令和4年度 行政書士試験の記述問題の配点を検証する
・この記事の趣旨と目的
私は令和4年度 行政書士試験の記述問題で60点中46点を取り、合格することができました。
記述以外で170点だったので、記述問題で最低でも10点を取れれば合格できたのですが、記述問題の採点基準は公表されていないため、試験日から合格発表までの2か月を悶々として過ごしていました。
近年の行政書士試験の合格率はおおよそ10~12%で推移しており、記述問題の採点はその調整として使われているという説が強いです。
つまり受験生の択一問題の平均点が高くなると記述問題の採点が厳しくなるようです(令和3年度の記述の採点は相当厳しかったようです)。
3問ある記述問題の配点はそれぞれが20点ですが、合計点でしか知ることができないため、どの問題で何点取れたかを個別に知ることもできません。
今回は一つのサンプルとして、自分の解答と行政書士試験研究センターの公式の解答を比較し、予想としてそれぞれの配点を振り返りたいと思います。
・行政法(問題44)
公式解答
自分の解答
B市を被告とし、重大な損害を生ずるおそれがあると主張し、是正命令の義務付けの訴えを起こす。(45字)
予想得点:20点
3問合計で46点だったことから、この解答で満点を貰えたのだと予想。
厳密に条文に沿っての記述なら、
・重大な損害「が」→「を」
・「生じる」→「生ずる」
・「義務付け訴訟」→「義務付けの訴え」
となりますが、公式解答がこうなっているのでこれらの表記の違いは減点にならないのでしょう。
「是正命令の」は無くても減点にならないと思いますが、「何を義務付けるのか」という明確な目的を問われていることを重視するのであれば、4点くらい配点されている可能性もあります。
被告を「B市長」、訴えを「差止訴訟」「取消訴訟」(併合提起)と書くのは明確なひっかけポイントなので半分以上持っていかれるかと。
・民法(問題45)
公式解答
自分の解答
無権代理行為を単独相続した本人が契約を拒否しても信義則上に何ら反しないため、認められる。(45字)
予想得点:12点
「追認を拒絶」のキーワードがないため8点の減点で、無権代理を相続した本人(誰が)、信義に反しないため(理由)、認められる(結論)が合っているので12点と予想。
採点が厳しい年度だと6~8点しか貰えない可能性もあるのかなと思いました。
・民法(問題46)
公式解答
自分の解答
Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使し、土地の現状回復および明渡しを請求できる。(44字)
予想得点:14点
まず「原状」を「現状」と書いているので減点なのと、問題をよく読むとCが土地に居座って占拠している訳ではないので、「土地の明渡し」には点数が付かないのだと思います。
「Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使」(条件)が合っていること、「塀の撤去」を「原状回復」としても一応意味が通るということで配点してもらっているのでしょう。
これも採点が厳しい年だと6~8点くらいになる可能性があります。
NGワードは「賃借権に基づく」ですね(登記をしていないため)。
・以上の内容を踏まえて
正直、今回の結果は想定(甘めに見て36点くらい)より点数をもらえたと思っています。
令和3年の基準だと半分以下になっていた可能性は十分あります。
記述は最低10点、取れて20点代くらいで考えた方が良いのかなと思います。
(余談ですが自分の令和3年の結果はトータル148点で、記述は8点でした)