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Vやねん鱗親和-エリア予選突破に寄せて-

はじめに

皆さん! 鱗親和回してますか!(ご挨拶)

……あんまり回してないね。そうだね。最近(モダホラ3出てから)色々とあったもんね……。ナドゥとか、空の怒りとか、エネルギーとか……。Twitter(現X)ではモダホラ3の功罪やらモダンを離れた人やらの話題もチラホラ見えたりしますし、まあ色々と地獄ですよね……。わかります。

そんな地獄みたいなモダン環境で行われた、チャンピオンズカップエリア予選。見事、鱗親和で権利を獲得しました。

書いてる自分が言っちゃうのも何ですが、ちょっとどうかと思います。鱗親和で権利獲得って正気かいな。これでいいのかモダン環境。
いいんだよコレで!!! 鱗親和は環境デッキと信じるんだ!! 信じねェと話が進まないから!!!!

とかそういう狂信者ムーブはさておき。
今回は鱗親和で権利獲得を記念して、なぜ鱗親和を使おうとしたのか。鱗親和を使うにしても、どういう調整をしたのか。カードの選定理由は何なのか……等々。
そういった記録を、記憶が新鮮なうちに残しておこうと思い、noteに記事を書くことにしました。

拙い文章ではありますが、現モダン環境と鱗親和の相性関係などなど。環境の片隅で必死に+1/+1カウンターを振り回してる奴の思考記録として、ご一読いただければと思います。

店舗予選~エリア予選前日

10月上旬。都内行きつけの店舗にて開かれた店舗予選にて、見事鱗親和でエリア予選の参加権利を獲得しました。

この店舗予選、参加者は10名でした。
そして、そのうち2名が権利獲得。そんな規模の店舗予選です。
言ってしまうなら、比較的抜けやすい構成の大会です。

しかし、エリア予選は違います。東日本のあちこちで権利を獲得した猛者が100人以上集い、競技思考でデッキを選び、徹底的に勝ちを狙いにくる修羅の世界です。

きっとエリア予選は記念受験になるだろうなぁ…。まあ、foilの手練がカッコイイし、それを貰うために記念受験してみるか! と、どこか諦め半分の様な気持ちでボンヤリとエリア予選の事を考えておりました。

で、色々とあり……。10月中旬にはモダン神に鱗で出たりもしつつ…。(エルドラージに2回ボッコボコにされて目なしドロップでした)

10月下旬。エリア予選予約開始。
とりあえず11月アタマの3連休は予約を入れて、デッキは鱗親和を第一に考えて……途中で「こりゃムリだ! 鱗じゃ勝てん!」と思ったならば、最後の一回は別のデッキを使おうかな という気持ちも頭の中に持ちつつ…。

プロキシでエネルギーを組んで回してみたらいちいち誘発が多い&1点刻みのライフの変動が激しいということで、付け焼刃で持ち込んだら確実に変な事をやらかすだろうという予感がして、早々に持ち込みデッキ候補から外れたりもしつつ……。

11/2 TC東京のエリア予選に参加したのでした。
当時の自分の脳内環境は、モダン神の結果やメタゲームブレイクダウンを踏まえて、こんな感じでした。

【モダン環境メタゲーム予測】
ティア1:エネルギーアグロ
ティア1.5+:UBマークタイド(眼魔)、エルドラージ
ティア1.5:ゴリョウ、ルビーストーム、ベルチャー

恐らく最大勢力はボロス・マルドゥ・ジェスカイのエネルギーアグロであり、支配率は35%程度。つまり、3人に1人はエネルギーであろうという予測です。
次いでダスクモーンで新戦力の目玉一本釣りを獲得したUB。ランプの覇王エルドラージ。こちらそれぞれ10%前後。合計で20%くらいと予想

つまり、上記3つのモダホラ3アーキタイプが環境の過半数を占拠し、それ以外も雑多に存在している(ただし競技思考なので変なデッキは滅多にいない)環境。それが私の想定したエリア予選メタでした。

MOをしていないので割と適当な分析かもしれません。
それでも、できる範囲で(まつがん先生のツイートを見たりしつつ)環境を分析したつもりでした。

で、ふと思ったのです。

あれ? ドブカス最悪ヘイトスペル空の怒り撃って来るジェスカイエネルギーコントロールって、最近いないの???

