Web""マーケティング""を提案するということ
Webマーケターの使命
私はフリーランスのWebマーケターとして企業や組織におけるWebマーケティング活動のサポートすることを生業としております。
Webマーケティングとは「Web上で行われるマーケティング活動」のことで、マーケティングとは「モノが売れる・選ばれるための仕組みや流れを作ること」を指します。
”マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである”
アメリカ・マーケティング協会 2007年頃の定義
検索エンジンに「Webマーケティング」と検索すると『Webサイト制作』『SEO』『リスティング広告』『ディスプレイ広告』『アフィリエイト』『オウンドメディア』『メルマガ』『SNS活用』と様々な手法が出てきます。
これらの手法を用いてWeb上で顧客と接点を持ち、関係性を構築し、顧客の抱える課題の解決手段として自社が提供する商品を選んでもらい、その後のサポートも含めてWeb上で完結させます。
『企業や組織が提供するモノの価値を発信し、顧客の中に眠る潜在的ニーズを呼び起こし、注目を集め、選んでもらうまでのプロセスをWeb上でフォローを行い、購買行動を引き起こすこと。そして顧客が満足して商品を利用し続けることができるようにWeb上でサポートすること』がWebマーケターの仕事です。
そのためには「市場を解き明かし、顧客が自社商品を選択する理由」を作る必要があります。
つまり、Webマーケターの使命は『価値を想像すること』で、そのための手法としてSEOや広告があるというのがWebマーケティングの全体像です。
Webマーケターが提案するべきこと
Webマーケターとして活動をするのであれば『マーケティング』への理解と追究する姿勢が重要になります。
「どうすれば商品が選ばれるのか?」
その構造を解き明かすには『市場』『顧客』『サービス』『コンテキスト』を理解することが大切です。
Webマーケターが提案すべきことは「集客しましょう!」「コンテンツを作りましょう!」「広告を出稿しましょう!」「SNSで情報を発信しましょう」という枝葉の部分だけではありません。
市場と顧客に対してサービスの価値をどのような形で適切に届け、顧客が「知りたい」「行きたい」「解決したい」といったニーズを解決できる『幹』の部分も合わせて提案することが大切です。
■市場の定義
Webマーケティング活動をする中で、最も大切なのは「市場を定義」することです。これからマーケティングする商品の価値を提供する場所があるのかどうかが定かでないと多くのコストをかけて施策を実施しても、誰もいなかったら意味がありません。
特に新サービスで今までにない新しい価値を提供する商品の場合は『市場の定義』は最重要です。誰の課題を解決してくれるのか、日常の中で発生するどのような問題を防ぐのかを見定めることが重要です。
■顧客の理解
顧客を理解することはWebマーケティング活動において肝となる部分で、顧客が求めていることを競合よりも早く理解できれば一気にアドバンテージに立てます。
Web技術の発達で顧客の行動は全て数値化されるため、大量のデータを元に顧客の思考や自社に対して求めていることを解き明かすことができます。
また、データが存在しない状態でも他企業が提供している消費者行動や検索エンジンのサジェスト、トレンドの推移、SNSでのブームメント、アンケート結果などによって仮説ベースで顧客像を立てることも可能です。
Web上では成果に直結しないような記事ページでも『顧客の中に眠る隠されたニーズ』を解き明かすヒントになることも多々あるため、中長期的な視点で施策を進めることが重要です。
■サービスの価値
『価値』についてしっかりと定義し、理解することはWebマーケティングを進める上で重要な要素です。その『価値』は顧客や社会の抱える<何を>解決し、<誰>が幸せになるのか、そして<どのように>変化するのかが具体的に思い浮かぶようになることで『価値の発信』をするべきポイントが見えてきます。
また、自社にとって思いがけない部分で『価値』を感じて選んでくれるケースも珍しくはありません。Web上では利用した感想が口コミとして発信されることが多々あります。これらのデータを収集して分析をすることで今まで見えていなかった部分が浮かび上がります。
内容の良し悪しに対して、真摯に受け止め、品質改善やアフターフォロー、新サービスの開発に充てることで顧客満足度の向上に繋がります。
■コンテキストを汲み取る
Webの世界は「データ」によって判断されることが多く、データドリブンは意思決定の新しいトレンドとして注目されています。
データは確かに顧客の行動をしっかりと記録したものですが、あくまで行動記録であり心理的要素は含まれません。また、データで見ると忘れがちですがデバイスの向こう側には自分たちと同じ「人間」がいます。
Webマーケティングの世界には『コンテンツ・イズ・キング』という有名な言葉がありますが、これに対して『コンテキスト・イズ・クイーン』という隠れた格言があります。
コンテキストとは<文脈>という意味を持つ言葉で、マーケティングの世界では『そこに至るまでの経緯や背景、脈絡』を指す言葉です。
以下の2つの文章を読んでみてください。
明日は営業で日中外出の予定なので天気予報を確認すると最高気温が38度近くまで上がると言っていたので、熱中症対策として水筒を持っていこう。日中外回りの予定なので、念のため2つ持っていくことにした。予報では晴れマークなので日焼け止めを塗らないと顔が真っ赤になってしまいそうだ。紫外線防止のために日傘もカバンに入れておかないと。暑い日は営業資料に加えて熱中症や日焼け対策の荷物が増えてしまって大変だ。そういえば、夜にアポイントを取っている会社は電車で1時間以上かかるみたいだ。せっかくだからこの間買った小説も持っていこう。
明日は水筒を持っていこう
水筒は2つ必要だ。
日焼け対策はしないといけない。
日傘はカバンに入っている。
荷物が多くて大変だ。
小説も持っていこう。
上の文を読むと「明日は営業で外回りの予定」「天気予報の結果38度の猛暑日のため熱中症・日焼け対策をする」「最後のアポイントは遠出なのでこの間買った小説も持っていこう」という内容で、おかしな点はありません。
下の文章は断片的ではありますが読み解けば「熱中症対策」をしようとしていることは分かります。ただ最後の「小説も持っていこう」は文脈として違和感を感じるはずです。
コンテキストを汲み取らずにデータだけを追いかけていると「理解できない行動パターン」に悩まされることがあります。
コンテキストを想像するには直接的な顧客とのコミュニケーションが必要不可欠です。営業部やカスタマーセンターといった顧客と接点を持つ部署と情報を共有することでデータでは見えてこないニーズを掘り起こし、マーケティング活動へ反映させることができます。
Webマーケティングを提案するということ
Web上でモノが売れる・選ばれるための仕組みを作ることは難しい道のりです。特にこれから新商品として世に打ち出す場合、その価値を正しく認識してもらい、顧客の抱える課題に対して商品が解決策となるかどうかをしっかりと訴求しなければ選ばれることはないでしょう。
SEOや広告は手段でしかありません。ただ実施するだけではマーケティング活動とは言えません。
改題に対して点ではなく面で捉えなければWebマーケティングを促進する提案をすることはできないでしょう。
また、目先の数値に囚われすぎてしまうことで方向性が定まらずにツギハギだらけの状態になっていることも珍しくありません。
現状をしっかりと把握し、問題点を洗いざらい抽出し、顧客とサービスの価値を理解することで芯のある活動を行うことができます。
【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
Webライター、Webマーケスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い
【連絡先】
メールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM
Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツールのベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。
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