Vol.435 7月18日 X-H2S

X-H2S + XF16-55mmF2.8R LM WR

X-H2Sの速報レビューみたいなのを下記でやってます。

そこで触れてないことについて。

色の表現が個人的にどストライクになりました。
以前よりフジフイルムのカメラの表現力を気に入っていて、ニコンから鞍替えする程度には本気で付き合っています。

フジの再現性の良いところで、なんとしても紹介しておきたいのがモノクロの表現力。

フジ以外のメーカーのモノクロ(ライカのMモノクロームは別ね)ってスタンダード系のフォトスタイルなりピクチャースタイルなりピクチャーコントロールなり、そういう標準のヤツの彩度を抜いただけ。実際にスタンダード系で撮ったものを彩度抜くとそのままモノクロ設定になるからね。

こういうモノクロの絵作りの良いところは、カラーからモノクロになった時のイメージを想像しやすいこと。慣れればすぐモノクロ化が頭の中で出来そうだね。

悪いところは、フィルムでモノクロやってた人にとってはまるで再現性が違うこと。私はココで躓きました。
ってのが、カラーをモノクロにする時に重要なのが色の明度でグレーを作るのか、モノクロフィルムの様に色の感度でグレーを作るかっていう問題があります。
例えば、空のトーンを濃く落とす為に露出をどうするか?とかフィルターワーク
そのノウハウがある人だと昨今のデジタルでモノクロ表現するのが難しいです。ってのが、欲しい濃度やグレートーンを作るのに、コレまでのノウハウを活かしにくいから。


フジが狂ってるのはフイルムシミュレーション:ACROSでフィルムの色に対する感度特性と階調特性をデジタルにブッ込んだところ。
もちろん違うところもあるんだけど、色に対する感度でグレートーンを作るってところをしっかりデジタルで再現してくれているので、フィルム世代からすると「これくらい露出を抑えれば暗く落ちる」みたいな話が早い訳です。

で、X-Pro2でACROSが搭載されたことがキッカケでフジユーザーになりました。やっぱね、ずっとモノクロやってたので、デジタルでもモノクロやりたかったのよ。ニコンだとどうもそれが難しくて、自分でレシピ作ったりもしたけれど、面倒で面倒で。
それがフジだと簡単にイメージ通りに作れるって分かったから、そりゃ引っ越しちゃうよねって話。

で、H2Sね。
カラーの暗いところのトーンが良い感じにくすむようになったのがX-E4とかの26MPセンサー世代になってから。24MPのX-Pro2とかだと、まだツヤ感が残ってしまうのでフォトショップでアレコレ弄ってイメージに近付けていました。X-E4をテストした時に「相当イメージに近いぞ!」と。
でも、もう一歩ってところがあったしX-H1とかX-Pro2に満足しているところがあったので買い替えはしなかった。

ところがH2Sでやってみて痺れたね。
イジらないので期待通りの絵が出てくるので本当に綺麗です。
分かるかなぁ・・・フォトショで弄って絵をキレイにするのって本当に難しいです。というのが、本来メーカーが時間とお金を掛けて纏めあげたバランスを、敢えて崩して何かを強調したり控え目にしたりしているので、キレイにするのは非常に困難。
私のように長期間写真を拗らせていると、弄った写真をずっと見てると違和感感じてしまうので、違和感が生じないバランスで繊細なチューニングしているメーカーの画像設計や凄腕レタッチャーさんには心から敬意を持っています。

今回の写真も暗く落ち込んだ緑のくすみ具合とか、色がノリそうで乗ってない花弁の再現に惚れ惚れしています。

H2Sの最大の難点はグリップが合わねーのよ。

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