理由については色々とあると思いますが、一言で申し上げるなら赤白エネルギーがヤバすぎるというのが原因でしょうか。
殺しても殺しても猫が湧き、空の怒りで薙ぎ払っても(空の怒りカバー外の)アジャニの裏面や指輪ですぐ再展開してくる。コントロールがコントロールしきれない物量を押し付けてくる、というのがエネルギーの強みなのだと思います。
全ての呪文がマストカウンターで、全ての呪文が致命傷。そんな令和式やべえアグロが隆盛した結果なのかなあ…なんて風にも思っています。

あ、空の怒りって最近息してねェんだ……
ふーん……?

そうかぁ。空の怒り、消えたんかぁ……

(駆け巡るニューロン…!)
(脳内で加速するCPU…! その処理速度……だいたい、ペンティアム4くらい……!)
(メタ上位アーキタイプとの相性を皮算用…!)

エネルギーと鱗親和の相性については、言ってしまうなら歩行バリスタがどれだけ活躍するか? が全てです。真顔で紅蓮地獄がサイドインされる現モダンです。
猫に猛竜にオークにオーク軍団に、タフ1がハチャメチャに殴りかかってくるわけです。
なら、歩行バリスタでいいじゃないか。タフ1を虐待すればいいじゃないか。確かお前、8/31のマジック大戦祭では歩行バリスタで大暴れしてエネルギー相手に勝ち越してただろ。

仮説1 エネルギーに対しては、歩行バリスタで盤面を焼き払えば優位に立てる

じゃあUBはどうだ? 今のUBはメイン思考掃きでデケェ目玉を墓地に落とし、一本釣りを狙うという、極太飛行ミッドレンジデッキになったぞ?
いやいやでも、メインから継続的に墓地を掃除できる何かがあれば…。そう、たとえばアガサの魂の大釜のような……ついでに言うと打ち消し呪文に対してはサーガの構築物で殴り倒せば……。いつもサーガに島メイガスが合わさるとは限らないし……。

仮説2 UBに対しては、メインから搭載された継続的墓地対策と"打ち消し不可能な巨大クロック"であるウルザの物語が刺さる

エルドラージはどうだ?
奴らはモダン環境で2マナランドを連打し、安定してビッグアクションを連打してくるぞ?
早期から邪悪鳴らしとコジコマで一つの指輪を手札に加え、そのままプレイ。ガンガン引いて物量圧殺を仕掛けて来るぞ?
……正直、鱗VSエルドラージのマッチアップについて、鱗側はめっちゃ辛いです。サイドに打ち消し呪文を搭載でもしない事にはどうしようもないです。
じゃあもう、シミックにしよう。
サイドに記憶への放逐4枚取って、それで何とかしよう。それしかないわ。それでもキツいわ。モダン神でエルドラージに2回踏みつぶされてるのが若干トラウマになっているし。
大体あいつらマナ出し過ぎやねん! 何なのコジコマって! 落とし子トークンのせいでだいたいアレフリースペルやん!!! 何なのアレ!!!!

と、そんな事をアレコレ考えていた時、ふと気が付きました。

エネルギーとUBが上位に君臨したから、月・月メイガス・島メイガスの土地ヘイトが大暴れしているのでは??? ボロエネのメイン月はアジャニ裏面の0と相性もいいし、もしかして、これって結構良い読みでは???
そういえば最近、トロンやアミュレットも若干存在感が低い気がするぞ??? もしかして、鱗親和が有利という仮説を立てた上記2アーキタイプが、エルドラージを食い止めてくれている?

仮説3 エネルギーとUBが増えれば増えるほど、エルドラージは勢いを無くす。ついでにトロンも勢いを無くす。つまりカーンもいなくなる。

【モダン環境メタゲーム予測 訂正】
ティア1:エネルギーアグロ ←バリスタが刺さる!!
ティア1.5+:UBマークタイド(眼魔) ←アガサとサーガが刺さる!!
ティア1.5:ルビーストーム、ベルチャー、エルドラージ

鱗の立ち位置、割と良いかも?
一昔前はナドゥのせいで減衰のマトリクスがサイドに取られてたせいで死んでたけれども、今はそういじゃないし。
右も左もエネルギー対策に夢中だから、ファクト対策や起動能力対策を積んでる場合じゃないだろうし。

じゃあ、やるか。

……ということでエリア予選にシミック型(サイド放逐)の鱗親和を持ち込む事にしたのでした。

11/2 TC東京エリア予選参加

結論から言うと、私の想像を超えた世界がそこに広がっていました。

右も左もエネルギー! みんなジェガンサ公開してる! その場で立ち上がってクルっと一回転したら視界の中にエネルギー使いが4人はいる! 当たる相手もエネルギー! 大会、エネルギーが過半数!!
世はまさに、大エネルギー時代!!!
あとベルチャーとUBが多い。

エルドラージおらん!!!! ←ココ重要!!!

