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今回は久々のレンズ比較レビューの宣伝です。
以前は描写性能にそれなりの差(有意差ね)があることが多く、比較する理由として十分だと考えていましたが、ここ数年は従来機についても十分以上の性能があるため、重箱の隅をつつくような作業になっていました。
メーカーを跨いで比較するにしても、それぞれの製品コンセプトが違う場合は異種格闘技戦になっちゃうから。
チャート比較は?という意見もあるかと思います。
毎日新聞の複写する人にとっては大変有意義な結果になるけど、大多数の人は立体撮るでしょ?
実写で遠景っつっても、大気の状態(揺らぐ)で解像性などいくらでも変わります。視程いくつで大気圧〇〇hpa、風速に気温と湿度まで記録しとけば参考情報になるのかなぁ。
どの撮影距離でやるか?でも変わるしね。
てな感じでレンズの写りの比較をやることに意味を見出だせていません。
一応確認でやるけど、基本的には新旧でビックリするくらい違うってことはないです。DSLR時代のレンズと最新世代で比べれば、そりゃ違うけどね。でもだからといって当時のレンズに魅力がないか?って言われると、特に単焦点レンズについては「そんなことないよ」という返事になります。
ズームは別ね。
例えば、AF-S24-120mmF4G VRとZ24-120mmF4Sは、本当に同じメーカーの製品か?!ってくらいに写りから何からドエライ違うし、技術の進歩を強く感じますた。
四方山はこのくらいで
ソニーのFE85mmF1.4 GM IIの新旧比較とインプレが公開されています。
第一印象は「かるい!」。本レンズだけで持ってても「おぉ、それほど重くないやん」って感じでしたが、従来型を持った後だと「?!」ってなります。
200%に拡大したのがコチラ
中央の描写はこのくらいしか変わらないです。違うのは周辺の前ボケで、元画像の左下を見てみると
って感じ。
この差がどんなシーンに効くか?ってのは難しいよね。
使ってる本人は新型のが(ここだけの結果で言えば)ちょっとキモチイイかも知れない。
そう言えば、今回の5mくらいの撮影距離では新型のが気持ちワイドで、従来型のが僅かにテレっぽかったです。
じゃ次は至近端。
中央は引くくらい変わらんので拡大はナシ。
トラベル三脚で撮ってるから、撮影誤差はありますよ。
強いて言えば新型のがクリアというか色味が違ったね。
RAW見てみると、制御WBが新型は5650Kで従来型が5800Kでした。
さっきのシーンでも新型は平均5200Kで従来型は平均5300K。透過率とかカラーバランスがちょっと違うのかな?リアルなところは分からないけど。
あと周辺光量は新型が潤沢ね。従来型は明らかに暗いから、お仕事向きなのは新型だね。周辺光量補正も、補正量が多いと厳密に言えばノイズっぽくなるし。どうしても気になる人はISO6400とかでヴィネット補正有り無しで試してみて下さい。
例えば1段分明るくするというと、周辺部は擬似的にISO12800になる、みたいなイメージね。
そりゃ画質に差がでるよねって話だし、メーカーも頑張って周辺光量を確保しようとするわな。でも、光学で頑張るとサイズに影響があるから、そのバランスに日夜苦心しているわけです。
ただ、表現としては光量が落ちてる方が好ましい場合もある。もちろん、後から落とすこともできるけれども、光学的に落ちてる方がなんだか自然には見えます。
ちなみに周辺光量が落ちてると、AE/AWBはもちろん自動調光にも影響あるので、レンズにはその影響を軽減するための補正値を持っています。
純正レンズはこの補正値がとても細かい。
これは歪曲含む各種収差補正についても同様。
だからいわゆるサードパーティは光学である程度頑張る必要があるんだね。
そうした制約の中で、純正にはない魅力で勝負・訴求しなければならないのでサードパーティの製品企画・開発は本当に大変だと思います。
仮に3億円掛けてレンズ開発して、1本辺りの利益は?って考えると本当に恐ろしいよね。
冗談抜きで死ぬほど売る必要があります。そもそもボディが売れてくれないとレンズも売れないからね。
妙チクリンなボディが出てきたとしたら、自分が担当ならマジで呪うね。
話を戻して、写りの比較ではトヨタ的には有意差は無いです。特にPオートで撮るなら総合的な写りは互角というか同じ。これは断言できる。f/1.4~1.8を常用するなら、ハナ差で新型って感じ。
インプレ本文でも触れていますが、AF含めた使い勝手は新型が従来機を圧倒していました。使い勝手ってどんなシーンでも必ず味わう部分だから、この差を日々積み重ねることを想像すると、買い替える理由としては十分に妥当であると思います。
AFの速度・精度・レスポンスが段違い。転がり始めの軽さがもう露骨に違う。実測で3倍近いAF時間の差があったから、もう撮れる撮れないという話で結果が違うからね。これは誰でも体験できる性能だから、とても価値のあることじゃないかな。
これが、例えば従来型が0.2秒で合焦出来たところが新型では0.1秒未満になりました、だと技術的には凄くても大多数のユーザーにとって有意義か?と言われると難しくなります。
最後に。
一応だけど、従来型を旧型とは出来るだけ記述しないようにしています。新旧比較という言葉は使うけれども、具体的に触れる場合は従来型ね。2世代変わると旧型を用います。
新型→従来型→旧型(2世代以前含む)
ってのは建前で、つい最近まで現行最新だったのに、ポッと出の新人が登場した瞬間に旧世代扱いするのは、ちょっと違うじゃろ?