Vol.417 4月23日 徒然
新しい方のXF23mmF1.4。実に良い。
どこが良いか?というと従来型と比べて接写性が高いところとAFがグンバツ。接写性に関しては従来型が撮像面から約28cmで0.1倍。新型は約19cmで0.2倍。レンズ先端からで言えば従来型が約22cm、新型が約11cm。
もう使用感から倍率まで全く違っていて自由度の高さがハンパない新型に対して得意なトコロだけはトコトン得意という性格の従来型。従来型も写りはベラボーに良いけれども、新型はまったくの我慢要らずなので触れぬが吉です。
新型はレンズ鏡筒の大部分が稼働部になるので、レンズ交換時に効果的に保持出来る箇所が少なくまぁまぁイラッとします。XF18mmF1.4R LMも同じ仕様。これ、評価中に誰も気付かなかったのかなぁ・・・。絞りリングをAでロックしとけばまだ良いんだけど結構ボディに近いし、そこを持って力を込めたくないのよね、なんとなく。先日紹介しているシグマの56mmF1.4コンポラとかあのシリーズもちょっとその雰囲気があります。ピントリングは幅広ければ良いというものでは無いと思うので、実用性の丁度よいバランス点をもっと検証してほしいね。
気にするほどのことでも無いのかも知れませんが、これまで気になったことが無い、というのはそれまでに触れ合った製品がちゃんと考慮されていたから、なのかもね。ちょっとしたことで使うのが億劫になるというのは非常によくあるので使用感に関わる配慮にやり過ぎはないと思っています。
カメラの家電化、よく言われてたよね。あるいはそういう話題にすら、もうならないのかな。
どういう意図で言ってるのか分かりませんが、カメラという特別なものが家電のように入れ替わりが激しくなって魅力が薄れてしまった、というような意図で用いられているような気がします。
言わんとする気持ちは分かりますが、家電に失礼だな。
フィルム時代のカメラはメカの割合が大きいよね。
メカは整備次第では相当長持ちします。ってのが構造が複雑でも部品単体で見てみるとシンプルだから。最悪1点モノで作れるし切ったり貼ったりすれば流用もナントカ出来ます。自動車でも同じで電子化以前の車ってのは非常に長持ちします。T型フォードもまだ普通に動くからね。
電子化以後はワリと厳しくてオリジナルの状態で維持するのは非常に困難です。
ってのが電子機器には部品の供給っていう残酷な現実があるからね。色々な部品の集合体なので、どこか一部でも供給が難しくなるとその影響が一気に波及してしまいます。部品の入手が厳しくなればそこが寿命です。車はまぁ移植手術が出来るので箱だけ古くて中身は新しいみたいなことが出来ますが、カメラは難しい。
電子部品ってワリと複雑で、流通がある状態ではワリと安価に部品が手に入りますが、供給が終わればそこでオシマイです。メカだと別の工場とか業者で再生産出来るんだけど電子部品ってそうは行かないことも多くて、工場火災とか被災とかで部品の供給が難しくなった・・・みたいな製品もあります。便利化・高機能化と引き換えにそういう花火みたいに一気に燃え尽きるのが電子デバイス。新陳代謝というか世代交代も凄いからね。昨日の最先端は今日の型落ちみたいなのが頻繁に起こっています。
それがボディとレンズの両方で進むので寿命が短くなることを避けるのが難しい状況です。
じゃ、魅力がないか?と言われればそんなこと無くて、同じ製品であっても面白くないと感じる人もいれば面白いと感じる人も居ます。面白くないと感じた人はその製品のターゲットに入ってないから。
言い方は悪いけど「お呼びでない」枠です。
これはどんな分野でも同じことがあって、楽しいと感じられなかったり興味を持てないというのはターゲットではないから。守備範囲の大きい小さいもあって、何でも愛せる人が居れば狭く深くしか愛せない人も居ます。
ゲームや文学、映画に音楽でも同じことが起こります。アレは好きだけどコレは苦手、みたいなヤツね。
ラーメン食べたい人がおしゃれカフェに行っても満足するのは難しいでしょ。だからといって「オレの好みの料理出せ」と声を挙げるのはちょっと違うよね。心の中で思うのは自由だし、敬意を払って意見することも大事ですが、しかし数が少なければやはり相手にされません。ってのが商売は慈善事業ではないからね。
こういう時に自分の手足で探しだしたお店ってのは感慨深いけれども、口コミだけでヒットすると達成感少ないなって思うので、泥臭いほうが体験としては濃密だなと私は思います。失敗も思い出になるしね。