サウナーを2軸思考で4種類に分類してみた【サウナ運営したい方必見】
「サウナの楽しみ方を勝手にまとめてジャンル分けしてみた!」という記事を過去に番外編含む4章に分けて紹介したことがあるのですが、もっとシンプルに分類できないかと思い2軸思考を使用して大まかに4パターンにサウナーを勝手に分類してみました。
この軸の中に様々なタイプのサウナーが当てはめるとスッキリするので、サウナ施設を運営したい方(及びしている方)がどの層をターゲットに運営したいのかを考える時の参考になれば幸いです。
2軸思考で使用する指標を定める
2軸思考とは、縦軸と横軸2つの軸に判断基準となる指標を定め、情報を整理・把握する思考法です。
今回は「4象限型」という手法を利用してサウナーを分類したいと思います。
例えば、縦軸を「価格」横軸を「系統」とした場合、ファッションブランドでは以下のグラフのように分類されます。
この図の場合、高価格でモード系のブランドはどこが当てはまるのか?というポジショニングの把握や整理のために活用されることでしょう。
このように2軸を元に考えることで状況の把握やポジションの整理、ターゲットの属性確認など様々な用途で活用できる優れものの思考法です。
※ポジショニングマッピングとして実践でも利用されています。
ここで重要になってくるのは「2軸に当てはめる指標」です。
サウナーを分類する場合、大きく分けるとサウナーは「プロサウナー」と「サウナ愛好家」に分かれます。
サウナー分類の定義
プロサウナー:サウナの普及活動を行うサウナー
※サウナでお金を稼ぐ=プロサウナーではない
サウナ愛好家:サウナの普及活動は行わないがサウナを愛好している
ここでポイントになるのは「普及活動」となるため縦軸を「普及活動」とし「プロサウナー 」と「サウナ愛好家」で分類したいと思います。
続いて重要となるのは横軸に置く指標でとなりますが、サウナを利用する際に「ととのう」というキーワードを軸に特別な「サウナ体験」を重視するサウナーと、施設に存在する特別な体験は副次的なもので「サウナを利用すること」に重きを置くサウナーに分類されるため「体験」を横軸に置きたいと思います。
捕捉「4象限型における2軸の指標の選び方」
①軸の両端は対義となる意味の指標を置くと分類しやすい
例)安価⇄高価
※サウナに当てはめる場合「北欧式⇄日本式」など
★本記事では「体験⇄利用」「普及⇄趣味」としている
②縦軸、横軸のどちらかの軸は「意思決定要因」をもう片方の軸は「状態」とすると掛け合わせがしやすい
例)縦軸「デザイン性」 横軸「機能性」
※サウナに当てはめる場合「縦軸:温度」「横軸:湿度」
★本記事では意思決定要因を「体験」状態を「普及活動の有無」としている
2軸を元にサウナーのタイプを分類する
「普及活動」と「体験」を軸に4象限型のグラフに当てはめると以下の4つの掛け合わせが生まれます。
①「普及活動×体験重視」
②「普及活動×利用重視」
③「趣味活動×体験重視」
④「趣味活動×利用重視」
この中で例えば「体験よりで趣味活動だがレビューは書いているサウナー」や「普及活動を行うブログを運用している体験型重視のサウナー」のように分類され、その中でも力の入れ具合などで様々な特徴のサウナーを振り分けるようにできるようになります。
そのため「普及活動×体験重視」に当てはまるサウナーでも普及活動度合いやサウナ体験の質などによって全く異なるタイプのサウナーになる可能性もあります。
さて、この4つの分類に対して特徴を抽象化して総称を当てはめたいと思います。
■「普及活動×体験重視」
普及活動とはコアな愛好家が自発的に「その物」の良さを周りに熱く語ることで興味関心を生み出し、文化そのものの発展に貢献する活動のことで、同義語は「布教活動」です。
この普及活動で重要なことは「ただサウナに関する事柄を発信する」だけでは普及活動にはなりません。「サウナの魅力」をサウナ未体験者に伝わるように言葉を選び、サウナーにしか分からない楽しみ方を分かりやすく通訳する能力が求められます。
また、サウナ未体験の方に対して「サウナに入ってみたい」と価値観を変化させるような発信を提供することを「普及活動」と定義します。
この普及活動を行っているのが「プロサウナー」と称される方々ですが、その中で「サウナ体験」を重視する方々が「普及活動×体験重視」に当てはまります。