そんなTCエリア予選は3敗のドロップ。
エネルギーに負け、エネルギーに負け、エネルギーに負けました。

そんなTCで得た知見が以下の通りです。

・体感だが、「3人に1人」と思っていたエネルギーが、「3人に2人」だった。色はマルドゥと赤白で半々~若干赤白が多いか? というところ。上位卓はエネルギーミラーが結構な頻度で起きていた。
・エルドラージがいない。持ち込んだプレイヤーはいるかもしれないが、影が薄かった。エネルギーが多すぎた。
・UBは一定存在していた。実際に当たったし、目玉一本釣りをされた。
意外とベルチャーがいる。
今のベルチャーって島メイガスが入るデッキだった。じゃあ、ベルチャーもエルドラージを狩る側なのかもしれない。

・今日の参加者のうち権利獲得ならず…であった人は明日も矢向に行くだろう。ならば、メタゲームはほぼ同じに違いない。
→エネルギーアグロを狩る事に特化した鱗親和、構築開始や!!!!


11/3 矢向カードボックスエリア予選参加

持ち込んだデッキ、及び戦績は以下の通りです。

調整の内容を軽く書くと、以下の通りです。

・前日のエネルギー地獄を受け、継続的に歩行バリスタの弾丸補充&ピン除去対策が可能な亭主の才能をメインに2枚投入。エネルギーアグロはピン除去しか飛んでこないので、亭主のLv2で貰える護法も強いハズ。その結果、今まではメイン2枚だった一つの指輪がメイン1サイド1へ変更。
・アジャニの裏面を直で潰せる根絶やし根を1枚だけ採用。(通常、この枠はアンタップイン可能な緑ボルトランド、橋仕掛けの戦いが入ると思うのですが、アジャニ裏面除去&血染めの月影響下で打てる事を優先してコチラにしました)
・エネルギーアグロ抹殺兵器、血の長の刃の採用。これを装備した歩行バリスタは盤面のタフ1を絶滅させます。
・眼魔やエルドラージを踏んだ場も念のために想定し、大型クリ除去の最強兵器としてバジ首も採用。その結果影槍は抜けました。
・サイドには対オセロット用の除去として骨髄の破片を1枚だけ採用。これはTC東京で鱗使いの同士から教わった限界感極まるエネルギー対策カードでした。
・メインがエネルギー対策に寄り過ぎているので、サイドにはコンボ対策の才能の試験や攪乱のフルートを気持ち多めに採用。打ち消しが取れるのがシミック型の強みですね。

前日のエネルギー地獄を受けての調整でした。
そして、矢向もエネルギー地獄でした。エネルギーの荒波でした。
そんな中、調整した部分がドンピシャで突き刺さり、見事権利を頂く事ができました。MVPは、亭主の才能でしょうか。バリスタへの弾丸補充が強かった!

もしもエネルギーを踏まなかったり、想定と違うメタゲームだった場合、結果は違ったと思います。
前日のTC東京エリア予選での敗北とメタゲーム実地調査、そこから突貫で行った対エネルギーチューニングが、結果として勝利を呼んでくれました。よかったよかった。

というかR6終了時点で満足してR7で日和ってID→R8ガチるしかなくなるとかいうアホムーブもしてて、もう、滅茶苦茶。長丁場の競技大会不慣れなのもあり、最後はゼェゼェでした。
最終マッチのR8は緊張&体力の限界でカウンターの個数間違いをやらかしたりして、ジャッジの方に指摘いただく事もありました。反省。

と、そんなこんなで私のエリア予選は終了したのでした。
鱗親和はエネルギーの荒波に、負けないよ!!

最後に

まず、鱗親和のプレイングや限界サイドカード骨髄の破片の情報提供などにご協力頂いた、鱗親和民のあすてかさん&だてポンさんのお二人に、心から感謝です。
今回の結果は、お二人のご協力無くしては至れませんでした。本当にありがとうございます。同じデッキを使う同胞とアレコレ知恵を出し合って勝利を掴むのって……なんか……イイっすね……。

鱗親和は足掛け6年ほど使っているデッキでして、愛着も強いデッキです。言ってしまうなら、情の極みのようなデッキです。そんなデッキでエリア予選突破という結果を残せた事、非常に感慨深いです。
そんなデッキなので、来年の千葉で開催されるファイナルでも、できれば鱗親和で何かの結果を残せたら嬉しいな……なんて事を考えつつ。この記事の〆とさせて頂きます。

お読み頂き、ありがとうございました。

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