《5分で学ぶ》Webマーケティングの歴史【2万文字】
私は事業者さまのWebマーケティング活動における「集客」「接客」「成約」「再訪問」の各領域においてサポートを行うフリーランスのWebマーケターとして普段活動をしています。
ご相談をいただいた事業者さまに「課題における改善提案」についてお話させていただく際に、Web施策における歴史的背景や文脈から説明することが多々あります。
Webマーケティングの歴史からお話しさせていただくことで、現在のトレンドに対する文脈の理解はもちろんのこと、歴史を把握しておくことでご提案時にトレンドに流されない本当に必要な本質的な提案ができるようになります。
また、これからWebマーケティング活動に取り組む際に、全体像を把握しておくことで、適切なパートナー探しや、効果的な施策の実装へと役立てることができます。
当記事ではWebマーケティングの歴史の流れを紹介しております。
ぜひ、当記事でWebマーケティングの全体像を把握して、Web戦略に役立てていただければ幸いです。
Webマーケティングとは何か
WebマーケティングとはWeb(インターネット)を中心に行われるマーケティング活動でWebサイトやWebサービスを用いて行われるものです。
Webマーケティングを理解するには、先ずマーケティングについて理解しておく必要があります。
Marketing is about identifying and meeting human and social needs.
『マーケティングとは社会活動のプロセスである。その中で個人やグループは、価値ある製品やサービスを作り出し、提供し、他社と自由に交換することによって、必要なものや欲するものを手に入れる』
コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメントより
マーケティング界の最重要人物であるフィリップ・コトラー氏はマーケティングを「ニーズを満たす」と定義しています。
The aim of marketing is to know and understand the customer so well the product or service fits him and sells itself.
『マーケティングの目的はセリング(単純販売活動)を必要なくすることである』
ピーター・ドラッガー マネジメントより
またマネジメントの発明者であるピーター・ドラッガーはマーケティングの定義を「単純販売活動をなくすこと」としており、マーケティングとは「買ってもらうための流れや仕組み」を作ることに対して指す傾向にあります。
WebマーケティングとはWebを中心に行われるマーケティング活動(モノを買ってもらうための流れや仕組み)を意味する言葉となります。
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■世界最初のWeb広告「バナー広告」の誕生
Webマーケティングの歴史はインターネットの歴史といっても過言ではありません。その中でも最も大きな出来事として1994年、オンライン雑誌の「HotWired.com」に掲載された世界最初のバナー広告の登場があります。
※世界初と言われている最初のバナー広告
The First Banner Ad - AT&T "You Will" より抜粋
そこから1996年1月、ヤフー・コーポレーションが日本のソフトバンク株式会社と共同でヤフー株式会社を設立し、バナー掲載による広告サービスを国内で始めました。
バナー広告の登場によりWebサイトを保有し、そこに広告枠を置くことで広告収入を得ることができるようになり、インターネットを利用した広告業が生まれました。
当時のバナー広告は今と異なり純広告といって、枠を購入する形が主流で、ポータルサイト全盛期の時代ではサイトで一番目立つ枠が高額取引されていました。
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■新しい広告「アフィリエイトプログラム」の誕生
1996年にAmazon.comにより開発されたアソシエイトプログラムは「他のサイトを経由して Amazon.com サイト内の商品が購入されると、一定の報酬が支払われる」という仕組みで、これによってアフィリエイトプログラムが確立されました。
当時はクリック課金型のアフィリエイトが主流でしたが、クリック詐欺が多発する中、現在主流となる新しい広告モデル「成果報酬型広告のアフィリエイト」が誕生しました。
同年にLinkShareが世界初のアフィリエイトサービスプロバイダーとして業務を開始しており、アフィリエイトはアメリカで生まれた広告になります。
国内では1999年に「Value Commerce」、2000年に「ファンコミュニケーションズ(A8.net)」がサービス開始し、日本でもアフィリエイト広告は全盛を迎えます。
その後もアフィリエイト市場は拡大を続け、2002年には電脳卸、2003年には1億人.comがアフィリエイト業務に参入します。国内でも2003年には楽天市場も楽天アフィリエイトという名前でサービスを開始し、さらに2004年には当時すでに検索エンジンにおいて覇権を取っていたGoogleがGoogleアドセンスというアフィリエイトサービスを正式に始めます。
Googleアドセンスの登場により、個人ブログにも広告枠を設置が可能となり、あらゆるサイトが広告枠になる変化が起こりました。
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■時代を変えたマーケティング〜メールマガジン
インターネットの歴史において重要な存在なのが「メール」です。
「Yahoo」「AOL」「Hotmail」がメールサービスの提供を開始し、メールが普及する中、メールはコミュニケーションツールとしての幅を超え、販促にも利用できるとし、メールを使用したマーケティング活動が研究され始めました。
国内におけるメールマガジン(以後メルマガ)の普及はメールマガジン発行スタンド「まぐまぐ」が1997年に登場したことで始まったといっても過言ではありません。
1999年にiモードサービスが開始し、メールはPCだけでなくモバイルにも浸透していき、メルマガの需要が爆発的に増加しました。