「サウナ体験」とはサウナ浴(サウナ室に入る⇨水風呂に浸かる⇨外気浴で休憩する)の一連の流れの中で、特別な体験(例:氷を使ったロウリュ、特別な演出のアウフグース、シングル温度の水深深めの水風呂、滝を眺めながら外気浴…など)を重視し、非日常的な特殊環境を指します。
また、日本式サウナ以外の国の熱気浴や、入浴方法、海外でのサウナ体験など様々なシチュエーションで味わうサウナ体験や、ハードコアな過激な設定のサウナ室や変わった場所にあるサウナ施設など「体験」の範囲は幅広く、「サウナ」に付属する様々な特殊要素から成り立つ「エンターティメント」な要素を「サウナ体験」とします。
普及活動を行うプロサウナー でサウナ体験を重視する方は「自身で新しいサウナ体験の価値を創造する」ことができるクリエイタータイプです。
ここでいう「創造」は価値観を生み出せることを指し、自身でサウナ施設を運営し、特別なサウナ体験を提供する…と言った活動だけを指すのではなく、例えば自身が独自に見出した「新たなサウナ体験」を言語化しメディアに載せて発信することも「創造」に含まれます。
また、イベントを開催したり、新たな楽しみ方を提案したり、サウナ体験が豊かになる方法を生み出す方が「クリエイター」に当てはまります。
「普及活動×体験重視」に当てはまるサウナーは「新たなサウナ体験を創り出す クリエイター系プロサウナー 」にとなります。
■「普及活動×利用重視」
「利用重視」とはサウナ体験は副次的なものとして捉えており、目的は「サウナに入ること」である方が当てはまります。
例えば、サウナに入ることでストレス軽減や健康、美容というのはサウナに入ることで得られる様々な効果ですが、そう言った効果を得ることに「サウナ体験」は大きな要素ではありません。
ロウリュやアウフグースがあれば確かに得られる気持ち良さに変化はあるかもしれませんが、求めているのは「体験」ではなく「サウナに入ることで得られる結果」で利用することを重視しているサウナーが当てはまります。
サウナ体験とサウナ利用は境界線が曖昧なため、多くのサウナーは境目に集約することが多いと想定されるが、「サウナに入ることが好き」な人や、「サウナ浴」を基盤にサウナ飯やサウナ旅を楽しむ人は「体験」ではなく「利用」を重視していると本記事では定義します。
また、ホームサウナを支える運動や、サウナに入ることが習慣化しており、様々な施設を開拓してサウナを利用することを重視している方は「体験重視」にも近いが「利用」を目的としているとします。
「利用」を重視している普及活動を行うサウナーは「サウナ施設」や利用することで得られる「サウナ効果」を拡散するインフルエンサータイプのプロサウナー です。
「サウナ体験」ではなく「サウナ浴」そのものを普及することを重視しているため、普及活動も「体験重視」とは視点が異なり、特別なギミックや特殊な環境は副次的なものとして扱います。
サウナ開拓や探究を独自の視点で発信(サウナブログやSNSなど)することでサウナ未経験者に関してサウナに入ってみようかなと動機を与え、サウナ好きを増やす啓蒙活動を行う特徴もあります。
「普及活動×利用重視」に当てはまるサウナーは「サウナの認知を広げる活動を行う インフルエンサー系プロサウナー 」となります。
■「趣味活動×体験重視」
「普及」の対義語として「趣味」と定義し、普及活動は行わないがサウナ浴を趣味とするサウナーを指します。
サウナレビューやサウナブログを書いているサウナーも「普及活動」に届かない場合は趣味活動の領域に留まります。
また、普及活動を行っていないだけでサウナ浴の頻度や知識量などはプロサウナーを上回ることも珍しくなく、層が非常に深いことも特徴です。
趣味としてサウナを愛好しており、かつサウナ体験を重視しているタイプは「通常のサウナ」では味わえないような体験や経験に魅力を感じており、非日常的なサウナ体験を行うことで得られる高揚感を含めて「ととのう」ことに魅了されているのが「趣味活動×体験重視」に当てはまるサウナーです。
前衛的な思考を持っており、いわゆる伝統的なサウナとは異なり、新しい取り組みや革新的な体験や発明を積極的に体験することに魅力を感じています。
彼らを一言で表す言葉は難しく、過酷な環境や極端なセッティングを好む「ハードコア」や時代に先駆けている前例のない奇抜さを好む「アヴァンギャルド」など革新的な取り組みや体験を重視する彼らには「プログレッシブ」という言葉を本記事では当てはめたいと思います。
常に前進し続けるサウナカルチャーの最先端で活動する「趣味活動×体験重視」に当てはまるサウナーは「通常のサウナでは味わえない環境に魅力を感じる プログレッシブサウナー 」となります。
