見出し画像

Google検索が新しいAI技術「MUM」導入へ|進化する検索体験

まるで専門家が回答してくれるような検索体験

Googleが「検索エンジンに新たに導入するAI」としてMUM(Multitask Unified Model)の開発、及び導入について発表をしました。

現在Google検索を活用して自身が抱えている課題・疑問に対する答えとして『必要な回答』を得るためには1回の検索では全てを得ることはできず「複数の検索行動」が必要となるケースが多い状態にあります。

例えば公式ブログにも掲載されている「アダムス山に登山したことがある人」が「秋に富士山に挑戦すると決めた時」に「次に何を準備する必要があるのか」という検索をした場合以下の情報をGoogleは提供することができます。

・山の標高
・秋の平均気温
・登山コースの難易度
・登山に適切な装備

しかし、これらの情報は「1回の検索」では取得することが難しく、何度も検索を繰り返し、情報の取得を行う必要があります。

これを登山の専門家に質問をすれば1回で「全ての情報」が手に入りますが、Googleの検索エンジンはまだその領域まで達していないことが課題となっていました。

※SEO(検索エンジン最適化)を行う際も1つのクエリで全てを解決するのではなく、クエリごとにニーズのある情報を提供するコンテンツ制作が主流の考えとなっています。


Googleは複雑な検索行動が行われるとき平均して8個のクエリが登場すると報告しており、新技術であるMUM(マルチタスク統合モデル)では複雑なニーズに対しての対応を行うことができます。


例えば次のように検索窓に打ち込んだとします。

I’ve hiked Mt. Admas and I now want to hike Mt. Fuji next fall, what should I do differently to prepare?

アダムズ山に登山したことがあって、次の秋に富士山に登山したい。前とは違って何を準備すべきか?

原文:MUM: A new AI milestone for understanding informationより引用
日本語訳:海外SEO情報ブログ「言語を理解し作り出す、新技術 MUM がGoogle検索に導入される」より引用

MUMは「検索者がアダムズ山の登山経験があり、次の秋に富士山へ登山しようとしている」という検索意図を自然言語によって構成されたクエリから把握します。

そして、「アダムズ山と富士山とは何を指しているのか」、「登山とはどういったものなのか」、「秋に富士山を登山する場合にどのような装備が適しているのか」といった複数の要素を同時に処理し、理解をすることが可能となります。

その結果一度の検索で「ユーザーが知りたい専門的な情報を全て」提供することができるようになります。

スクリーンショット 2021-05-21 12.11.40

スクリーンショット 2021-05-21 12.12.38

スクリーンショット 2021-05-21 12.12.58

MUM: A new AI milestone for understanding informationより引用


MUMが導入されることで「キーワード単位」のクエリが「自然言語」へと移行が発生し、従来の検索よりも優れた検索体験が起こると予測されます。

MUMはすでに導入されている自然言語処理を目的としたアルゴリズム「BERT」の1,000倍近く高いスペックを持ち、さらに言語の壁も対応済みとのことで日本語での導入も確実と言えるでしょう。

スクリーンショット 2021-05-21 12.53.32


また、MUMはテキストだけでなく画像も理解することが可能で、例えば先程の登山を例にすると「(写真を撮って)この靴で登山をしても大丈夫ですか?」と尋ねれば適切な回答を返信してくれるようになります。

おそらく将来的には「音声」や「動画」からも検索を行うことが可能になる可能性もあり、更なる進化が現時点で予測されています。

正式な導入時期は不明ですが、早ければ今年中には実験的に導入が開始されると思われます。


SEOはどのように変化するのか

SEO(検索エンジン最適化)で行うべきことはMUMが導入されても変わりません。

「質の高いコンテンツを提供する」し、快適な検索体験を実現することがSEO担当者が目指すべき姿勢です。

そして本質的なSEO対策をしているのであればMUMの導入はチャンスとも言えます。

「対策キーワード」に囚われずに、真にユーザーの役に立つコンテンツを提供し続けていればMUMによって検索上位へと掲載される可能性は非常に高いでしょう。

また、見た目を綺麗に装いつつも内容はコピペに近い低品質なコンテンツは淘汰される可能性があります。

検索結果はよりパーソナライズ化されていくため、検索に対する対策のあり方や考え方も大きく変化していくことでしょう。

しかし、根本にある本質は何一つとして変わりません。


Googleのテクノロジーは進化し続けている

Google I/Oで発表された革新的な技術はMUMだけでなく、他にも多くの新技術、新サービスが発表されました。

自然言語AIアシスタント「LaMDA(ラムダ)」
ARによるナビゲーション「AR Live View」
画像認識AIの進化「皮膚診断アシストツール」
3Dカンファレンス技術 「Project Starline」

これらはデジタルマーケティングの世界でも確実に重要な要素として頭角を表し、マーケティング活動に利用されるようになると思われます。

また検索行動も合わせて変化が起こり、ユーザー行動はより複雑になっていくことでしょう。

自然言語AIによる検索、Googleマップから取得する情報量の増加、画像認識による検索行動、デジタルとリアルの境目の融解は「検索」のコンテキストに大きな影響を及ぼし、ユーザーが求めるコンテンツも変わっていくと予想されます。

常に新技術の動向に注目しつつ、自身のアイデアの引き出しを増やしていき、実験と検証を繰り返してマーケティング活動を促進していきましょう。

【パーソナルデータ】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント/ライター
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽Dig
特技:和太鼓

【連絡先】
メールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM


いいなと思ったら応援しよう!

S.Uto
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! もしよろしければスキやシェアをしてくださると嬉しいです! また、サポートしていただけましたら、より良い記事を書くために活用させていただきます。