プロジェクトあるある(80)
本日のプロジェクトあるある:
「現場で思わぬ機材トラブルが発生したとき、プロマネ自ら調達に走ることだってある」
プロジェクトあるある(78)で紹介しました、某大手お薬などを製造する会社での話です。
このお客様の大阪拠点で、新しく導入する電話システムのトレーニングを実施することになりました。
実際にトレーニング環境を準備するのは、私の会社から委託しているシステムインテグレーター(Z社としましょう)でした。
Z社ではこのプロジェクトのために結構大掛かりなチーム体制を組んでくれていました。
Z社から必要な機材を大阪拠点へ事前に送付し、トレーニング前日から環境設定を行う予定になっていました。
私も前日から大阪に移動し、環境セットアップに立ち会いました。
あらかじめ予約してもらっている会議室で電話機を配置し、スイッチという機器に接続します。
ところがですね、電話機の電源が入りません。
電話機への電気は電源コンセントからではなく、スイッチからLANケーブルを通じて供給されるしくみになっています。(こういう技術をPoE:Power over Ethernetといいます)
そこで初めて、間違えてPoE機能を持っていないスイッチを発送してしまっていたことが判明しました。
このスイッチを用意したZ社の若いエンジニアさんが青ざめています。
このエンジニアさん、スイッチならどれでもPoE機能がついていると思っていたらしく、動作確認をしないまま適当に使われていなかったスイッチを送ってしまったようです。
私はZ社のリーダーさんに、Z社の大阪拠点で代替のPoEスイッチを用意できないか確認してもらいます。
しかし、使えるPoEスイッチはないとのこと。
PoE機能のついたスイッチがないと、翌日に控えているトレーニングを実施することはできません。
万事休すか、という雰囲気が流れていた時、私が動きました。
自分の会社の大阪オフィスの同僚に連絡をいれます。
「もしもし、予備のPoEスイッチってありませんか?」
確認してもらったところ、検証用の予備スイッチが1台ありました!
急いでスイッチを取りに走ります。あとは時間との戦いです。
大阪オフィスまで戻って急ぎスイッチを受け取り、タクシーでとんぼ帰りです。
そしてスイッチを入れ替え、確認します。
電話機の電源が入った!
予定よりはかなり時間が遅れましたが、なんとかその日のうちに設定は終了。無事にトレーニングを完了できました。
最後に、無事トレーニングが完了した後、ハンドキャリーでスイッチを持ち帰る様子です(笑)
プロマネは状況をコントロールするために自ら動かない、とよく言われます。
ただそれは原則であって、緊急事態の際には臨機応変に対応すべし、なのでした。
さて、毎日更新してきた「プロジェクトあるあるシリーズ」ですが、年末年始はお休みさせて頂こうかなと思います。
経験から感じた独断と偏見による「あるある」でしたが、少しでも読んでくださった方の何かのヒントや気付きに役立てれば幸いです。
リフレッシュしてまた復活したいと思います。
それではまた2021年にお会いしましょう!
日々感謝 m(_ _)m