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安蔵式世相放談① 新語・流行語大賞
「乙助、ちょっくらジャマするぜ。」
「なんでぇ、甲太か。こんな師走の忙しいときに。オレはお前ェみたいに暇じゃねえんだよ」
「そんなこと言うんじゃねぇよ。師走だからたまにはゆっくりと話してぇんだよ。今日はしかも新語・流行語大賞が発表されたそうじゃねぇか。」
「あぁ、毎年やってるアレか。テレビや新聞がありがたがってるようなことには興味ねえんだよ。」
「まぁまぁ、今年がどんな年だったかってんのを後々の連中が知るための手助けだと思ってさ。」
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「なんでぇ、今年も流行ったんだか流行ってねぇんだかわかんねぇ言葉ばっかじゃねぇか」
「甲太、最初っから身も蓋もねぇこと言うんじゃねぇよ。」
「大体この年間大賞の『ふてほど』って何だよ!保土ヶ谷で不貞寝するんか?」
「そんな局地的な話すんなよ。『不適切にもほどがある!』っていうドラマだよ。向かいの安蔵がよく話していたじゃねぇか、『宮藤官九郎センセはバケモンだ』って!」
「ホントに流行っていたんか、このドラマ。安蔵の野郎は大河ドラマしか見ねぇとか言ってるくせに、見てたのかよ。」
「あの安蔵の野郎がハマるくらいだから、相当面白かったんじゃねぇのか?」
「そうかも知れねぇな。裏金問題ってんのは腹立ったよなぁ。金将の裏には何も書いてねぇだろ?」
「甲太、お前将棋がヘタクソだからな。こないだもヘボ将棋してたよなぁ。って違うわ!自民党の連中がパーティー券売った分をキックバックしていたって話だぜ」
「ここでオレのヘボ将棋の話するなよ!丙三の野郎とやると毎回ヒデェ将棋になるからよ。」
「まぁまぁ、初老ジャパンや50-50、名言を残せなかったとか、スポーツの世界の話題の言葉も出たからな。」
「名言を残せなかった自体が名言になるとか、北口の姉さも想像できなかっただろうな。にしても、新紙幣も流行語大賞になるのか」
「渋沢栄一が好色家だったから、祝言の時の祝儀は旧紙幣の福澤諭吉がいいなんて変なマナーもできてしまったし。」
「『店子の丁四郎の祝言の時に聖徳太子の1万円入れてった』なんて、ご隠居が言ってたけどな。」
「結局さ、今年の漢字とか流行語大賞とかで一年を振り返って、来年こそはいい年にしようって思うことが大事じゃねぇのか、って甲太、何踊ってんだ」
「ハァー、ブリンバンブリンバンブリンバンボン、ブリンバンブリンバンブリンバンボン、ブリンバンブリンバンブリンバンボン」
「ヘンなアテブリの踊りやめろ!もう、ええでしょう。」
安蔵氏より
「不適切にもほどがある!にハマってましたが、年間大賞になるほどなのか?と思いましたね。あと、能登半島地震絡みの言葉が選ばれなかったのはどうなのかと。次は今年の漢字が何になるか。毎年清水寺の貫主様の揮毫を楽しみにしています」