回の記事(part2)では人材育成についてまとめました。
人材育成は子育てと相通じるものがあり、子どもに「なぜ?」「どうして?」と問いかけるとの同じで、仕事でも(経営者という立場でも)自分でやった方が早いし、やってあげたいけど失敗も含めて見守らないといけないという話も出ました。記事の最後には、「失敗」とは豊開発にとってはどこのラインから失敗になるのか、基準はあるのか…など「失敗」についての話もまとめています。
今回の前半では、清水さんの「最近の失敗談とは」について。そして後半には、インタビュー後の雑談から生まれたこれまでの話の核心に触れる内容をまとめています!part1、part2の続編になりますので、ぜひ上記2本の記事と併せて読んでいただきたいと思います!
プラスで上記の記事も一緒に読んでいただければ、より「清水勇輝」という人物を深堀りできると思いますのでぜひご覧ください!
最近起きた失敗談
「まる”し”」問題発生
(前回記事の続き…)
ー 最近で面白おかしく言えそうな「失敗」ってあったりしますか?
清水:失敗…なんかあるかなぁ…
ー 失敗ってなんでしょうという感覚もあるかもしれないし、もしかしたら失敗を失敗と思わなくなってしまっている体質になっているかもしれませんよね。(笑)
清水:そうですね。年を取って経験とかキャリアを積むとあまり周りに怒られなくなるじゃないですか…怒られなくなると終わりだとも言いますよね。(笑)
ー 怒られなくなってしまうと、失敗したかどうかも分からなくなるような気がしますよね。
清水:この立場(経営者)は僕はすごい危険だなと思っています。特に社内については。社員が僕のことを怒るというシーンってほぼないと思います。
ー 確かに。仮に失敗したとしても社員には見えにくいというか。
清水:まぁ、僕はちょこちょこボソッと「うわ。しくった」みたいなことは言っていると思います。(笑)
奥野:言ってますね。
社内のデスクで同じ空間にいるから聞こえてきます。(笑)
蜜浦:確かに、聞きますね!
この間も書類に「まる”し”」書いたときも…(笑)
清水:あーー!ってめっちゃしょうもない失敗談(笑)
ー なんですか!「まる”し”」って???
清水:僕はいつも社内書類に確認印をする時、ハンコの代わりにボールペンで「まる”し”」と書くんですけど、この前協力会社に提出しないといけない書類に間違えてそれを書いてしまって(笑)一応ちゃんとした「清水」のハンコを押すことになっているんですけど。
奥野:清水の”し”
蜜浦:こんな感じです。
ー 簡単すぎませんか(笑)一筆書きの「まる”し”」
清水:前の会社でもそうでしたが、社内書類でも回覧するときはスタンプラリーみたいにみんなハンコ押していくんですね。(そもそもこれはこれで必要なのか?と思っています)
ある時ハンコである必要ないよねって思って。そこからずっと「まる”し”」で書いてます。
1回、社外に出る書類は「まる”し”」で書いてたらあかんって言われたのでそれ以降はハンコ押してますが。(笑)
奥野:1回「まる”し”」書いたってことですか?(笑)
清水:うん。でも、「これ送るやつなんでハンコ押してください」ってすぐ返されました(笑)
ー そりゃあかん(笑)それで最近その「まる”し”」問題が起きたということですね。
清水:そうなんです。提出用の書類が回ってきて僕もぼーっとしてて、ふつうに「まる”し”」って書いた瞬間に「しもたっ!」て(笑)
ー それが最近の失敗談(笑)
清水:(!)あとは、失敗談というか…大学院のゼミをZOOMでやってるんですけど、準備不足とか全然研究が進んでなくて先生に指導を受けた時ですかね。「どうすんねん!」とか「もっとやらなあかんやろ!」って言われました。でも、それは決して感情で叱責されたり個人攻撃されるわけじゃなくて、議論をしてぐうの音もでない状態なので、とてもありがたい環境やなと思ってます。さっきも言いましたが、なかなかこの立場で怒られる、言われることはないので。アトツギのコミュニティも含めてそういう環境があるということはありがたいです。
失敗とかいろいろやらかしているんですけど、言ってくれる存在っていうのはありがたいなと思います。
雑談から生まれた核心に触れる話
経営者がやるべきこと3つ
ー 蜜浦さんは、野球をしているから監督という存在がいると思いますけど、豊開発というチームのトップである清水さんのスタイルはどうですか?
