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シノビガミ探訪帖 斜歯忍軍①
そういう訳で前々回の記事のリメイクをしていこうと思う。
まずは根本、この記事の目的や動機の話から。
※この記事はシノビガミに登場する設定や忍法の元ネタを探る一種のメモみたいなものです。「確実にこれが正解」のようなものを押し付けるものではないということだけご了承ください。
最近徐々に暖かくなってきましたね。ニュースなんかではあまりにも露骨に右肩上がりする気温が物議を醸したり醸さなかったりしているのだとか。
こちらとしては過ごしやすい気温・環境を保ってくれるのなら異常気象だろうが知ったこっちゃありませんが。
本作は、「河嶋陶一郎」「冒険支援株式会社」「株式会社新紀元社」が権利を有する『忍術バトルRPG シノビガミ』の二次創作物です。
(C)河嶋陶一郎/冒険支援株式会社/株式会社新紀元社
解説範囲
今回の記事では前回取り上げた通り、基本ルールブックに登場する斜歯忍軍の流派忍法について。
手抜きといえば手抜きだし、読みやすくリマスターしたものを出すことで小手調べをしようとそういう動機もある。
ちなみに今回もサムネイルは写真ACさんよりお借りしている。
画像の歯車は以前の記事でも紹介した「はすば歯車」。
歯が斜めについていることで水平方向の回転エネルギーを垂直方向に変換することができるのだ。
流派忍法
というわけで早速本題に入ろう。
スムーズで気持ちいいね。noteはこうでないと。
・【鳳凰】ひのとり
名前の由来のひとつは中国神話の霊鳥「鳳凰」からだろう。
四霊において毛を持つ麒麟、鱗を持つ応龍、鎧を持つ霊亀に対しての羽を持つ鳳凰……ということらしい。
霊鳥繋がりで不死鳥、フェニックスと習合して炎のイメージを持たれているのだろう。
斜歯忍軍は雑賀衆の流れを汲む流派である。
雑賀衆を治めた鈴木家の家紋や旗には八咫烏があしらわれている。
また、八咫烏は太陽の化身ともされ、日本書紀では天照大神の遣いとして描写されている。
世界観における本質的な源流はこの八咫烏からだろう。
そして由来のもうひとつは「科学忍者隊ガッチャマン」に登場する「科学忍法・火の鳥」だろう。
とはいえどちらかというとフレーバーテキストや名前のルビをガッチャマンに寄せただけのように思う。
とするとこちらは遊び心と考えるのが適切だろうか。
・【水霊】みずち
名前の由来は日本神話の水神である蛇「蛟(みずち)」だろう。
語源も水(み)の霊(ち)でみつち。完璧な表記。
蛇と忍者の話といえば「甲賀三郎伝説」が思い浮かぶが、『流派ブック「ハグレモノ」』において甲賀者は江戸幕府へと合流したとされているため、斜歯忍軍との関連性は見受けられない。
忍法狩りによって研究され、再現された再現忍法という奴だろう。
・【土竜吼】どりゅうこう
【土竜吼】に明確な元ネタはない。恐らく読者も分かっていただろう。
土竜はもぐらとも読み、中国ではミミズを意味する言葉らしい。
どちらにも共通するのは穴を掘ること。
斜歯忍軍が器術に長けた流派であることを加味すると、正体は掘削機械のドリルだと推測できる。
……そんなことは誰にだって推測できるのだ。
という訳で前回の記事の考察を引っ張り出してみよう。
吼の字は「吼(ほ)える」とも読む。「ほえる」と読む字が複数あるなかでこの字を宛てたのは吼の字が「孔(あな)」を含むからだろう。
機械のモグラが轟音をあげて孔を掘る。それはまさしくドリルではないか。
余談だが斜歯忍軍の三つの攻撃忍法には「火」「水」「土」が含まれている。風冠の形であれば「風」もあるだろう。
原始の科学である四元素という概念に敬意を表しているのだろうか。
・【爪穿】そうが
【爪穿】にも明確な元ネタはない。
爪穿という名前に包含されている爪牙には「爪や牙、転じて主君の手足となり働く家来」という意味が含まれる。
主君の手足となり働く家来、それ即ち忍者だ。シノビガミの考察なのだからこのくらいのニンジャ思考力は必須技能となる。
斜歯忍軍の名前の由来には歯車が関わっている。歯車もまた「大きな組織の一員として動かざるを得ない人間」という意味を持つ。
雑賀衆の雑賀は同じ字で苗字ともなっている。
頭領の雑賀孫一の雑賀は実は通り名で本名は鈴木孫一らしいのだが、それはともかく雑賀は苗字にもなっている。同名の地名があったらだいたい苗字にもなる。
その苗字が雑賀(さいか、さいが、そうが)だ。
そう、雑賀自身がそうがなのだ。
なお、穿という字は「ガ」と読むことはない。訓読みの「穿(うが)つ」から来ているのか、爪牙に穴冠をつけているのか。
・【不意打ち】ふいうち
【不意打ち】にも明確な元ネタはない。というか一般単語である。
以前のnoteでは「すっぱ抜く」という言葉が元々不意打ちを指していたと記述しているが、正直忍者なんて常に不意打ちでしか戦わない。
