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レンタカーで行く一週間アメリカ横断の旅!その7:Day4-② UFO愛好家の聖地ロズウェルと荒野にキャデラックが刺さってる編!
We are not regret the detour
回り道くーねくね~
夢のピスタチオランドで心を満たした我々は、オクラホマシティ方面を目指してR70を北東に進むことに。荒野の景色が次第に山間部へと変わり、またしても平原へ戻る――地平線がぐるりと広がる壮大な景色に、思わず「おお、これがアメリカか」と感動。でも、ハンドルを握る手は緩めません。この先もまだまだ長い道のりですから。
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ちなみに、この旅の運転事情を少し語ると、ほとんどのドライバー役は私。Tさんは「ペーパードライバーなので、非常時専用」とのことでスタンバイ状態。そしてMさんはというと、なんと40歳を超えてから免許を取得したチャレンジャー!行動派ウーマンの称号を与えたいところですが、初めての右側通行+左ハンドルのコンボが災いし、砂漠の一本道を1時間ほど運転したところで満足度マックス。「教習所のビデオで見た夢のアメリカドライブは達成!街中走行はたぶん無理、交差点で右左折は遠慮します」とのことで、すぐに交代となりました。
そんなわけで、この先ニューヨークまでの行程、すべて私が運転することが確定。頼れる運転手としての重責を背負いながらも、内心「ここまできたら意地でも走りきってやる!」と密かに燃える闘志。この旅、いったいどこまで行けるのか――乞うご期待です!
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「Roswell, New Mexico」
「ロズウェル」この地名、UFO好きならもちろん、一般的にも耳にしたことがある人は多いはず。そう、1947年にこの町の近くで未確認飛行物体(UFO)が墜落し、米軍に回収されたという伝説の地。これがいわゆる『ロズウェル事件』です。人類史上初のUFO墜落事件として語り継がれ、この手の話しが好きな方には不動の人気を誇るトピックですね。
この事件は単なる噂話に留まらず、エンターテインメント界にも影響を与えました。その象徴が、アメリカのTVドラマ『ロズウェル—星の恋人たち』。宇宙人×青春ドラマという意外な組み合わせが功を奏し、シーズン3まで制作されたので、なかなかの人気だった模様。ドラマのタイトルを知らなくても、ロズウェルという地名を聞けば、「あのUFOの町ね」とピンとくる人も多いことでしょう。
そんなロズウェルの町は、今やUFO愛好家たちの聖地。町中には宇宙人のモチーフがあふれ、観光客を迎え入れる準備万端なのです。
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そんなロズウェルを素通りなんて、宇宙人に失礼ってもんです。というわけで、我々はこの町の目玉、『UFO MUSEUM』に突入!入口で入場料を払って扉をくぐると、そこからはもう完全にUFOワールド。壁には事件の年表やら当時の新聞記事がずらりと並び、読むうちに『これ、本当にあった話なんじゃ…』とついその気にさせられるのです。そして展示エリアの奥に進むと、ついにお待ちかねの宇宙人、そうグレイたちの登場です。
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我々は思わずニヤリ。そこには見覚えのあるようなシチュエーションが、リアルなマネキンで忠実に再現されているのです。中でも、あの有名な『回収された宇宙人が手術台に横たわるシーン』の再現度といったら!目の前に広がる光景に、思わず笑ってしまうほどの徹底ぶり。ここまでくると、もうすっかりロズウェルの魔力に取り込まれています。
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広さとしてはそれほど大きくないけれど、密度の濃い楽しさを詰め込んでくれたUFOミュージアム。最後の土産コーナーでは、UFOや宇宙人のグッズがこれでもかと並び、財布の紐を緩めにかかります。そして案の定、誘惑に負けてまたもやTシャツを購入。胸元には『ロズウェル』のロゴとUFOが。こうしてまた一つ、旅の思い出が増えたのでした。
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ロズウェルでのランチは、なぜかメキシコ料理。宇宙人の話題に浸りながら食べるタコスとエンチラーダ。地球外生命体の話題とは対照的に、味は地に足のついた美味しさでした。食事をしながら、我々の頭をよぎったのは今日のスケジュール。『オクラホマシティまで行くのは無理じゃないか?』という冷静な判断に至り、『とりあえず行けるとこまで行こう!』と再出発です。
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車は果てしなく続く一本道をひたすら進み、いつしかテキサス州に突入。日が傾き始めた頃、我々は次のスポットに到着しました。その名も『キャデラックランチ』!アマリロという町の手前、突如として現れる荒野の異景。地面に突き刺さる10台のキャデラックが、夕日に照らされながら存在感を放っています。
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その姿たるや、まるで地球に不時着した宇宙船(いや、さっきまで宇宙人の話題だったせいかもしれませんが)。車体はカラフルにペイントされ、塗装が幾重にも重なってひと回り大きくなったキャデラックたち。これは一体誰が、何のために? 答えはわからないけれど、その奇妙さに引き寄せられるのです。
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さらに驚いたのは、その場に集まる大勢の若者たち。みんなスプレー缶を片手に、思い思いの色をキャデラックに吹き付けています。ここでは、来た人みんながアーティスト。地面には捨てられたスプレー缶が転がっており、手に取るとまだ中身が少し残っている様子。これはもう、やるしかない!とばかりに、我々もキャデラックに自分たちの足跡を残すべくシューっとスプレー。ほんの一瞬ですが、荒野のアートに参加する特別なひととき。こんな経験、なかなかできるものではありません。
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キャデラックランチでシューッとスプレー体験を楽しんだ我々、今日最後の目的地は……そうです。お宿です。185マイル(約300km)東に位置するクリントンという町を目指します。カーナビに目的地を入力し、ルート40号に車を乗せた瞬間、目の前に広がるのは暗闇の一本道。日がすっかり暮れたこの道を、黙々と、そしてひたすら走るのです。
ようやくたどり着いたモーテルの駐車場に車を滑り込ませたのは、午前0時ちょうど。時計の針がきっかり12時を指しているのを見て、『まるで映画のワンシーンみたい』なんてつぶやきつつ、チェックインを済ませます。
今日の走行距離は約900km!体は疲れ切っているのに、どこか達成感に満ちた気分でベッドに倒れ込みました。『これぞアメリカ横断の醍醐味』と自分に言い聞かせ眠りにつきます……。さて明日はどんな景色に出会えるのか、乞うご期待。
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