メルマガの全盛期とも言われているのが2000年代で、メルマガは大量に送るのではなく、いかに読んでもらうかに重点をおいた戦略が重要視され、メルマガは発展を遂げていきました。
2003年にGmailが登場し、同時にHTML形式のメールを配信する企業の増加したことと、携帯電話の普及によりモバイルメールの利用率も増え、メルマガは複雑化することになります。
メールは今でも変わらずコミュニケーションツールとして重要な位置におり、メルマガも利用され続けています。
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■検索エンジンの普及とSEMの登場
1995年にディレクトリ型の検索エンジンYahoo Searchが登場し、検索エンジンが普及しました。ディレクトリ型はサイト保有者自らがサイトを登録する手間がある欠点がありました。
その3年後の1998年にGoogle社によるロボット型検索エンジンが登場し、自動的にWeb上にある多くの情報を効率よく収集することができたため、インターネットユーザーにとっては非常に便利な検索エンジンとなりました。
Googleの検索エンジンが普及し、検索結果の上位に表示されるWebサイトから訪問したユーザーによってインターネット上でビジネスが発生し、検索はビジネスにおいて非常に重要な顧客とのタッチポイントになりました。
これがSEO(Search Engine Optimization|検索エンジン最適化)の誕生です。
検索エンジンが普及し、Googleを利用するユーザーが増えた2002年にGoogleがAdwordsをローンチしました。ここから「検索連動型広告|リスティング広告」が登場し、多くの事業会社が広告に参入をし始めました。
SEOとリスティング広告は検索エンジンを活用したマーケティング活動で「SEM(Search Engine Marketing|検索エンジンマーケティング )」と総称されています。
2000年以降インターネットはビジネス活動において大変重要な要素となり「SEO」「リスティング広告」「バナー広告」を専門に扱うWebマーケティング支援会社が多く生まれました。
特にSEOはWebマーケティングの中心的な手法となり、多くのSEO対策が行われましたが、悪質なスパム対策によるサイトが検索結果を埋めたことでGoogleがアルゴリズムのアップデートを始め、SEOは高度となり「質の高い信頼性のあるユニークなコンテンツ」が求められるようになりました。
GoogleはSEO対策をする業者のスパム行為を排除するようにアルゴリズムのアップデートを行い、検索エンジンの精度を年々向上させていきます。
それによりアップデートがある度にSEOにおける流行的な施策が生まれ、一つの潮流となります。
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SEMは2021年現在でもWebマーケティングにおける基本的な施策で、集客施策において基本中の基本として扱われます。
検索エンジン対策であるSEOは個人でもできるため個人事業主やアフィリエイトブロガー、ネットショップの運営者でも実施できる施策でもあります。
リスティング広告も全盛期と呼ばれた2000年代よりは効果は薄れましたが、BtoB領域では主流の広告であり続けていますし、BtoC領域ではアフィリエイトサイトとの組み合わせにより効果的に活用されています。
またSEM領域は拡大を続けており、検索周りだけに止まらず、訪問後の「ユーザー体験」も重要視されるようになりました。
その結果、様々なWebサイト改善施策も同時に行われるようになります。
Googleマップで表示されるように店舗情報を最適化するMEO(Map Engine Optimization|マップエンジン最適化|ローカルSEO)やSEOやリスティング広告で集客したユーザーが目的達成するためにサイトの入口を最適化するLPO(Landing Page Optimization|ランディングページ最適化)、問い合わせフォームやエントリーフォームなどフォーム周りを最適化するEFO(Entry Form Optimisation|入力フォーム最適化)、ユーザーがWebサイトで収益につながる行動(CV)を最適化するCRO(Conversion Rate Optimization|コンバージョン率最適化)など様々な改善施策を行い、SEMの効果を最大化していくのがWebマーケティングにおける王道の流れです。
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SEMにはアクセス解析も重要で、Web解析ツールも同じタイミングで成長していきます。
2005年にログ解析ツールを提供していたUrchin Software Corp.のUrchinをGoogleが買収し、2006年にGoogleアナリティクスがローンチされます。
ログ情報を元にユーザー行動を分析し、サイト内の数値情報を元にサイトを改善することで高い効果を得る手法は後のグロースハックへと繋がって行きます。
また同時期にWebマスターツール(後のGoogleサーチコンソール)がローンチされ、SEO対策やWeb施策の改善は更に加速することになります。
また、複雑化する分析・改善ツールの登場によりタグ管理システムの重要性も上がり、SEM領域ではタグ領域の最適化も要素に含まれるようになりました。
2012年にGoogleタグマネージャーがローンチされたことでタグ管理が安易になり、Web施策の改善も管理しやすくなったことで様々なツールの導入が進みました。
Web解析ツールを活用したWeb施策は年々進化しており、A/Bテスト、ヒートマップ分析、レポーティングツール、AI解析ツールなど様々なツール、分析手法を使用して、SEM領域は拡大し続けています。
現在SEOは「検索体験最適化(Search “Experience” Optimization)=SXO」のように新たな再ブランディングの試みを目にする機会が増え、今後ますます複雑化していくと予想されます。
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■ECサイト(ネットショップ)の誕生と普及
