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明日が来る度旗を立てるように 選んだ道越えてく日々を抱きしめて(ukka2024春ツアーを振り返って)

ツアーファイナル・神田スクエアホール

 その日の神田は、蒸し暑く歩くだけで一苦労なほどの猛暑だった。
 季節は初春からすっかり夏に変わり、関東各地と地方を回り全部で9公演と、ukkaとしては前例のないロングランの春ツアーとなった公演のファイナルは、めでたいことにソールドアウト。新メンバーの宮沢友ちゃんと若菜こはるちゃんをスタプラ研究生から迎えて初めてのツアーのファイナルへの期待の高さがうかがえる。
 座席を埋め尽くす観客のざわめきは、大分聞きなれてきたOvertureの響きとともに静かになり、そして幕が上がった。

 「The Journey Begins Tour 2024 Spring ~HOP・STEP・JUMP!!~」と銘打たれた今回の春ツアーは、HOP公演、STEP公演、JUMP公演と銘打ち、3つのセクションでセットリストや演出が変わる公演だった。
 HOP公演は"TAiLWIND"の独唱から始まりラストが"WINGS"で終わる、2人の中学生新メンバーを始めとした新体制の疾走感やワクワクを感じさせるセットリスト。
 STEP公演は一転、7人体制初のシングル"Overnight Rainbow"から始まり、"つなぐ"で終わる余韻が印象的な公演で、大人っぽさや表現の奥行きを感じさせるメンバーの成長にフォーカスしたセットリスト。
 ツアーに参加する中で、一週間の間に見違えるように成長する新メンバーの勢いと、それを支えるお姉ちゃんメンバーたちの完成度の高さとそのハードルを超えてどんどん増えていく引き出しの数に、毎公演ワクワクしながら足を運んだ。

ukka公式ブログによる全公演セットリストはこちら


 日替わりでカノープスのソロ歌唱があったり、様々な組み合わせのユニットがあったり、MCでも色々なメンバーにフォーカスするコーナーもあって、メンバーそれぞれの様々な成長を見ることができた、そんなツアーになっていた。

鳴り響くファンファーレ

 そして、HOP公演、STEP公演での成長を見届けてわくわくしながら迎えたツアーラストのJUMP公演、一曲目はファンファーレ。昨年末にukkaを卒業した川瀬あやめちゃんのフィーチャー曲で、爽やかなメロディが印象的な旅立ちの歌。

 ukkaの由来にふさわしい、羽化した姿を見せつけるような鮮やかな開幕だった。
 宮沢友ちゃん、若菜こはるちゃんのことをここまで新メンバーと呼称してきたけれど、新メンバーと既存メンバーではなくて、「7人のukkaの始まり」を今この場所に確かに刻もうとする"ファンファーレ"。
 こはるちゃんの低音から始まり、友ちゃんがサビで高音を歌い上げて、先輩メンバーも負けじと全力でパフォーマンスをぶつけてくる、そんなキラキラした始まりだった。

 「鳴り響くファンファーレ」のフレーズと共に、希望と祝福を歌うような明るいイントロが流れる。ツアーHOP公演、STEP公演は成長のための序章で、このJUMP公演の"ファンファーレ"でようやく新体制のukkaはスタートを切ったんだな、と思うと腑に落ちる感覚があった。それくらいエモーショナルで最高の瞬間がそこにはあった。
 このツアーのすべてが、まさにこのファンファーレのためにあったといっても過言ではないと思う。

圧倒的”成長”

 そこからはこれまでのツアーで披露された楽曲を織り交ぜながら、ツアー初日からの圧倒的な「成長」をまざまざと見せつけられることになり、私の小さい脳みそが処理するのが追い付かず、あっという間にラストまで駆け抜けていった。

