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好きな音楽と同じノリで好きなアートについて語りたい時がある|軽いノリで観るアートの見方

何も表現できないNOTクリエイターの私ですが、大学生の時に観たフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を観て衝撃を受けてからアート大好きになりました。

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アートは大好きだけど特別勉強したり、絵を描いてみたり、何か作品を作ってみたりはしたことはなく、音楽を聴くように絵画を観るような軽いノリで美術館に行ったり、ギャラリーに入ってみたりしています。

今では基礎力が付いてきて芸術作品を見た時に「どこの時代の作品か」とか「何をモチーフにしているのか」とか「コンセプトは何か」とか考えられるようになりましたが、それでも専門的に学んだ方々や作品を制作するクリエイターに比べたら眉唾物で、無いようなものです。

それでも私はアートが好きですし、音楽を聴くことや映画を観ること、漫画を読むことと同じテンションで絵画を観にいきます。

なので、時々「あの絵画観た?」みたいなノリで絵画について話したり、絵画の名前は分からないけど、「あのアーティストめっちゃよくね?」みたいな会話をしたくなることがあります。

でも、私の周りではライトなノリでアートについて話せる人はいませんし、アートについて話すと「クリエイターでも無いし」とか「技法とか歴史的背景とか分からないし」とか何かと「小難しそう」みたいな理由で敬遠されてしまいます。

なので、私は「もっと気軽にライトなノリで適当にアートを楽しむ」というコンセプトで絵画を楽しむ私流の見方をお伝えしたいと思います。

ぜひ軽い気持ちでアート鑑賞を初めてみてください!

① 観た瞬間の感想を大切にする!

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アートに触れた時に最初に何を思ったのかを言語化してみると意外と難しかったりします。

何かビビッときたとしても「なんでビビッときたのか」を言語化するのは意外と難しいですし、逆に興味を持てなかった作品に対して「何が自分を震わせない要因だったのか?」と考えると結構言語化ができません。

そして、この感覚ってなんとなく人に話すのは恥ずかしい気がしてしまうもので、「的外れだったらどうしよう」と尻込みしてしまい己の内側に隠してしまいます。

私はこの「観た瞬間にビビッと感じる何か」こそが大切だと思っています。

音楽を聴いた時に「なんか好きだな」って感覚と一緒で、その「理由はうまく説明できないけど好きって感じた」ことこそがアートを好きになるきっかけなのです。そう私は思っています。

そしてその感覚を言語化することで自分が好きなアートがなんとなく分かってきます。

ちなみに私は「青」「極彩色」「ポップでグラフィック性のある物」「インダストリアルな感じ」「余白」「光の移ろい」「異国風情」「写実的なのに荒い筆遣い」「サイケデリックな歪んだ光のような世界観」「抽象的な雰囲気だが描いているモチーフが浮かび上がるような構図」「画面いっぱいに使った抽象表現」「風刺画」が特に好きってなることが多いです。

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② 1枚の絵を1分は最低でも眺めてみる!

私は美術館やギャラリーに行く時「必ず1分以上は作品を観る」というルールがあります。

なぜなら、絵画の前で立ち止まり考え込む姿は…カッコいいから!

という理由もあるのですが、一番の理由は隅々まで観たら1分はかかるよってことが大きいです。

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正確に時間を測ったことは無いのですが、私は観てすぐに離脱ではなく「全体像を観る→隅から隅まで観る→全体を再度観る→角度を変えて観る→説明を読む(ある場合のみ)→もう一回全体と細部を観る→2周目して再度観る」ぐらい観ています。多分高速で視線を動かしても1分は観ていると思います。

アートに興味を持ち始めた当初でも「全体→細部→全体」の3手順で観ていました。私は事前にアートの勉強をほとんどしないので、絵を見た時に「絵画のすごい場所」「作者のこだわり」「時代背景」とか特に意識したことはなく、ほとんどその時の直感だけで観ます。

なので、専門的な目線で観ていないライトな鑑賞スタイルになりますが、十分に楽しめます。

図録を集めることも趣味なので結果的に美術に対する知識は付いてきているのでハマり始めた頃よりかは専門的な見方ができているのかもしれませんが、それでも私はかなりライトな鑑賞スタイルだと思います。

まずは「作品を観る」「好きな部分を見つける」というのを意識してみると良いと思います。

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③ 隅から隅まで観察して何があるのか発見する!

作品を観る時にパッと観てすぐに移動では細かい部分に気づくことなく離脱することになってしまいます。

隅から隅というのは絵画であれば額縁の端から額縁の端まで観てみることを意識してみると「観ている感」を味わえます。

まずはこの「ちゃんと観ている感」を味わうことが大切かと思います。

そして、隅から隅まで観ていると時々「ん?何これ?」というものが描かれていたりします。

それを見つけた時に「この作者のこだわり」に触れれたような感覚が味わえます。また、細かく観ていると特に書き込まれている箇所や光が当たっている箇所など見えてくるので「あーここ拘ってたのかも」という見方ができて面白いのでオススメです。

また、自分で見つけた細かな部分は誰かに話したくなるので会話も弾むこと待った無し。

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④ 作品から離れて観てみる!