ECサイトの起源には諸説あり、具体的に一番最初のECサイトがどこなのかは明確になっていませんが、1994年に米国のNet Marketというサイトでされた取引が有力と言われています。
1995年にグローバルECプラットフォームeBayが登場しオンラインショッピングの基盤が作られ始めます。
1996年にショッピングモール楽天市場が誕生し、日本でもインターネットショッピングが広まり、注目を集めました。
Yahoo!ショッピング、Yahoo!オークションが1999年にサービス開始し、インターネットオークションも一般に普及し、2000年に登場したAmazonの成長に合わせて、国内でもECサイトは当たり前のような存在になり、その後モール型のショッピングサイトではなく、企業が個人で運営する個人ECサイトが登場しだします。
2009年にiPhone3が登場したことでスマートフォンの保有率が爆発的に増加したことでECサイトの需要も同じく増加していきました。
同年にAmazonが当日配送サービスを開始し、楽天市場も翌日に商品が届く「あす楽」をスタートすることでECサイトは「手軽さ」と「速さ」を売りにするサービス競争時代になります。
その後ネットショップとリアル店舗の連携によって顧客と店舗の接点が増加していきオムニチャネルが主流の考え方となりました。
SNSやライブコマースの発展により、商品と触れる機会が増え、決算をするタイミングもネット上で行うことが浸透したことでECサイトはメーカーや個人事業主にまで拡大し、決算サービスが充実化して行きます。この流れは2020年ごろまで続き、近年では個人でも複雑な操作がなく簡単にECサイトが運営できるなど進化を続けています。
2018年10月には「PayPay」などの電子マネーにおける決算サービスが登場したことでEC領域は新たな成長フェーズに突入し、今後ますますリアルとネットの境目が密接になっていくと言われています。
EC業界は現在最も注目されている業界となり、今後も更に発展を遂げる領域になることでしょう。
ECプラットフォーム「カートASP」一覧
BASE
STORES
FC2カート
イージーマイショップ
ワイズカートゼロ
futureshop
カラーミーショップ
MakeShop
ショップサーブ
Shopify
aishipR
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■CSMの登場〜ブログ全盛期の時代へ
CMS(Contents Management System|コンテンツ管理システム)の登場によりサイトに掲載するコンテンツの管理が楽になり、Webサイトの構築が簡単にました。
通常Webサイトを作る際はHTML、CSSで構築したサイトを1ページごとに保存する必要がありましたが、CSMはテンプレとしてサイト構造を保存でき、更に掲載するコンテンツの情報も一括で管理できるようになります。
1998年に誕生したPHPNUKE、1999年にBloggeを中心にCSMの原型が登場します。この時期にVIGNETTE、TeamSite、OPENTEXTが登場しました。
2001年にDrupal、Movable Typeがリリースされており、続いて2003年にWordPress、MySpaceが登場したことでCSMで簡単にWebサイトを制作することが可能となり、大企業以外にも個人レベルでWebサイトが普及しました。
更に国内では2000年代初頭にかけて、「はてな」「シーサー」「ニフティ」等のブログサービスが登場したことで、HTMLが苦手な人でも簡単にブログを作り運用できることから爆発的に流行し、ブログは一斉を風靡しました。
そして、ブログの普及はアフィリエイトの普及にも繋がり、Webマーケティングの重要性は急激に増加していきます。PWeb Designer Depotによると、1999年当時はインターネット上でのブログ数はわずか23サイトしかありませんでしたが、2006年には5000万と爆発的に増加していることからも、大量の情報がインターネットに溢れかえったことが分かります。
企業もまた簡単にWebサイトを作成し、情報を発信できるようになったことで、Webサイトの普及が早まることになり、デザイン性や創意工夫のあるWebサイトが取り上げられることになり、Webデザインの発展が起こりました。
ユーザーとの接点との直接的な接点となるWebサイトにおけるUI(ユーザーインターフェース)やIA(情報設計)の分野も重要視され、後のUX(ユーザー体験)へと繋がっていく潮流もCSMの発展から生まれました。
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■インターネットに生まれた新たな居場所〜SNSの誕生
SNSの始まりに関しては諸説あり、様々な議論があり定説がない状態ですが、SixDegrees.comやClassmates.comなど90年代にはいくつかSNSと呼ばれるサービスは存在していました。
現在のSNSと同じような手法でユーザー数を獲得した最初の事例は2002年にローンチしたFriendsterが挙げられます。
2003年にはMySpace、LinkedIn、Skypeが、そして2005年にはBeboが登場し、特にMySpaceは爆発的な流行を起こしSNSという存在が世界中に認知されるようになります。
アメリカで2004年にFacebookがローンチされSNSという存在が浸透し、インターネットを通じて世界中の人とコミュニケーションを気軽に取れる基盤が急ピッチで構築され始めました。
2006年に現在はインフラにまで成長したTwitterがローンチし、SNSは2000年代に急速に発展をはじめます。
2007年に登場した「iPhone」でスマートフォンが登場し、よりインターネットが身近な存在となり、同時にSNSへのアクセスのしやすさから爆発的に浸透していきます。
また、2007年にローンチしたSoundCloud、Bandcampによって音楽投稿SNSも登場し、世界中のインディーズで活動する音楽家が自身の作成した楽曲を投稿するブームが起こりました。
2009年にメッセンジャーアプリWhatsAppが登場します。メッセージのやりとりはメールよりも気軽に連絡できる存在として人気となります。