 すっかりukkaの屋台骨になったりじゅちゃんの歌声の強さが増していた。(特にRising dreamのロングトーンがめちゃくちゃかっこよかった!!!)
 さらに大人っぽい表情や驚いたような表情、どんどん豊かに魅力的になっていくりじゅちゃんの姿をツアーを通して見ることができた。

 新メンバーが加わっても固くなるどころか、さらに自由度を増したように見える空ちゃんの表現の幅広さ。
 こはるちゃんや友ちゃんとの曲間でのじゃれ合いなど、今までにない表情も垣間見えた。特筆したいのは歌の進化。柔らかく甘い空ちゃんの歌声に伸びやかさが加わって、ずっと聞いていたくなるようなそんな歌声だった。

 最近はゴチャも始まり、色んな場面でトーク任されることも増えたもあちゃん。
 MCでも、これまでの末っ子という立場ではなく友ちゃんとこはるちゃんをフォローする姿も見られて、すっかりお姉さんらしくなった。パフォーマンスにもさらに磨きがかかって、もあちゃんがセンターに立つと髪色も相まってぱっと華やかになるようなオーラがあった。

 圧倒的なパフォーマンスに少し怖さすら覚えたりなちゃん。
 川崎のそれは月曜日の9時のようにのロングトーンがもう圧巻で、横にいた友人たちと顔を見合わせたのは良い思い出。元々かっこいいダンスが得意だったけれど、可愛らしい曲のダンスにも柔らかさが加わってさらに進化していた。

 るりちゃんはダンスも歌もどちらも甲乙つけがたいくらいぐっと成長していた。
 スーパーガール★センセーションではダンスのキレが格段に良くなって、AM0805の交差点の2Aでは低音がさらに艶やかになって、表情に自信からくる余裕がうかがえて、るりちゃんらしいくるくる変わる可愛い表情の魅力が増していたのが印象的だった。

そして新メンバー。

 宮沢友ちゃんは、ダンスがダイナミックで全身のバネを使って踊ってるのが分かって、見ているこっちもめちゃくちゃ気持ちが良い。
 加入当初には歌に少しコンプレックスがあったようなことを口にしていた記憶があるけれど、HOP公演を経てSTEP公演を迎えるころにはものすごい声量で高音を歌い上げていて、見ているこっちもびっくりするくらいだった。あと何より顔がかわいい。表情にあどけなさを残しつつ、くるくる表情が変わるので見ていて全然飽きない。

 若菜こはるちゃんは、音程を取るのが抜群に上手い。
 仙台公演で披露をされたカノープスの独唱、あまりにも音を外さずに歌いあげるので、本当に最年少?とびっくりした記憶がある。一方MCはちゃんと聞いてる?と思う瞬間があったり、自由奔放な発言でお姉ちゃんたちを手玉にとっていて、中学生らしい可愛さにこちらも破顔した。本当に本当に顔が小さくて手足が長くてスタイルが良い分、ツアー当初はその長い手足を持てあまして踊っていた感があったけれど、ビタッとハマって、間奏がバージョンアップされたdon't say loveでもバシッと決められていてかっこよかった。

 何より、グループとしての一体感が増していた。
 お披露目公演では今までにない7人という人数でのフォーメーションに苦戦しゴチャつくようなシーンも見られたかれど、あくまで自然に7人のukkaがステージ上に立っていた。また、ukkaの最大の魅力であるユニゾンはこのツアーで輝きを増し、個性豊かな声質のメンバーが集まっても不思議と一体感があり、数々の名楽曲がより一層力強く歌い上げられていた。

願いの先でいつか きっときっとキミと

 このツアーは、STEP公演のファンファーレにすべてがあった、とさっき言い切ってしまったけれど、どうしても触れなくてはならない曲がある。

 ツアーファイナル、神田スクエアホールのユニット曲で披露された、友ちゃん小春ちゃん二人で披露された"WINGS"だ。
 私にはWINGSには並々ならぬ想いがある。(下記記事参照)

