中学校の教科書に出ている北方領土
これは2012年ごろ、長女がまだ中学生の頃の話です。
中学1年生の娘が使っている社会の教科書に書った、北方領土に関する説明です。
そしてもう1か所、1956年の日ソ共同宣言の説明の場所にありました。
この教科書は、東京書籍という出版社が出版している「新しい社会 歴史」という、日本で最もメジャー(らしい)な教科書でした。
今はどうなっているのかわかりませんが、この教科書の中身を読んで、はたして中学生は「北方領土は日本の領土である」、とわかるでしょうか。
この教科書から、学校の先生は領土問題の本質を教えられるでしょうか。
こんな注釈に書くだけでは、明確なメッセージとしてなかなか伝わらないでしょう。
当然ながら、竹島や尖閣諸島の領土問題は一切書かれていませんでした。
学校の先生が、教科書に沿った内容「のみ」教えることを前提とすれば、いくらテレビやメディアで竹島や尖閣諸島の領土問題が取り上げられても子供達にはわかるわけがありません。
だから、周りの身近な大人、つまり私たち親が子供に教えてあげなければ、他国が日本の領土を不法占拠している、あるいは占拠しようとしているということの背景を理解できないのが実情です。
さらに、教科書には島の地図が出ていません。文字での説明のみです。これでは子供達はイメージができないですよね。
そう思っていたら、補足で使用している、帝国書院という出版社の「中学社会科地図」というものを使っていました。失礼。。そこには、なんと、こんな図解がのっていました。
おお、これは!!!
正直驚きました。
なんと、過去、日本とロシア(旧ソ連)との間で交わされた条約で認識されている、日本の領土の変遷が説明されているのです。
一番右のサンフランシスコ講和条約が現在の外務省のスタンスですが、南樺太と千島列島の島々は帰属未定としています。
つまり、ロシアとの間で交わされたもっとも新しく、有効な条約は1905年、実に100年以上前にかわされたポーツマス条約、あの日露戦争を終結させるために結んだ講和条約、なのです。
そのことをこの図から教えることができます。しかし、地図の一部に記載されているだけの補助資料ですから、きっと先生によって温度差が出ることでしょう。こういう地図を教科書に載せるべきだと思います。
そして、この地図には、こんな図まで出ています。
みなさん、北方領土の島々がどのくらい大きな島か、イメージできますか。
なんと、択捉島は、沖縄本島(約1208km²)よりもはるかに大きい(約3184km²)のです。他の島はどうでしょうか。
国後島も、沖縄本島よりも大きい(約1499km²)のです。
それに比べ、色丹島は小さく、253km²しかありません。この写真では写っていませんが、歯舞諸島は、さらに小さな小さな島の集まりで、わずか約100km² です。
北方四島と字面だけとらえたら、四島とも同じ大きさに感じます。そして歯舞諸島と色丹島の二島返還ということだけを聞くと、半分帰ってくるように感じますが、実際にはそうではありません。この地図が物語っています。
圧倒的に大きいのは択捉島と国後島なのです。だから、テレビや新聞での報道は注意して聞かないといけないのです。
領土問題、いま子供に教えていかなければ、結局これまでの私たちと同じ、何も知らされずに生きていくことになります。私は、それではだめだとおもうのです。
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時は流れ、2021年。あれから9年も経過しました。結局、北方領土問題は前に進まず。時間が経てば経つほど解決は難しくなるばかり。
唯一、ロシアのエリツィン大統領のときにまたとないチャンスがあったのですが、それを逃してしまいました。
話し合いで返還を果たせたかもしれなかったのはあれが最後だと思っています。もはやこの問題解決はこれまでのような対話ではもう無理でしょうね。
ご意見はいろいろあるでしょうが、日本が抑止力としての戦力を背景に外交交渉が行えるようになる、つまり憲法9条を改正できない限りは解決を見ることはできないでしょう。
本当に難しい問題です。
それではまた!
日々感謝 m(_ _)m
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