タクティカル読書記録 - 境界対策課へようこそ#1
タクティカルおはようございます。
今日も今日とてタクティカル。
ここでは自分以外のタクティカルノベルを読んで知見を深めたり感想を語ったりしていくよ。
好き勝手に感想を言ったり考察したりしていくので先に読みたいって人はこちらから読んでいってね。
というわけで記念すべき第1回は紺色くんこと竹田天糸氏の「境界対策課へようこそ」シリーズから。
身内贔屓してるって?
逆だよ逆。身内の作品すら読んでなかったから身内の作品くらい読んでおこうと思ったのさ。
というわけでこのまま#1、境界対策課へようこそ!を読んだ感想や考察へ移ろう。
シリーズ「境界対策課へようこそ」は広報担当の祓魔師、四辻(よつじ)が動画配信チャンネルにて行う境界対策課に関する一連の広報活動を文字に起こし、記事化した形式を取っている。
主人公……というより四辻は“レギュラーメンバー”と呼ぶべきだろう。
レギュラーメンバーの四辻は元気で明るく、大袈裟な振る舞いで祓魔師たちの業務や実態をカリカチュア化、あるいはデフォルメして市民たちへと伝える。
境界対策課ないし祓魔師に対して親しみやすいイメージを持ってもらうためか、他の祓魔師の静止を振り切って動画コンテンツとしてのまとまり、落とし所を作り上げる姿はまさにプロと言ったところだろうか。
真面目な広報活動に向く人材ではないが、動画サイトやSNSの運用のようにユーモアが求められる場で目立つことに関しては境界対策課内でも指折りの実力と言える。
炎上しないように頑張っていただきたい。
作中で語られている話によるとこのノベルにおけるタクティカル世界では偽名を名乗ることが慣例となっているようだ。
これは「怪異に名を知られてはいけない」という言霊に端を発した警句に絡めたものかもしれない。
名を知られることは魂を握られているのと同じ。
それこそ近年の作品で言えばデスノートなんかが分かりやすい例だろう。
以上を踏まえると祓魔師は偽名を名乗るべきなのかもしれない。
まぁもっとも、そのくらいの概念防御なら狩衣側に付属している世界も少なくないのだろうが。
後はそうだな、牽制という言葉の表記がけん制となっているところは特によかった。
祓魔師の祓は祓魔師が一般的になっている世界だから関係は無いが、牽制の牽は常用漢字外の漢字である。
そのため、公的機関ではひらがなで書かれることが多い。この一語だけでぐっと公的機関のプロモーションであることがよく伝わった。
没入感を高めてくれるこういうギミックは自分が何かを書く時にも参考になるだろう。
「縁起を担ぐ」や「中時間」などの小癪小洒落な言い回しは実に紺色くんらしい表現だ。
芸術的というよりは諧謔的な言葉遊びと言えるだろう。
そんなこんなで1000文字を過ぎたのでこの辺りで記事を終わっておこう。
人を笑わせても人に笑われないように。
今回はここまで。
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