蜜浦:どう…難しいですけど、清水さんのようなタイプの監督とは出会ったことないですかね。高校も専門学校でも「言っちゃうタイプ」の監督だったと思うので。今思うと特に高校の時は、「サインが出たからこのプレーする」とか「来た球を打つ」みたいに言われたことをやるとか感覚でプレーしてることが多かったなと思います。
ー なるほど。これやりなさいとかこうしなさいとかね。
蜜浦:そうですね。学生の時からある程度自分で考えて根拠をもってプレーしてきた選手って見ているとなにか他とはひと味違うというか…。そういう選手は、なによりプレーに迷いがないし堂々としてる。だから「チャンスに強い」とか「なにかやってくれる」という雰囲気があってチームや監督からの信頼は厚いですよね。
ー 清水さんってサッカーのあの監督(以下X監督とする)ぽいんですかね?周りからは「選手に任せすぎ」「何もしていない」と非難をよく受けているけど、実はマネジメント力があってものすごく選手の話を聞いて、自分ではこう思うけど基本的には選手を尊重しようみたいな。X監督はまさにそこに近いタイプだと思いますが、清水さん自身そこに何か通じるものはありますか?
清水:立場としては重なる部分はあるかもしれませんね。
X監督は、自身の現役時代のレベルと比べると今の選手のほうが高いレベルの人がたくさんいて、その中で監督をするという状況だと思います。僕もそんな環境なんですよね。現場でバリバリ専門的な仕事をする人がいる中でアマチュアな人が監督してるみたいな。だから現場はその道のプロに任せて、僕は組織の環境を整えるのが仕事(役目)なんだろうなと思っています。実際X監督ご本人がそう思っているかは分からないですが、なんとなく通じるところはあるかもしれませんね。
ー キャリアという部分を比べると今の選手のほうがとんでもないキャリアを積んでて、指導者に対して「あなたと比べないで」くらい思われても仕方ないようなトップの選手たちが集まっている中で、どうマネジメントするかという話ですもんね。
清水:選手たちもX監督をあまりよく思ってない時期もあったかもしれないし、それをまわりまわって聞くのは嫌だと思うんですけど、そこで組織崩壊していないというのは、X監督の器の大きさでもあると思います。
また、選手同士で色々ディスカッションもしてると思いますし、結局そういう環境があればいいのかなと思います。
ー しかし、それもなかなか難しいですよね。
清水:難しいなとは思いますね…
経営者のやれることについて、ある人に言われて「なるほど」と思ったことがあります。
僕の経営者としての仕事は、
①会社のビジョンを語る(その人はポエムを語ると言っていた)
②組織の仕組みを作る
③自分より優秀な人を連れてくる
この3つくらいかなと。あとは、「なにかあったときのすべての責任を取る」ことですね。だから、澤さんもそうですよね。僕は採用の専門家ではないし人材に関してめちゃくちゃ詳しいというわけではありません。だからこそ採用に精通した人に会社へ来てもらうというのが僕の仕事なんだろうなと思っています。
↓ 澤さんの記事はこちら
ー なるほど。ありがとうございます。
以上で今回のインタビューは終わりなのですが、最後に雑談程度にX監督についてお聞きしてもいいですか?
清水:明確な方向性を示してほしいなと思うことがありますね。口足らずなのか説明不足なのか、意図があまり見えてこない。(笑)スタメンの選手を選んだ意図だとか交代の意図だとか、そこが分からないというので選手からも不満が出ていたんだろうなと思います。※インタビュー当時
ー そこはメディアを通しても行ってましたね。
清水:そうですね。組織の長として、失敗したことも判断したことも、なぜなのかということや意図をしっかりと伝える努力はしないといけないんだろうなと思います。
それは僕自身も心がけてることで。なにかみんなにお願いするときも、ただ単に「これやって」とか「お願いします」と言うだけではなくて、なんでやるのかという背景や目的、理由を伝えるように意識しています。
ー それがあれば腑に落ちるので大事ですよね。
清水:そうですね。やってと言われたらやるけど、腹落ちしていないと本人が出す結果もよいものでなくなると思うんですよね。だから腹落ちして納得してやってもらったほうが、いい結果も出ると思うので丁寧に説明するようにしています。
ー なるほど。それは伝え続けるしかないですもんね。
清水:今までの豊開発はそのあたりの説明がすごく下手だったのかなと思います。「これやれ」「明日からこの現場行け」だけだったんですよね。そんな中でやっていたから、腹落ち感とか、ロイヤリティとか帰属意識が生まれないし、仕事の成果も低くなる。だから僕は、なんでやるのかというのは伝えるようにしています。
ー インタビュー終わりって言いましたけど、最後めちゃくちゃ核心に触れる話が出ましたね…。しっかり伝える努力をするというのは経営者としてすごく大事な仕事ですよね。
清水:そうですね。人間が1人でやれることなんてたかがしれているので、自分1人でやるよりもみんなで協力してみんなでやった方が、色んな成果も出るし色んなことができると思っています。そのために会社としてなんでやるのかとか、あなたにお願いする理由はなにかを丁寧に説明する必要があるんだろうなと思います。
ー すごくいい話が聞けた…。ありがとうございました!
以上で、「土木会社の経営者が語る企業のビジネスモデルと人材育成の話を『ラーメン』で例えてみた」シリーズ完結となります!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今後も清水さんインタビューをはじめ、豊開発で働く社員インタビューも実施していくよていです!「新入社員が○○に面接してみた」マガジンでインタビュー記事もまとめていますので、ぜひご覧ください!
深掘りは続く…