■趣味活動×利用重視
趣味としてサウナを楽しむサウナ愛好家で、体験ではなくサウナ利用を重視するスタイルのサウナーはサウナ利用者の中でも半数を占めるのではないかと私は想定しています。
近場のサウナに通い続けサウナが習慣化しているサウナーや、サウナが趣味でサウナ利用のため様々な施設に足を運ぶサウナー、体のメンテナンスのためにサウナを利用するサウナー、サウナを正しく利用するためにサウナについて調べるタイプのサウナーなど多種多様なタイプのサウナーが当てはまります。
そのため人まとまりに括ることは非常に難しいのですが、共通して「利用」という共通項があります。
また、彼らは開拓者であり探究者でもあります。サウナへの理解を独自に深め、サウナを楽しむ彼らには特別な体験はそれほど重要ではありません。
「趣味活動×体験重視」に当てはまるサウナーは「特別な体験よりもサウナを利用することが重要な 開拓・探究系サウナー 」となります。
※もっとピッタリな総称があればコメントくださると嬉しいです。
2軸思考を使用してサウナータイプを4つに分類してみた結果
「普及活動」と「体験」の2軸をベースにサウナータイプを4つの掛け合わせで分類した結果、以下のような分布図になりました。
大きく「プロサウナー」と「サウナ愛好家」にサウナーを分類し、そこに「体験重視」か「利用重視」で目的を分けることでサウナーの属性を把握することができます。
また、このような形でカテゴリーを分けることで、サウナ経営をしたい方やサウナイベントを開催したい方が「誰に対して訴求するのか」が明確になり、適切なプロモーション活動が可能になります。
今回は「サウナータイプ」を抽出するために「普及活動」を縦軸としましたが、例えば「サウナ体験」を縦軸に「サウナ体験を重視するユーザー」を分析する場合は横軸を「体験の種類」からコアとなる事柄を指標とすると良いかもしれません。
2軸思考は他にも「マトリックス型」や「グラフ型」など様々な分析方法があるため、気になる方は木部 智之氏の著書「複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考」を読んでみるのをオススメします。
シンプルですが奥の深いフレームワークなので実践で私は頭の整理や人と話す時に分かりやすく伝える際に利用していますが、本記事のような目的にも使用できます。
【サウナータイプまとめ】
「普及活動×体験重視」
「新たなサウナ体験を創り出す クリエイター系プロサウナー 」
・新たなサウナ体験の創造する(企画、運営、主宰)
・独自のサウナ体験を普及(新たな価値の創造)
・まだ見ぬサウナ体験の提案(研究・アイデア)
「普及活動×利用重視」
「サウナの認知を広げる活動を行う インフルエンサー系プロサウナー 」
・サウナの啓蒙活動を自身の持つメディアで行う
・サウナ施設の紹介を独自の視点で評価し行う
・サウナ効果を独自に研究し発信する
「趣味活動×体験重視」
「通常のサウナでは味わえない環境に魅力を感じる プログレッシブサウナー 」
・新たなサウナ体験を求めて活動
・最新のサウナ情報を常にチェック
・珍しい組み合わせや変わった環境を好む
・ラグジュアリーなサウナ施設を好む
「趣味活動×体験重視」
「特別な体験よりもサウナを利用することが重要な 開拓・探究系サウナー 」
・サウナに入ることが習慣化している
・サウナ利用のために施設の開拓を行う
・正しく利用するためにサウナ効果を調べる
・サウナ利用を楽しむためにサウナについて探究する
サウナの楽しみ方は無限大
サウナータイプを4種類に勝手に分類しましたが、このようにカテゴライズをしてみると新しいアイデアやサウナ業界の全体像、さらには今後文化を発展させていくための仮説などが考えやすくなります。
例えば「サウナー向けの施設紹介」を行う時もこのカテゴリーの中のどの層に刺さるように書こうかな…とか記事テーマや内容を考える際にも使用できるじゃん!と思ったりしました。
また、サウナの楽しみ方は星の数ほどありますし、サウナはサウナ室に入ること意外にも様々な要素が絡み合っていて奥深いカルチャーです。
「サウナの楽しみ方」も全4章に渡って勝手にカテゴリー分けしてみたので、こちらも良かったら読んでみてください。
2軸思考で考えるの楽しかったので他にも分析できそうな題材があれば試してみようと思います。
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