不可能を可能にする方法とは ~DIALOGUE CARDより~
最近ややネタ切れ気味になってきたこともあり、最終兵器を導入。
研修のアイスブレイクで使えるかなー、と思いながら導入した「対話するトランプ」。めくると色々な(答え甲斐のある)お題が書いてあり、それに対する回答を考えることで対話力をトレーニングする一品。
本日はこの中から、まさに母校体育会の精神である『不可能を可能にする』に関連するお題を発見したので、これをお題に記事を書きたいと思います!!
いきなりお題にいちゃもんをつけるならば、『結局「可能」になるのであれば、もともと「不可能」ではなかったのではないか?』と言いたくなってしまいますね。つまり、ここで言う「可能」と「不可能」という言葉には何がしかの補足が必要になるはずです。
①時間軸という補足
☞パッと思いつくのは【時間軸】。すなわち、「今の自分」には不可能と思われることでも、「未来の自分」には可能になっているものがある、ということです。
これには強く賛同します。母校で言われるところの『練習ハ不可能ヲ可能ニス』というのはこのことを指しているように思います。弛まぬ努力で自己を成長させていくことで、コンフォートゾーンを抜け、自分の殻を破って成長する、ということは競技・スポーツにおける基本部分にあたります。
この時に大事なモノは【適度な負荷】。今の自分の力を100%とした時に、120~130%くらいのストレスをかけることが成長につながります。適度にストレッチな目標の立て方としては、Moonshot(元アップルのジョン・スカリーの本などご参照)などが参考になりますね。昨今流行った話ではOKRの考え方にも通ずるところがあります。
②組織力という補足
☞次に考え付くのは、「個人」では不可能だが、「組織・チーム」では可能、ということでしょうか。私自身は弓道と言う個人競技出身なので、この感覚はビジネスパーソンとなってから特に感じるようになった観点です。
(競技という面においては)ひとりひとりが全て同じ役割を担う弓道の場合、相互補完は効きにくいですが、団体競技やビジネスの世界ではひとりひとりの役割や専門性の度合いが異なることから、「個人としてできること」と「組織としてできること」が必ずしもマッチしないことは往々にしてあります。
この場合は【全体最適】を図ることが一つのポイントになりそうです。すなわち、チームとしての能力が最大化されるような個人個人の掛け合わせ・組み合わせを考えることが重要となります。これを実現するためには、各々がプレーヤーとして努力するだけではなく、リーダー・マネージャーがチームメンバーに横串を差していくことが必要となります。コーチの役割も、単に部分最適(≒各個人の能力の引き上げ)だけではなく、全体最適となるようにチームメンバーを活性化していくという観点が欠かせません。
③思考停止という補足
☞最後に無理やりひねりだすとしたら、良く考えず「決めつけ」で不可能と判断していたが、対象を「明確化」したり「分解」したりすることで可能という判断を下すことができるようになったというケース。『幽霊の正体見たり枯れ尾花』パターンです。
人間、「正体のわからないもの」や「複雑なもの」に関しては、とかく距離を置いて『自分には到底考えの及ばないもの』として処理しがちです。考える労力を嫌い、本当は価値があるかもしれないものにフタをすることで、安定した今の生活を守ろうとします。
これを打破するためには前述の通り【明確化】と【分解】が有効です。前者の明確化は、漠然とした目標・課題を"SMART(*)"の観点で見つめなおしていきます。
(*)Specific(具体的)Measurable(測定可能)Attractive(魅力的)Realistic(現実的)Time-bound(期限のある)等、色んなパターンあり
こうしてある程度具体的な実態を伴ってきた目標・課題を、それを構成する要素ごとに分解することで、具体的なアクションを起こしやすくします。これは昨日の記事における「モジュール化」の概念と近いところがありますね。
この段階までくれば、もともとは理解がおよばず、何となく「自分にはできなそうだ」と思っていたものが、「この手順・ステップを踏めばもしかしたらできるかも?」と変わっていっていることは十分に考えられます。
今回は「不可能を可能にする方法」というお題を私なりに解いてみました。果たして、皆さんの感じている「不可能」は「可能」になることはできそうでしょうか?