2010年にInstagramが登場し、画像投稿機能が注目され次世代のSNSとして注目され、発展していきます。同年には写真共有サービスPinterestも登場したことで「写真」がSNSにおける重要な要素として注目され始めます。
2011年にGoogle+、Snapchat、LINEがローンチし、新世代SNSが台頭し出しました。
Snapchatは現在主流の投稿が消えるタイプのSNSでローンチからしばらく経ってからInstagramがストーリーを導入したことでで世界的なブームを起こします。
LINEは2021年現在では日本国内においてはコミュニケーションにおけるインフラとなり、メールに変わるチャットツールとして人気のSNSです。
ICT総研:2020年度 SNS利用動向に関する調査より抜粋
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日本において1999年にローンチされた2ちゃんねる等の掲示板サービスの登場によりインターネット上で自由にコミュニケーションをする土台は作られていたが、本格的なSNSの登場は2004年に登場したGREE、mixi、2006年に登場したモバゲータウン、2007年に登場したpixivなどが挙げられます。
同時期にFacebook、Twitterといった海外SNSが国内リリースされ始め、次第にmixiやGREEなどの国内SNSは衰退していきます。
主な要因としてポータルサイト独特の多機能性が使いにくさを生み出し、シンプルなSNSであるTwitterや実名によるビジネス面で活用できるFacebookにシェアが奪われたと言われています。
その後2011年にローンチされたLINEが流行し、ビジネス領域以外でのメール文化が廃れました。2014年にはInstagramの日本版がローンチされ、「映え」による新たなコミュニケーションと価値観の変化が起こります。
2016年にローンチされ2017年に上陸したTikTokがティーン層を中心に爆発的に流行し動画コンテンツのニーズが増加することでSNSは「テキスト⇨写真⇨動画」と変化していきます。
2020年にstand.fm、Clubhouseがローンチされ、特にClubhouse2021年2月現在において爆発的なブームとなり、音声SNSが注目されるようになりました。
SNSは現在も発展をしており、ティーン世代を中心に次々と新しいSNSが発見され評価されることでブームが起きる流れを繰り返しています。
SNSはビジネスにおいても無視できない存在となり、マーケティングにおいてもSNSマーケティングとして発展しています。
SNSはそれぞれ広告枠も持っており、広告配信を行うこともSNSマーケティングの主流となり、特性に合わせて広告出稿をする代理店も多く生まれました。
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■動画全盛期〜YouTubeとニコニコ動画
最初の動画共有サイトは1997年にローンチされたshareyourworld.comで、最初は撮影した映像を販売代行してくれるサービスでした。
その後、しばらく動画投稿サービスは登場せず、2003年から2005年にかけて、「Metacafe」(2003年)「Pandora TV」(2004年10月)、「Vimeo」(2004年11月)、「google video」(2005年1月)、「Dailymotion」(2005年3月)、「Tudou」(2005年4月)、「56.com」(2005年4月)が登場します。
そして、2005年に動画投稿サイトYouTubeがローンチされ、動画投稿サイトが世に浸透しました。
公式サービスの開始当時、1日の動画再生回数は約800万回だったと報告されています。YouTubeは急速に成長し、2006年7月の発表では、1日に6万5000本以上の新たな動画がアップロードされており、1日の動画再生回数は約1億回であると報告されています。
急速な発展によりYouTubeは当時次世代のSNSとして注目の的となり、世界中でブームになります。
その影響を受けて日本では2006年にニコニコ動画がローンチされます。画面上にコメントが流れる弾幕ビデオサイトの祖でした。
動画内にコメントを流す機能は画期的で、様々な文化を生み出すことになります。特に2ちゃんねるで主流のコンテンツだったFlashを使用した動画をベースにアニメ・ゲーム・コミック等を利用したMAD動画や実況動画、ボーカロイド、歌ってみた、踊ってみたといった様々なアンダーグランドカルチャーを生み出しました。
国内ではニコニコ動画の投稿者が高いコンテンツ力を持つようになり、一芸を持つ個人がインターネットを通じて自身の発信し、収益を得るビジネスモデルが生まれ、後のインフルエンサーマーケティングが浸透する実例となりました。
YouTubeでも同じく自身の一芸を動画投稿し、ファンを生み出し、自身の価値を発信することで収益を得るYouTuberが登場します。
2007年5月頃にYouTubeが閲覧数の多いユーザーに「YouTubeパートナープログラム」が推奨され、商業アカウント向きの収益モデルが生まれます。
2011年に個人にも「YouTubeパートナープログラム」が開設されたことがきっかけで世界中で高い影響力を持つ個人が動画を投稿し、様々な動画コンテンツが登場しました。
2021年現在ではYouTuberは職業として確立されており、2017年以降は小学生『将来なりたい職業』ランキングトップ10にランクインするほど高い影響力を持っています。
動画投稿サービスは様々なメディアへも影響をもたらし、マーケティング活動においても無視できない存在となり、動画マーケティングとして確立されました。
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■アドネットワークの誕生〜DSP、SPPの登場〜
インターネットの発展によって広告のあり方も変化していきます。
黎明期から存在するバナー広告は広告枠を販売するWebサイトに出稿する形で掲載するもので、サイトへの訪問数が多ければ多いほど閲覧数が増えるというオフラインの広告と同じような仕組みでした。
2002年にリスティング広告が登場し、検索結果に基づいて最適な広告を配信するようになります。