絵画を観る時に私が絶対にやっている見方として「距離を置いて離れた場所から作品を観る」ということを行います。

近くで観るのと離れて観るのでは作品の印象は180度変わります。

別の作品を観ているような感覚になり、とてつもないものを観てしまった…という感動に襲われることでしょう。

私も初めて印象派の作品を観た時「マジで訳わからん絵だな…」と思っていました。近くで見ると乱雑に絵具がいてあるだけで、結局何を描いているのか一切わからないからです。

最初は偶然でしたが少し離れた場所から再度同じ印象派の絵画を観た時にとてつもない衝撃を受けたのを今でも覚えています。そこには写実的で幻想的な美しい風景画が描かれていたのです。

見損ねた作品かと思うぐらい別の絵に見えた時、私は雷に打たれたような衝撃とともに絵画の新しい素顔を垣間見たような発見がありました。

それ以来私は作品を見るときは距離を意識して観るようにしています。

離れて観たことがない方は試しにやって観てください。物凄い衝撃があなたを待っています。

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⑤ 作品を下から覗き込むように観てみる!

ゴッホの絵画を初めて生で観たとき「絵画のパワーは実物でないと伝わらない」と心の底から思ったのを覚えています。

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絵具は盛り上がり、平面では無く三次元の凹凸があり、光の反射で作品は光り輝きます。また色も図録と本物は別物で、美しさが桁違いです。

それだけでも本物の絵画を見ることは衝撃的なのですが、それよりも面白いと感じるのは「観る角度によって見え方が違う」という斜めの見方です。

私は絵画を見る時に「正面」「右」「左」と3つの角度から作品を観るようにしますが、余裕がある場合は下から覗き込むように絵画を観ます。

下から観る絵画は別の作品に見えるほど違う一面を持っていて、特に近代絵画では絵具の使い方が荒く、平面の世界に三次元の凹凸があります。光に当たることで絵画自体が輝きを持ち始め、下から眺めると不思議と違う色や構図、描かれている物まで別のものに見えてくることがあります。

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生で観るからこそ一点のみでは無く、様々な角度から作品を覗き込んでほしいと思っています。


⑥ スマホやPCのホーム画面にしたいかどうかを考えてみる!

作品を観る時の見方の一つに「この作品を壁紙にして待ち受け画面にしたいかどうか?」という視点で作品を観ることがあります。

自分が毎日見るホーム画面の待ち受け画像にする作品なので妥協はしません。また、ホーム画面にできる理由も自分の中で答えがあるはずです。

お洒落」とか「綺麗」とか「可愛い」とか…自分なりに好きな理由を探すことができるので、私はよく待ち受けにできるか否かで自分の中の「好き嫌い」を判断することで「自分の好み」を分析しています。

もちろん、好きだけど待ち受けにはできない作品もあるので、その場合は「なぜなのか?」を合わせて考えことで私が作品に対してどういう目線で観ているのかを客観的に見つめることができるのでオススメです。

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⑦ その作品が当時、何が凄かったのかを考えてみる

少しアートを見ることに慣れてきたら「この作品は当時何が凄かったんだろう」と歴史的背景を考えて観るのをオススメします。

私は美術史を勉強しませんでしたが、絵画を観てきたので年代ごとの絵の特徴はなんとなく把握していました。

そこで、私の記憶の中にある作品と目の前にある作品の時代を結び助けて「何が革新的だったのか」を考えてみると意外と点と点が結びついて自分なりの答えがでたりします。

その時の感覚は当時の人が初めて作品を見た時のスキャンダラス性を追体験しているのと近い感覚だと私は思っており、絵画を通じて時代を超えた会話をしている気持ちになれます。

また、私は図録を収集する趣味があるので、その時の答え合わせとしても面白いです。

美術史も少し前から本を読んだりし始めましたが、本物から入ったおかげで直ぐに理解できますし、今まで不明だった部分が解明されていく感じがとても面白いです。

私は先に勉強して絵画を観るよりも、こうやって自分で考えてから観る方がスーッと自分の中に入ってくるので楽しいと感じています。

ぜひ試しにやってみてください。

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⑧ 美術館を2周してみる!

