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ブロックチェーンによる革命について、マーケターが覚えておくべきこと|【4500文字】

ブロックチェーンと聞いてビットコインを即座に思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?

私もブロックチェーンの存在を知ったのはビットコインの存在を知ったのと同時期でした。

私も例に漏れず同じ時期で、当時はまだ1ビットコインが10万円近くの頃で、既にかなりの盛り上がりを見せていた頃でした。

今思えばかなり早い時期に知れていたのかもしれません。まさか、その後もっと爆発的にバズり、仮想通貨市場そのものが大きく動くことになるとは当時は思いもしませんでした。

仮想通貨の根源である技術であるブロックチェーンはその後もビジネス界に大きな衝撃を与え続け、2021年9月時点では、ブロックチェーンテクノロジーの1つ「NFT」によって生まれた新たな市場を大きく賑わせていますね。

本記事では「ブロックチェーン」に対してマーケター(特にデジタルマーケター)が覚えておくべき技術や市場について解説していきます。


ブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは『取引履歴を暗号技術によって鎖のように繋いで記録することで、正確な取引履歴を維持できる技術』のことです。

ブロックと呼ばれる取引履歴を改ざん・破壊するには、繋がれた全てのブロックに対して破壊行為をする必要があり、事実上「改ざん」も「削除」も「コピー」することも不可能な仕組みとなっています。

また、複数のコンピューターに共有されるため、システムダウンが起きることなく、一度動き始めると半永久的に動き続ける特徴があります。このブロックチェーン全ての参加者によって自律的に記録されるネットワークを『自律分散システム』と呼びます。

ブロックチェーンに使われている技術自体は新しいものではありません。

屋台骨となっている「P2Pネットワーク」と「分散ファイルシステム」の2つの技術は、2000年台に世を騒がせたファイル共有ソフト「Winny」も同様の技術を活用していました。

ブロックチェーンの凄いところは、「取引における透明性の確保」「強固で堅牢なシステム」「データにおける信頼性の確立」を可能にしたことです

デジタルには「編集可能」という一面があるため、資産にはならないという特性がありました。

また、契約書のように信頼度の高さが必要な書類では改ざんやコピーの恐れがあるため、アナログでの運用が一般的であることはビジネス現場では共通認識です。

しかし、ブロックチェーンは「改ざん不可能」なため、電子取引に『透明性』『信頼性』をもたらすパラダイムシフトを起こしました。

そして、ブロックチェーンの産声とともに生まれたのが、一世を風靡した仮想通貨『ビットコイン』です。


ブロックチェーンで実現できること

今も昔もビジネスを支えているのは『情報』です。

情報の精度は何よりも重要視され、特に取引情報を記録する『台帳』は商売において命の次に大切なものといって過言ではありません。

インターネットが世に登場したことで世界の常識は大きく変わり、ビジネスシーンもインターネット中心になっていく中で、「情報の取り扱い」の重要性はより一層と増していきます。

デジタルシフトへと向かう中、最大の壁と言えるのが『決済』『証明』『契約』のデジタル化です。

従来のビジネスシーンではデジタル化された情報は改ざんされてしまう恐れがあるため、取引をする時は『紙とペン』によるアナログな媒体を使って契約をし、編集が難しい『印鑑』によって取引成立の証明をしていました。

ブロックチェーンは記録が変更不可能なため、誰もその取引に対する改ざんを行うことができず、半永久的に記録は残り続けます。

『そんな契約をした覚えはない!!契約書にも記載してないじゃないか!!』というドラマでお馴染みのシーンはブロックチェーンの前では不可能ということになります。

顧客との関係性を構築し、透明性のある取引を実現することができれば、マーケティングにも大きな影響を与えることは間違いありません。

例えば、セールス担当者は営業活動を対面だけでなくオンラインオンリーでも信頼性の高い取引が可能になります。これによって移動費を削減しながらも世界規模で営業できるため、企業の発展に大きく貢献することでしょう。

ブロックチェーンによって取引の自動化が可能になるため、管理部門も作業効率が大幅に改善され、組織全体の活性化に繋がります。

また、デジタル資産の登場によって、企業は新たな価値を顧客に提供できる可能性をもたらしました。市場の拡大によって新たなビジネスチャンスが生まれ、自社独自の通貨の発行など、コミュニティービジネスに参入する企業も今後増えてくると予測されます。


スマートコントラクト

ブロックチェーンの技術を活用すれば「契約の自動化」も実現できます。

スマートコントラクトはブロックチェーン上におけるシステム上の概念のことで『確実に実行される取引』のことを指します。

ビジネスシーンでは『契約や取引において、特定の条件が満たされた時に、決められた処理が自動的に実行される』システムのことを指し、契約履行管理の自動化を実現することができます。