2005年にインターネット技術の発展によりユーザーの特徴や属性を数値化し、データを元に具体的なターゲティング配信が可能になりました。
広告の配信枠は拡大し、広告媒体のWebサイトを多数集めて「広告配信ネットワーク」が形成されました。これがアドネットワークの登場です。
多くのWebサイトを広告を掲載する媒体とすることで、全体では多くのトラフィック量を確保することが可能になります。これにより、様々なWebサイトにてユーザー属性に一致するディスプレイ広告を広く配信できるようになります。
アドネットワークの仕組みとして「DSP(Demand Side Platform)」と「SSP(Supply Side Platform)」があります。
SSPは広告収益を最適化する、媒体のためのツールでアドネットワークにおける広告枠を指します。
DSPは広告効果を最適化する、広告主のためのツールで半自動的に最適な広告配信を行ってくれるツールです。
アドネットワークはディスプレイ広告の役割が拡大されることになります。
DSPは提供する事業ごとに様々な特徴があります。
・アドエクスチェンジやSSPとの連携数が多い
・機械学習アルゴリズムによる自動配信の最適化ができる
・「認知」や「購入」などターゲット属性が詳細に設定できる
・画像、ビデオ、レコメンドのバナー広告配信
・位置情報を活用したセグメント設定
・IPアドレスデータベースとの連携をしたターゲティング設定
アドテクノロジーの進化により2010年頃にアドエクスチェンジが主流となり、広告は「どこに広告を出す」から「どの単価で出稿するか」へと変化し、「RTB(Real Time Bidding)|リアルタイム入札」が主流となります。
パーソナルデータを活用したオーディエンスターゲティングが可能となり、パーソナルデータをもとに広告配信を行えるようになったことで「ONE TO ONE」マーケティングの時代になります。
Urumo:いまさら聞けない「DSP」とは?~基礎知識編~より抜粋
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■ビックデータを活用したマーケティング活動
インターネットの発展によって大量のデータが生まれ、行動やパーソナル、購買など様々な情報をデータ化し、データベースにまとめ活用する潮流が起こります。
顧客情報や購買データ、行動データなどの大量のビックデータを集計し活用するツールが登場します。
インターネットの発展により顧客との接点がオフライン領域だけではなくなり、Webサイトから生まれた接点から営業活動へ発展し、成約へと繋がる営業プロセスの変化が起こりました。
2000年代後半から2010年代では、Webサイトで提供する企業情報を活用して顧客情報を取得するマーケティング活動の潮流が起こり、マーケティング活動の自動化、営業活動の可視化、顧客情報の管理、オーディエンスデータの活用が注目されるようになります。
そしてクラウド技術の発展やビックデータの活用による成功事例が生まれることでデジタル化へと向かう動きが起こりました。
その中で「CRM」「SFA」「MA」「DMP」「BI」といった様々なツールが生まれました。
・CRM:Customer Relationship Managemen|顧客管理システム
「顧客を知る」という概念は古くから存在しており、例えば江戸時代の商人が命の次に大切にしていた大福帳と呼ばれる顧客情報はCRMの考え方と同じです。
帳簿は顧客情報を記録する資料として大変重要なもので、世界的に見てもその歴史は古く、商人は顧客情報を財産に商売をしていました。
それはインターネットが登場した現代においても言えることで、顧客情報はビジネスにおいて重要な資産として重宝されてきましたが、顧客情報の量はインターネットの登場により増加し管理が難しくなり1990年代にCRMの原型が生まれます。
顧客との関係性、コミュニケーションを管理し、自社の従業員と顧客との関係を一元的に把握できるツールにニーズが生まれたことでCRMはその機能を拡大していきます。
CRMは顧客との関係性を管理することができ、連絡先や購入履歴の確認、メールやSNSを通じたやりとり、業務管理、商談状況のチェックなどを1つの業務アプリケーションの中で管理することができます。
一元に顧客情報を管理することで顧客との関係性が可視化されるため、戦略的なマーケティング活動ができるようになりました。
「顧客を知ること」はマーケティング活動においては重要な要素で、顧客接点をもつすべての部門で活用できるため、企業においてCRMを活用することは、部門の垣根を越えて顧客ファーストで課題の発見や新しいサービスの提供が可能になります。
CRMを活用したマーケティング活動では、LTV(Life Time Value|顧客生涯価値)の最大化を目指すことが目的となります。
現在CRMは顧客管理システムの領域は拡大し、SFAやMAの機能やデータ蓄積機能、データ可視化機能などアナリティクス領域にまで広がっています。
CRMは大きく分類すると実行系CRMと分析系CRMに分かれています。
機能が広範囲となるため、企業の抱えている課題や規模感、必要性からツールの選出をする必要があります。
■実行系CRM
顧客との接点と事務業務のプロセス改善することで、顧客体験と営業活動のパフォーマンス向上を目的としたCRM
・営業支援システム
・マーケティング業務の自動化
・顧客サポート
■分析系CRM
分析に必要なデータを集積するDWHやデータ可視化要素を持ち、データマイニング、テキストマイニング、映像分析などの手法により、顧客の行動や収益性、対応プロセスなどを分析し成果を出すCRM
・顧客行動分析
・収益性分析
・SFA:Sales Force Automation|営業支援システム
営業活動や顧客情報の管理を支援してくれるシステムSFAは営業活動を可視化することができ、営業の効率化や、問題点の発見ができるようになり、売上と利益を上げることを目的としたツールです。
SFAでは予算・実績の管理、ターゲティング情報、見積作成、商談・案件の管理、受注・売上の管理と「営業活動の管理」をすることができます。
営業活動を一元で管理することで営業活動の可視化をすることができ、営業プロセスの最適化ができることがSFAの強みです。