私は美術館は最低でも2周します。

1周目はガッツリ観て、2周目は軽く観る(気になったのだけもう一度ガッツリ観る)という流れで美術館を周ります。

1周目は最初に見る衝撃を大切にしたいのでじっくり観るのですが、最後まで終わる頃には頭の方の作品のことを忘れてしまうことが多いです。

なので再度思い出すという意味も込めてもう一回周ります。

また、2周目は1周目よりも細部に目がきやすい感覚があるため、新たな気づきを得ることが多いです。

そして2周目でも目に付く作品は「自分が好きな作品」であることが多いため再発見をすることもあります。

美術館は何回もループしても大丈夫なところが殆どなので、時間が許す限り作品に触れることで気がつけばアート大好きになっていることでしょう。

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⑨ 必ずしも有名な画家だからって絶賛しなくても良い!

美術の歴史は長く、考古学的な視点から遡れば数万年前という果てしない年月となり、美術史的な視点でみても1万年に近い歴史を持ちます。

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また、近代美術以降は様々な思想や技術の発達、他の学問との融合、多様性の広がり、グローバル化など多くの要因からアートは細分化を繰り返し、様々な潮流が起きてきました。

そのため歴史的に偉業を成し遂げた画家でも好みでない画家は山ほどいるし、好きじゃないアートも存在するはずです。

そのため、自身にとって苦手だと感じたアートを無理に好きになる必要はありません。

もちろん、だからと言って好きじゃないアートを貶したり破壊しようと攻撃したりするのは許されませんが、無理して「好き」と言わなくても「絶賛」する必要もありません

私は古代文明の美術価値のある史料から現代アートまで幅広くみてきましたが、理解できないものや好きでないもの、苦手なものは沢山ありました。

例えば、私の場合は王族関係の肖像画、17世期以降の彫刻が当てはまります。

肖像画も歴史的背景わかる人物なら「おぉ…」となりますが特別好きというわけではありません。彫刻に関してはルネサンス期の作品は歴史的背景を知っているのでロマンを感じて好きですが、それ以降の世代ではあまり違いが分からず、好んで観に行くほど理解が深いわけでもありません。

それでも私はアート全体が好きと声を大にしていいますし、理解はできないけど好きな部分もあるというスタンスで観ていたりします。

「特別に嫌い!」というのは殆どありませんが、全てのアーティストを絶賛しているわけではありません。

無理して理解する必要も絶賛する必要もないので気軽に構えて良いと私は思っています。


⑩ 「あーこれ〇〇っぽい!」と日常の中でアートを探す!

アートを好きになって一番楽しいのがこの「あ!これ〇〇っぽい!」とアートと現実世界に自分なりに接点を見つけることです。

「この光の感じ印象派っぽいなぁ…」とか

「この構図〇〇の作品っぽいなぁ」とか

「この色味はあのアーティストっぽいぞ」とか見つけ出すと毎日が楽しくなります。

「このデザインはあの作品ぽいかも」と自分の中で結びつくと愛着も湧いたりしますし、好きなものがどんどんできます。

私は趣味でカメラを持ち歩いて写真を撮ったりするのですが、時々自分で撮った写真を観て「あ!めっちゃモネ!」とか「おお!この抽象的な感じ70年代の前衛美術っぽいな」とか勝手に結び付けて興奮したりしています。

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私の撮ったなんちゃって印象派風の写真

毎日が楽しくなるので結構オススメです。

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まとめ:アートって楽しい!

アートって本当にライトに軽いノリで観ても全然問題ないし、音楽を聴くようにアートを観ても良いはずなんですよね。

敷居が高くなっていたり、ビジネスマンの教養的なポジションになっていたり、美意識を鍛えるトレーニングになっていたりと意識が高い雰囲気が漂ってますが、私は「お洒落」とか「なんかいいわぁ…」みたいなノリでアートを観てますし、特に何か鍛えられていたり、日常会話の厚みが出たりはしていません。

でも、日々の暮らしの中にアートを見つけたり、自分の中で「これはアートだな」と趣味として楽しめるようになりました。最近は「アイドル文化も歴史的背景や美術様式、芸術的要素を言語化して美術史と文脈を結びつければアートになるなぁ…」とか「ライブ映像とかバラエティ番組とかの技術や美術も立派なアートとして成り立つのでは?」とか「アニメの作画はアートとして確立されないのだろうか?」とか「和太鼓は歴史的価値や文脈をちゃんと紐どけばアートとして昇華するのではないか?」のように自分の好きなものもアートとして評価されるようになるのではないだろうか?と考えることができて楽しい日々を過ごせるようになりました。

サウナもアートになり得ると私は思いますし、世の中全てアートだなと達観した考えを持つこともあります。

アートは自分の考える幅や物事の楽しみ方を増やしてくれる力があるので、確かにビジネス面でも役立つでしょうし、人としても厚みも出ると思います。

でも、それだけでなくアートは世界に膨大な数存在する巨大コンテンツでもあるので趣味として非常に奥深い探究の道でもあります。

私はライトで軽いノリのアート道をこれからも突き進んでいく所存で今日もアートを求めて旅をします。


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S.Uto
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