この技術は様々なシーンで応用が可能であり、例えばIoT技術と組み合わせてば、「ローンの返済が滞った時に、ロボットの機能をロックする』というやり取りを自動化可能です。

ビジネスシーンにとってスマートコントラクトは革命とも呼べる概念で、複雑な業務や取引先の信頼度に影響されることなく、確実で透明性の高い取引の遂行を自動で行うことが可能になりました。

スマートコントラストは様々な業種で活用されており、代表的な例として「イーサリアム」が上げられます。

イーサリアムは仮想通貨の一つとして高い知名度を持ちますが、ビットコインと異なりスマートコントラストの機能を持っています。

イーサリアムを活用して取引を行なった場合、契約行動は全て自動的に実行されるためシームレスに購買行動をすることができます。

例えば、不動産を購入する時、第三者によって様々な契約業務を行う必要があります。スマートコントラストでは『全ての取引は記録される(しかも改ざんは不可能)』なため、第三者の認証が必要ありません

これが普及すると『現在発生しているインターネット上の詐欺行為を起こせない』という状態になり、相手を信頼しなくとも確実な取引が成立するようになります。

※ただし、普及にはトランザクション(取引)の増加に耐えれるサーバーと、取引が増えることで発生する手数料の高額化という課題をクリアする必要があるため、まだまだ先になりそうではあります。


インターネット広告における影響

「インターネット広告は崩壊している」

そんな言葉を目にする機会が増えたマーケターは少なくないと思います。

特に現在広告業界が直面している課題として『アドフラウド(不正配信)』『ブランドセーフティ』『ビューアビリティ』『ユーザーエクスペリエンス』が上げられます。それぞれの課題の共通しているのが『透明性』です。

ブロックチェーンは広告の抱える課題を解決するのではないか?と注目されています。

透明性を高める点で『インターネット広告で発生する全コストの可視化』や『不正取引(配信)の発生確認』を行うツールが開発されていますが、根本的な解決には現在至ってません。

ただし、不正取引によって起こる『不適切な配信』を把握することができる点は広告の抱える問題を解決する糸口になる可能性は大いに考えられます。

広告枠売買の合理化が起これば広告主は有益な広告枠への配信が可能になり、限られた予算を最大限に活用できるようになるはずです。

ブロックチェーンによるアドテク業界の改革も時間の問題でしょう


地域通貨による地方創生

ブロックチェーンといえば「仮想通貨」が思い浮かぶ方も少なくないと思いますが、仮想通貨の技術を応用することで『価値のある地域通貨』を作ることができます。

地域通貨自体は仮想通貨登場以前から存在していましたが、その地域内だからこそ通ずる信頼性があったから活用できるのであり、不正取引される可能性は存在していました。地域を応援するための通貨が、地域にダメージを与えることなどあってはなりません。

ブロックチェーンの力を応用すれば、仮想通貨による経済圏を作ることが可能になります。

地域の価値を仮想通貨の取引から可視化することも可能になり、地域の持つ真のニーズを分析する手段としても活用できるため、地域創生に大きな影響を与えることは間違いありません。

購買行動の把握はマーケティングに活用されることで、新たな価値を生み出すことに繋がります。ブロックチェーンが地域の魅力を見つけ出し、コミュニティーの活性化を起こす日もそう遠くないことでしょう。


デジタル資産の登場

NFT:Nonfungible Tokens(非代替性トークン)はデジタル創作物に対して『唯一無二』という価値を付属する技術のことです。

今まで投資対象とならなかったデジタル世界の創作物に対して『投資対象となる価値』である『オリジナル』を与えることでデジタル資産として新たな市場が開けました。

記憶に新しいニュースと言えば、覆面アーティスト『バンクシー』の作品がNFT化された後に焼却されるというスキャンダルがあります。現存するオリジナルは『デジタル上にしか存在しない』というアートにおける新しい価値は、現代アートの歴史を大きく動かしたとニュースになりました。

また、Twitter社のCEO ジャック・ドーシーは自身のTwitterにおける一番最初のツイートをNFTとしてオークションに出した件も大きく話題になりました。

デジタル世界における希少価値は『体験』として消費されることが宿命であり、オリジナルを保管し所有することは不可能であることが常識だったため、NFTが世界に与えた衝撃は計り知れません。

NFTの技術はゲーム業界で活用されていますが、今後は生活に密接する中でも頭角を表してくることは間違いありません。

少なくともクリエイターはNFTという新しい市場の動向は常にチェックしてくべきでしょう。

そしてマーケターもNFTによって生まれた価値が消費者行動に大きな影響を与える可能性を予測しておく必要があります。


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【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
   Webライター、Webマーケティングスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
   ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い

【連絡先】
メール:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM
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Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツール
のベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。

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S.Uto
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