SFAの歴史は古く、前身として1980年代に提唱されていた「Office Automation」が流行し、事務作業を、コンピュータ技術を利用して電子化する動きが土台としてあります。
その中で営業担当者は商談のための外出が多く、管理が難しいという課題がありました。そのため営業業務を効率化するシステムが求められ、開発されたのが営業支援システムになります。
1993年にアメリカでシーベル・システムズ社によって初期のSFAが誕生しました。
90年代ではパソコンを活用できる営業担当者が少ないこともあり、中々普及しませんでしたが、基礎的なパソコンスキルが一般的に広がっていくことで管理システムも広まり、SFAは発展していきました。
顧客情報を管理するCRMでもSFAと近い情報の管理をすることができますが、「マーケティング活動」「顧客サポート」も含まれるため、CRMは管理する範囲が広がります。
そのため現在ではSFA/CRM統合型のツールが主流となっています。
SFAの導入状況に関しては現在セールスフォース・ドットコムのSales Cloudが最も使用されているツールです。
・MA:Marketing Automation
マーケティング業務を自動化することで業務効率化、生産性向上を図るツールを指します。
マーケティングオートメーションの歴史は1992年にアメリカのUnicaから始まったと言われていますが、当時はインターネットも普及していないこともあり、広まりませんでした。
MAツールはマーケティング活動の自動化を目的に開発されたツールで、獲得した見込み顧客の情報を一元管理をし、主にデジタル領域でのチャネルにおけるマーケティングを自動化、可視化をするツールです。
マーケティング活動における「見込み顧客の獲得・育成」を行い「商談を作る」プロセスを効率化し、顧客情報を把握している状態で商談設定することで成約確度の高い営業活動ができるようになります。
MAツールが注目されるようになったのは従来型の商談開拓手法のアウトバウンド営業から自社が有益な情報を発信することで潜在顧客を惹きつけ、その購買活動を支援するインバウンド営業が主流となり、Webサイトを活用するマーケティング活動が注目されるようになったことが背景としてあります。
SEOやWeb広告で集客した潜在顧客に対して情報を提供し、顧客情報を取得することで、顧客との関係性をWeb上で強化していくことで有利に営業活動を進めるためにMAツールを導入する企業が増加しました。
Innovaブログ:マーケティングオートメーション(MA)とは何か?機能と導入のメリットより引用
・DMP:Data Management Platform
2012年頃にインターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析したオーディエンスデータを広告配信などに有効活用し最適化を実現するためのプラットフォームが登場しました。
DMPと同じような目的・機能を持つシステムにDWH(Data WareHouse)が昔からあります。これにオーディエンスデータという外部データが加わり、さらに分析したデータを広告配信などの施策に、より落としやすくなったシステムがDMPというイメージです。
2013年ごろのマーケティング業界ではビックデータの活用が潮流としてあり、DMPは注目され、膨大なデータの中から自社データを有効活用する動きが起こりました。
アドテクノロジーが発展し、DSP、SSPが登場し、広告枠の増加と最適な広告配信が可能になりました。そしてRTB(Real Time Bidding)の登場により「どの単価で広告を出すか」が主流となりました。
「誰(どんな行動履歴を持つ人)に配信するか」が重要視される中でビックデータから抽出したオーディエンスデータを活用する広告戦略が注目されDMPを活用した広告運用が生まれました。
DMPは「パブリックDMP」「プライベートDMP」に分類されます。パブリックDMPは外部データを蓄積し第三者データの活用を目的としています。プライベートDMPは自社データを蓄積し、企業独自のマーケティングデータを活用します。
■パブリックDMP
・ソーシャルメディアデータ
・消費者動向、行動データ
・オーディエンスデータ
・位置情報等のビックデータ
■プライベートDMP
・ログデータ
・購買履歴
・顧客情報
・アンケートデータ
BOXIL:プライベートDMPとは | 導入成功ポイントと事例・ツール比較・パブリックDMPの違いより引用
・BI:Business Intelligence
企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるのためのツールです。
BIの歴史は長く、コンピューターで蓄積されているデータを抽出・分析・加工して、意思決定に活用したいというニーズは早い段階から生まれており、1970年代、1980年代にかけてデータを活用した戦略補助のシステムが登場しました。
DSS(Decision Support System:意思決定支援システム)
MIS(Management Information System:経営情報システム)
SIS(Strategic uses of Information System:戦略情報システム)
しかし、当時は分析用の専用端末が存在しないこと、経営者がシステムを使って分析ができないことにより上手くいかない状態が続きます。
1989年にアメリカでハワード・ドレスナー氏が「非専門家でも、データを活用して意思決定の質を高められる仕掛け」としてBIを定義しました。
そして同時期に大量のデータ蓄積を行うデータベースシステム「DWH(Data Ware House)」とデータ分析が自社端末でも可能になる「EUC(End User Computing)」が登場し、ビジネス活動の中でデータを分析し、有効活用することが可能になりました。
1990年代にコンピューターが一般層にも普及することで、自社データはますます増加傾向にあり、顧客情報や営業活動情報、購買データや行動データもビジネス活動の中で利用できる範囲として拡大していきます。
BIツールを企業が導入する目的は大きく3つに分かれます。
データの収集・蓄積・統合
データの集計・分析・解析
データの可視化・ビジュアル化