 水春ちゃんのいなくなったあとの4人のWINGSは、いつも切実だった。"誰かのために歌う歌がある"ことを自分たちに言い聞かせるような響きがあって、どこか刹那的で、それを聞いて私の胸もぎゅっと締め付けられていた。4人体制でのラストライブとなった秋田分校文化祭の最後の曲もWINGSだった。最後も、やっぱり胸をぎゅっと締め付けられた。
 りなるりを新メンバーとして迎えた初めてのツアーでは、メンバーそれぞれのソロコーナーがあって、その中でりなちゃんとるりちゃんは二人でWINGSを歌った。ツアー初日の有楽町で見た表情の硬いりなちゃんと、まだまだピッチの安定していないるりちゃんのWINGSは、ラストの恵比寿では晴れやかな笑顔と伸びやかな歌声であっという間に成長していく姿に驚き、泣き、笑った。

願いの先でいつか きっときっとキミと(2/26ukka春ツアー初日@横浜レポ)
https://note.com/ystky/n/n9729ac180725

 新メンバー二人で披露されるWINGSにはどうしても、2年前のツアーのりなちゃんるりちゃんの姿を重ねてしまう。はっきり言ってしまえば、友ちゃんこはるちゃんのWINGSは2年前に披露されたそれより完成度は高かったけれど、果てしない伸びしろを感じさせるには十分だった。友ちゃんとこはるちゃんのふたりが向かい合って笑い合った瞬間のステージがあまりにもキラキラしていてまぶしくて、今のこの瞬間を目に焼き付けておきたいと強く思った。
 今や欠かせない存在になったりなるりのように、きっと友ちゃんこはるちゃんもukkaというステージで大きく羽ばたいて行くんだろうな、それを見届けられたらいいな、と少し泣きながらステージを見つめてぼんやりと考えた。

これからも夢見たいの 何度も

 長かったツアーの本当に最後の曲。ラストはRising dreamだった。初披露されてからずっと変わらず、私の大好きな曲。
 Rising dreamが披露されると、ステージ上の熱量に呼応して、フロアのボルテージがどんどん上がっていくように感じる。エモーショナルで力強いメンバーの歌声とキレッキレで髪型が崩れるのもいとわない激しいダンスが合わさって、かっこいいところもかわいいところも全部ぐちゃぐちゃになって、見ているこっちもぐっちゃぐちゃに気持ちをかき乱されるような、とにかく熱い曲。
 この曲がラストに披露されたことに、ukkaの覚悟みたいなものを感じた。ライブアイドルとしてこれからも生きていく覚悟、ステージ上で戦っていく覚悟、みたいな。そんなちょっと恥ずかしいことを考えてしまったのは、ステージ上のメンバーからのエネルギーに、私も少しあてられてしまったのかもしれない。 

終わりに

 あやめちゃんと一緒に歌い継いできたファンファーレでukka新体制のスタートが高らかに宣言されたこと。苦しかったことも嬉しかったことも全部ないまぜにして歌われてきたWINGSが友ちゃんこはるちゃんの2人で新しい希望の歌として披露されたこと。メンバーの覚悟と矜持を感じたRising dreamでツアーが締めくくられたこと。
 これまでのukkaと桜エビ~ずが今のukkaと地続きであることを忘れさせない、でもここが7人の新しいukkaのスタートであることを表明するような、そんなツアーファイナルだった。だからこそこれからも進化し続けて、でもこれまでのukkaの良さをずっと見失わない、そんなukkaであり続けてほしいな、と思った。


告知

最高のツアーを終えたukkaちゃん、少し先ですがワンマンが決まってます!!!!!
(夏の予定は今のところ控えめですが、これからきっと出るはず、、、)

2024年10月4日(金) CLUB CITTA’
2024年12月8日(日) WWW X
2025年1月12日(日) 豊洲PIT

豊洲PITは絶対埋めたい、みんな予定空けておいて最高のukkaちゃん見に行こうな~💝



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