Vol.405 3月25日 イメージ

GH6+LEICA DG 12-60mmF2.8-4

レビュってます。

L.クラシックネオだな、この青空は。いわゆるニューカラーってやつになるかな?
L.クラシックネオって絵作り設定で明度基準を動かすっていう暴挙に出ていてとても面白いです。パナは実直な製品作りなのに時折アグレッシブで攻撃的です。
ニコンは質実剛健なフリして相当なアバンギャルド。斬新過ぎてついて行けないことがあります。
プログレッシブな雰囲気を醸しつつもトコトン堅実なのがキヤノン。あれほどユーザーの使用現場を考えて開発してるとこ無いと思うよ。石橋を叩き割って新しい迂回路を作るみたいな事をやってる。
フジは実はビックリするくらい理詰め。Cool or Passionじゃなくて冷静に情熱やってる感じ。
ソニーは更新の鬼。開発力の権化。
ペンタは道楽。

GH6は物理的にデカイね。
カメラを真面目に性能出して、色々なシーンへの適応性を高めて作ると基本大きくなります。動画みたいにエンジンをぶん回すような使い方を想定すると、やはり大きくなります。ってのが、冷却しなきゃならんから。ブツが大きいほど熱容量に余裕が生まれるので、冷却が必要なシステムはデカイです。CPUクーラーとかでも同じだね。
とは言えM4/3はボディがデカくてもレンズが小さいので、実際問題としてボディから受ける印象ほどにはサイズで苦労するシーンはありません。フルサイズのS5より大きなボディのGH6でも同様でした。システムとして(レンズとセットで考えた場合という意味)見てみるとソコまで大きくないです。

GH6は大きくせざるを得なかったボディを、それでも頑張って小さくしているので歪(いびつ)な部分があります。それがデカイのに窮屈な操作性。あちらを立てればこちらが立たずの代表例みたいな事象で、放熱部が邪魔してボディ背面の右手親指が操作担当する部位が結構窮屈だし、親指の操作担当を快適にしようと握り方を工夫すると人差し指のポジションが不自然になります。写真を撮る上で、人差し指のポジショニングはとても繊細です。ニコンとかキヤノンの上位モデルはこのポジショニングが上手で自然にシャッターボタンに指が導かれるようデザインされていて、人差し指は極力仕事しなくていいようになっています。X-H1もワリとそんな感じだね。
こういう人間工学的な考えのボディメイキングはキヤノンが頭ひとつ抜けていると思っていて、EOS R3は現状での最高峰だな。なのに電源位置だけはコロコロ変わるんだ。

話をGH6に戻して、スタティックに使っているとGH6の操作性は素晴らしいと思いますがダイナミックに使っていると結構窮屈だし人差し指が疲れたり、握りが合わなくて疲労感が蓄積されていきます。
ただねぇ、軸足は動画機だと思うからサイズを優先したんだろうね。こういうバランスのとり方というか落とし所の設定ってのが製品作りの難しいところというか面白いところです。GH6はそういった苦労や工夫の跡が随所にあります。個人的には苦労の跡が見えるには美しくないと考える人間なので、豊田的にGH6は美しくありません。GH5M2のが美しいね。

ってことで、GH6はカメラを握ったままウロウロしてパチリな運用は苦手だと思いました。あとEOS R3とかに慣れてるとEVFはちょっと遅いかな。でも用途が違うからツッコミ入れる程じゃないと思います。必要十分ってやつ。乱暴な例を挙げると、四六時中流し撮りしたいなら別の選択肢を検討した方が幸せになれると思います。

万能なカメラは存在しないので、それで良いと思うんだ。コスト掛ければ解決出来そうだとも思うけれどそれで喜ぶのは極々一部だからね。全体のバランスを見て製品ターゲットを設定し最大多数の最大幸福を実現する製品作り、つまりユーザーはお得に、メーカーはガッポリってやつを具現化しようとするとこれが最適解なのだろうと思います。

GH6のレンズキットに選定されてるLEICA DG12-60mmF2.8-4は良いねぇ。GH5M2のレンズキットであるG VARIO 12-60mmF3.5-5.6もコンパクトで悪くねぇけど、DG12-60と比べると写りでも使い勝手でも見劣りするので、予算あるならコッチが良いと思います。GH5M2が登場した時に「なんでお手頃レンズをキットにしたんだろう?」と思ったけどそういう戦略だったのね。

そうそう、すごく地味だし殆どの人は「だから?」と感じると思いますが、GH5M2とGH6はボディの前面から「L」マークが消えています。GH5には在った(G9 Proには無いです)。こういうブランドロゴって運用が厳格に規定されていて、一度誕生してしまうとどんなにダサくても頑固に残り続けるものです。
ロゴ貼り付けるお金と時間があるなら別のところに労力を割り振った方がよほど建設的だと思っていますよ。

ペンタックスのブラック仕様みたいなデザイン案も意見聞かれる度に方方で答えてるけど、どこもルールが邪魔して実現するのはメチャクチャ難しいんだってさ。
ファンを大事にする取り組みは会社の利益にしかならないと思うのだけど、それって素人考えなのかな?

与太話ついでに、OM-1は何故にオリンパスなんだろう?新しい社名を覚えてもらう最初で最後のビッグチャンスだったと思うんだけどね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?