これらの機能は2010年代に発展を遂げたCSM、SFA、MAとの相性も良く、BIツールもマーケティング活動の戦略系システムとして分類されます。
またDWHのような情報系ツールの機能もBIツールには一部含まれ、更にDMPとの連携によってより広いビックデータ活用が可能になりました。
また、営業、販売、財務、経理、人事、流通などの資源要素を取り扱う基幹系情報システムを一元管理する「ERP(Enterprise Resources Planning)」も登場し、BIツールと連携することで資源の有効活用も可能になりました。
BIツールはWeb領域より広い範囲のデータを活用するデジタルマーケティングにおいて重要な要素となりました。
データの時間:図で理解すれば早い!BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)とは?より引用
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■コンテンツマーケティングの流行
2000年代のSEO対策はGoogleの検索エンジンの仕組みの穴を突く手法が広まり、質の低いコンテンツが検索結果に表示される状態になりました。
Googleは2011年に「質の低いコンテンツ」の順位を下げる『パンダアップデート』が起こり、「質の高いコンテンツ」が検索エンジンで評価されるようになりました。
その後も悪質なSEO対策を行われたページは淘汰され始め、2012年の悪質な外部リンクへの対策『ペンギンアップデート』、同年の著作権侵害に対応する『パイレーツアップデート』など品質を重要視するコアアルゴリズムのアップデートにより「コンテンツ」への重要度が上がりました。
2007年に登場したiPhoneによりスマートフォンが一気に普及し、2010年代に入るとスマートフォンがデジタルデバイスのメインとなり、世界規模で浸透することになりました。
更にFacebook、Twitterの普及によりSNSが発展したこともあり、インターネットに触れる機会が2000年代よりも急増することで、購買行動の中に「検索」が含まれるようになりました。また、情報に触れる機会も増加したことと、消費者が自ら自身にとって有益な情報を取得する行動も生まれました。
2009年秋に日本アドバタイザーズ協会によって「トリプルメディア」というフレームワークが提唱されたことで、新たなマーケティング戦略が生まれ始める背景と重なり、「コンテンツ」に対する評価が変わり、コンテンツより重視するマーケティング活動が流行り出します。
■ペイドメディア(Paid media)
広告などの購入されたメディア
■アーンドメディア(Earned Media)
ソーシャルメディアなどの外部メディア
■オウンドメディア(Owned media)
ブログなどの自分で情報を発信するメディア
オウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディアを活用したコンテンツマーケティング戦略が流行りだし、自社のノウハウを外へ発信するコンテンツを作成し、集客を行う手法はMAツールとの相性も良く、営業手段としても活用されることになります。
ノウハウを発信するコンテンツマーケティングはアフィリエイト領域でも相性が良く、多くのアフィリエイトメディアサイトが登場しました。
2020年9月30日にサービス終了したNAVERまとめを初め、コンテンツマーケティング全盛時代には多くのまとめサイトも登場し、クラウドソーシングの登場も重なり、「コンテンツ大量生産の時代」へと突入します。
Googleは検索エンジンの質を上げるためにコアアルゴリズムのアップデート行い続け、品質向上に勤めています。
また、Googleが自身の検索エンジンの品質を評価するために、外部の品質評価者に向けて評価方法を説明した資料である『検索品質評価ガイドライン(2020年10月時点)』が2015年11月公開されたことで、ユーザーのニーズを満たし、専門性・権威性・信頼性のある高品質なコンテンツを作成する『コンテンツSEO』が主流となります。
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■UXの時代へ〜モノからコトへ〜
UX()の概念が登場したのは1990年に刊行された著書『誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論』と言われており、あらゆる業種において「ユーザー体験」が注目されるようになりました。
Webマーケティング領域においてもサービスを利用するときのユーザー体験を重要視され、特に2010年以降は技術の発展もあり、SEO、広告、SNSなど様々なWeb施策においてUX領域が最重要項目へと変化していきました。
UXはWebサービスにおいて非常に重要な要素で情報設計、 UI(User Interface)が優れており、ユーザーの想像以上の価値を提供することが成功の鍵となりました。
例えば2021年現在では多くの人が利用しているであろう以下サービスは高いUXにより拡大したWebサービスです。
ソフトウェア開発サービス「GitHub」
音楽検索サービス「Shazam」
メーリングリストサービス「Mailchimp」
グラフィックデザインサービス「Canva」
動画共有サービス「Vimeo」
メモ管理作成サービス「Evernote」
ファイル共有サービス「Dropbox」
プロジェクト管理サービス「Trello」
定額制音楽視聴サービス「Spotify」
定額制動画視聴サービス「NETFLEX」
車のシェアリングサービス「Uber」
宿泊のシェアリングサービス「AirBnB」
コミュニケーションサービス「Slack」
Web会議サービス「Zoom」
また、サービスを利用する際の「体験」だけでなく、WebサイトのUIから受ける「体験」も重要視されるようになりました。
Webサイトの表示速度
文字サイズ/行間
文章構成
アクセシビリティ
リンク構造
ナビゲーション
画像
Webデザイン
アクション/モーション
情報設計されたデザイン・導線…など
UXを語る際によく引用されるのは、情報アーキテクチャ論の先駆者であるピーター・モービル氏のハニカム構造がよく引用されますが、これはWeb領域でも当てはまり、Webマーケティング活動においても指標とされています。
