シノビガミ探訪帖 ハグレモノ①
最近身体が重くて仕方ない。
やはり寄る年波には勝てないのか。
※この記事はシノビガミに登場する設定や忍法の元ネタを探る一種のメモみたいなものです。「確実にこれが正解」のようなものを押し付けるものではないということだけご了承ください。
昨日……なんにもしてないっすね……。
勿論今日もね。
最近卓休みが逆にありがたいフェイズに入ってきたから卓を減らさなければいけない。
本作は、「河嶋陶一郎」「冒険支援株式会社」「株式会社新紀元社」が権利を有する『忍術バトルRPG シノビガミ』の二次創作物です。
(C)河嶋陶一郎/冒険支援株式会社/株式会社新紀元社
解説範囲
今回の解説範囲は基本ルールブックに登場するハグレモノの流派忍法。
これまででトップクラスに元ネタを探すのが困難である。
だから汎用忍法を後回しにしたのに……(弱音)
サムネイルは写真AC様から。
画像は「手裏剣」。
忍者のマストアイテムのひとつです。
流派忍法
まぁ解説に入りましょうか。
パッと見【空蝉】と【影分身】くらいしか自信がない。
自信、確信あるはずもねぇ。
・【螺旋陣】らせんじん
描写そのものには特に元ネタは見受けられない。
しかし、忍者と螺旋の関係については岸本斉史の漫画『NARUTO』に登場する螺旋丸が有名だろう。
とはいえ挙動もフレーバーも全く違うものになっているので、ちょっとしたオマージュというべきか。
シノビガミが誕生した2009年はまだ『NARUTO』の連載真っ只中である。
オマージュ程度に留めておくのが安全かもしれない。
・【春香】しゅんか
元ネタは白土三平の漫画『カムイ外伝』に登場する忍術「春花の術」だろうか。
眠り薬を風下に向けて散布する忍術で、ちょうど【春香】も低いプロット(=風下)しか攻撃できず、意識を朦朧とさせる(=逆凪させる)忍法である。
なお、この元ネタを探すに至って非常に難航した。
というのも、「春香」は一般的に人名に用いられることも多く、あまりにもノイズが多過ぎるのだ。
諦めずに探してよかったなと思う。
・【太極波】たいきょくは
「太極」とは陰陽思想における万物の根源である。
シノビガミにおいては混同されているが、元々忍者は仏教よりも陰陽道に通じた存在である。仏教はどちらかというと武士(=鞍馬神流)。
ついでに言うと比良坂は神道系が多い。
このことから【太極波】は陰陽道寄りの忍法なのだろう。
・【環獄】かんごく
明確な元ネタは見つからなかった。
語源は「円環」+「監獄」で【環獄】だろうか。
要するに回り込んで閉じ込めるということだろう。
そう考えればフレーバーの描写も納得である。
・【金剛】こんごう
元ネタは恐らく山田風太郎の小説『忍法封印いま破る』にて登場する忍法『不壊金剛』だろうか。
作中では身体を金剛のように硬質化させることで、巻き付いた紐などを千切り飛ばしていた。
シノビガミの【金剛】も身体の硬質化という点では一致している。
・【逆風】さかかぜ
語源は恐らく風に逆らうから【逆風】、逆風(ぎゃくふう)のことだろう。
苦難、逆境、逆風に立ち向かう力を指している。
余談だが柳生新陰流には「逆風(ぎゃくふう)」という名のフェイント的剣法がある。これで八人の甲賀武者を斬り捨てたのだとか。
日本、江戸時代ぐらいまでの間にこういう超人エピソードがちらほらあるので怖い。どういう国民性?
・【彷徨】ほうこう
流石に元ネタは見つけられなかった。
検索性が鬼のように悪い。
まぁそんなことはともかく。
「彷徨」は目あてもなく歩きまわることである。
描写からもわかるように神出鬼没で「実はそこにいた」という現象の極致の忍法だ。
そこにあてもなくただ歩き回る「彷徨」の文字をあてたのだろう。
・【空蝉】うつせみ
厳密な元ネタは紫式部の小説『源氏物語』の第三帖「空蝉」である。
作中で登場した女性の呼び名としても使われており、薄衣一枚を残して去った様子をセミの抜け殻に喩えて「空蝉」と呼んだ。
忍者の使う空蝉の術はここから来ており、「そこにいると思ったらもういない」という【彷徨】の真逆を表す忍法である。
・【忍法複写】にんぽうふくしゃ
コピー系能力の起源は不明で、定かでない。
確証はないが、多分岸本斉史の漫画『NARUTO』に登場するキャラクター、コピー忍者こと「はたけカカシ」が元ネタだろうか。
NARUTO、そこまで詳しく読んでいないのでどこかの機会で読み返したい。
・【影分身】かげぶんしん
「分身の術」そのものの起源は白土三平の漫画『サスケ』とされているが、影分身という言葉が初めて用いられたのは恐らく岸本斉史の漫画『NARUTO』である。
思ったよりNARUTO多くない????
残像を利用するという描写は前者を、名前は後者が元ネタだろう。
生物の目は時間分解能という能力が備わっており、この精度を動体視力という言葉で表す。
要するにこれを超えるスピードで動けば相手の視界に同時に存在できる……という原理で語られたのが『サスケ』においての分身の術である。なお、科学的には質量体には不可能とされている。
・【無我】むが
語源は「無我」というより「無我の境地」から来ているのだろう。
「無我の境地」、つまり「悟りの境地」がこの忍法の元ネタだろう。
なお「無我」は仏教用語で、「事物に本質などはなく、あらゆる事物はただ起こり続ける現象である」といった考え方である。
本質を求めようとこんな記事を書いている自分では無我の境地に辿り着くのはもっと先なのかもしれない。
・【刃隠】はがくれ
元ネタは謡曲などでも伝わっている忍術のひとつ「木葉隠(このはがくれ)」だろう。
もともとの忍術としては木の葉で身を隠すというものだが、この忍法では身に纏わせた木の葉が相手を切り裂く。
描写的にはポケモンでいうところの「ステルスロック」が近いだろう。
防御的に見えて非常に攻撃的な忍法である。
あとがき
というわけでなんとかここまで解説をしてきたわけだが。
NARUTOにもう少し詳しければ小ネタが話せたのだろうかと思うとちょっともったいないなと思う。
てか【忍法複写】って写輪眼なんだ……。
さて、次回はハグレモノ秘伝。
パッと見元ネタが判然としない忍法がやけに多い気がする。
怖いね~。
そして今回もおまけはないよ。
悪いね、今回はここまで。
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