鞍馬神流という正々堂々戦う忍びのせいで「不意打ちをする忍者」というレトロニム(再命名)が発生したのかもしれない。不意打ちをしない忍者が発生して一定数を超えたから【不意打ち】が技術の名前になってしまったのだ。回転寿司に対する「回らない寿司」とか眼鏡やコンタクトに対する「裸眼」とか電子ゲームRPGに対する「TRPG」と同じ原理かもしれない。
・【布砦】ぬのとりで
【布砦】の元ネタは横山光輝の漫画『伊賀の影丸』に登場する忍法「布砦(布とりで)」だろう。
ちなみに筆者は全然詳しくない。やはりシノビガミの知見を深めるために読むべきか。いやしかしどうやって……。
ちなみに身体から離したものを床に設置する必要があった原作よりだいぶ強化されている。これも科学技術の賜物だろう。
・【闇蜘蛛】やみくも
忍具のひとつ、水蜘蛛が由来だと言いたいですが全然そんなことはない。
多分田中久志(ひすゎし)の漫画『忍者ボーイとんとん飛丸』に登場する悪役「闇蜘蛛」だと思う。
ちょっと昔の漫画の話は若人的にはついていけないっすね。
今更ながらこの企画自体をちょっと後悔している。
・【惨撃】さんげき
惨たらしい攻撃で【惨撃】、特に明確な元ネタはないだろう。
描写や効果から分かるのは「斜歯忍軍にかかればどんな忍具でも拷問に使える」というところだろうか。
ありふれたアイテム、輪ゴムでも拷問はできるからね。
これを見て拷問しようと思ったそこの君、拷問は犯罪だぜ。正確には私刑扱いだぜ。
・【武器破壊】ぶきはかい
恐らく西洋の武器、ソードブレイカーだろう。
片面の刀身がギザギザになった短剣で、相手のレイピアやサーベルを受け止めてへし折るからソードブレイカー。実際は折れなくとも武器を叩き落とせればよかったのだとか。
日本にも同様に相手の武器を受け止めて叩き落とす武器がある。それが十手である。意外と忍者が使っているイメージがあるだろう。
また、同系の武器として琉球の釵がある。こちらは海外で「忍者の武器といえば」みたいな扱いを受けているらしい。
十手と間違えたのだろうか。
・【奈落】ならく
今や奈落と言えば落とし穴などの「落下する先の空間」を指す言葉として定着してしまった。そのため元ネタより語源の解説になるだろう。
元はと言えばサンスクリット語の「नरक(Naraka、音写:奈落迦)」から来ているらしい。そう、「落」はたまたま意味が通じているだけなのだ。
サンスクリット語ということでだいたい分かるだろうが、由来は仏教における地獄のことだ。つまり落ちていく先、落下する先の空間である。
そこから転じて舞台の下、床下の空間を指すようにもなる。
業界用語的な奈落はこっちだろう。
なおこのnoteの前身となるnoteでは画像のように教えを乞うてみたが、知識を授けてくれそうな人はいなかった。引き続き募集しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1707333168067-lzBXwtZMu1.png?width=1200)
・【機忍】きにん
機械の忍者だから【機忍】。そのままなので元ネタはない。
斜歯忍軍のテーマのひとつでもある「機械化した忍者」を指す設定用語だ。
【機忍】に関する詳しい話は基本ルールブックや『流派ブック「斜歯忍軍」』にて触れられているので詳しくはそちらを読むといいだろう。
・【魔界工学】まかいこうがく
これも恐らく設定用語だろう。故に元ネタはない。
となれば【奈落】のように語源の解説に入るしかあるまい。
魔界とは本来仏教における「仏界」の反対概念だ。
斜歯忍軍のルーツは雑賀衆ともうひとつ、武僧集団「根来衆」にある。
シノビガミは日本独自の諜報員、忍者を扱っている関係上外国の概念を日本らしく読み替えることが多々ある。
その際よく使われるのが仏教だ。
つまりここで言う魔界というのは隠忍の血統含む妖魔の世界、設定で定義される「異界」のことだろう。隠忍の血統の世界である「妖術」と得意分野の「器術」を繋げるための技術。
工学とは数学や化学、物理学を工業生産に利用するための学問である。
とするとこの忍法は異界の法則、異界律でさえも八咫重工、斜歯忍軍の工業に用いる、工学の貪欲さを表す忍法ということになるかもしれない。
あとがき
終わってみれば前回の半分以下の文字数に抑えることができた。
無事に手に取りやすく仕上がっただろう。
次回の探訪帖は秘伝忍法編。この感じならもしかしたら明日に上がっているかもしれない。
次回のnoteが探訪帖になるかどうかは不明。
他に書きたいネタがあったら書くかもしれない。
というわけで今回はここまで。
おまけ
探訪帖につけるおまけということでせっかくならPCの話をしようと思う。
お金を払ってまで読むような人は重篤なファンに違いないからだ。
という訳でなんてことはない、今回のおまけ。
虹月(ななつき)こと「暁 百合」のお話。
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