①Useful:役に立つ・有用
②Usable:使いやすい・便利
③Findable:探しやすい、迷わずに目的地に辿り着ける
④Credible:信頼できる
⑤Accessible:アクセスしやすい、誰もが見られる
⑥Desirable:好ましい・魅力的
⑦Valuable:価値がある
次世代のWebマーケティングでは検索体験、ユーザーを不快にさせない広告、高品質なコンテンツ、ストレスレスなデザインなどは重要な要素となっており、今後もUX領域は最重要項目となります。
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■CXの時代〜顧客体験を提供する〜
CX(Customer Experience)は顧客体験を意味し、商品やサービスの機能・性能・価格といった「合理的な価値」だけでなく、購入するまでのプロセス・使用するまでのプロセス・購入後のフォローアップなどの「行動における様々な過程における経験」という「感情的な価値」の訴求を重視するものです。
UXは自社の商品やサービスを利用した結果として得られる体験を指しますが、CXは商品やサービスを利用する前後の体験を含む全ての接点における「体験」を意味し、カスタマーセンターの充実化や、適切なコンテンツの提供など、リアルとネットを跨いだ顧客体験を指します。
その体験は数値化できない「心の動き」を重視されるもので、人対人のコミュニケーションによって得られるものであるとされてきました。
質の高いホスピタリティやフォローアップ、サポートをWeb上でも行い、商品・サービスを利用した後の顧客成功まで導くことをWebサイトで行う手法に注目が集まりました。
特にチャットボットやポップアップをユーザー行動に合わせて最適なタイミングで提供するWeb接客はECサイトやコーポレートサイトでもリアル店舗やインフォメーションセンターと同じような接客を可能にするとして注目されています。
AI技術を活用したチャットボットの登場により、よりユーザーに最適化したタイミングで適切な接客を行うツールも登場し始め、デジタル技術の発展によりWeb接客自体も進化し始めています。
ユーザー行動を分析し、感情の動きを推測して接客するタイミングを設計する必要があるため効果を出すには高いシナリオ設計力が必要になるため、簡単そうに見えるツールだが、実は非常に高度なツールです。
CXの提供は一歩間違えればマイナスな印象を与えてしまう可能性もあります。
CXは顧客との接点が多様化し、昔のようにWebサイトに訪問するユーザーの心理的状況や商品・サービスへの期待値も図ることが難しくなってきました。
だからこそ接点単位で顧客との関係性をしっかりと管理し、顧客の心理状態や商品・サービスへの理解度や確度に合わせて適切な接客をすることで関係性が強固になり、顧客満足度の向上へと繋がるCXの考え方が重要になってきました。
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■次世代のWebマーケティング活動へ
デジタル領域は拡大し続け、データを扱う範囲はWebサイトだけでなくなりました。
行動データやパーソナルデータ、位置情報や購買情報、SNS等での投稿内容、コンテンツの閲覧内容から推測される興味関心、利用するデバイスや接続時の環境など様々な要素がデータ化し、マーケティング活動は1対1へと個人に向けた活動へとシフトしていきました。
また、デジタル領域の急速の発展により個人情報の取扱や不透明さのある広告配信、低品質でユーザーを惑わすコンテンツへの嫌悪感など、ユーザーのリテラシーも上がってきたことで、マーケティング活動におけるうデータの取り扱いも整理されるようになってきました。
デジタル技術の発展と、データの有効活用への動きは進んでおり、昨今ではITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」やオンラインとオフラインの枠組みを併合する「OMO(Online Merges with Offline)」、中間流通業者を通さずに消費者と直接取引を行う「D2C(Direct to Consumer)」など新しいマーケティング活動が生まれました。
SNSの発展によりユーザーとのWeb上の接点がWebサイトから拡大したことで、Webサイトの役割も変化をはじめ、シンプルで使いやすく、アクセシビリティに優れたどのような環境・条件の人でも活用できるWebサイトが好まれるようになりました。
モバイルデバイス優先のサイト設計はもちろんのこと、音声による読み上げ機能や、多言語にも対応したサイトであることも重要視されており、Webサイトの役割自体が多様化する傾向となりました。
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Web領域は今後も重要な要素
Webマーケティングは複雑になり、短期的に効果が出るような領域でもなくなりました。
中長期のスパンで効果を計測しながら、「集客」「接客」「再来訪」の施策を行っていくことが重要になります。これはデジタル技術が発展したデジタルマーケティングの時代においても変わりません。
SEOやWeb広告の重要性も依然として変わらず、マーケティング活動を行っていく中で必要な要素であることは今なお同じです。
ただ、「体験」が重要な指標となった今、従来と同じ方法で施策に取り組んでも効果が出にくくなってきているのも事実です。
Web領域は数値化できない「感情」の部分も視野に入れる必要があり、オフラインとの垣根も統括されるようになり、複数のチャネルが絡み合うようになったことで「Webサイト」もまた求められる構造へと変化していくことでしょう。
【パーソナルデータ】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント/ライター
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽Dig
特技:和太鼓
【連絡先】
メールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM