たまたま目に入った神々しい高校生
今日は夜からの便で高校への配達があったのだが、それに気づいたのが20時頃で「どうせこんな時間だし、もう閉まっているだろうな...」と思いながらも、一応伺ってみることに。
すると、まだ部活でもしているのだろうか、グラウンドには照明が点いており、校舎の中も明るく、誰かいるようだった。ダメ元で敷地内に入っていくと事務員らしき人がいて、荷物を受け取ってくれた。
無事、配達できたことに安堵しながら、ふとグラウンドに目をやると、そこには熱心に練習を取り組むテニス部やらサッカー部員の姿があった。夜間照明も相まってか、その姿がやけに神々しく見えた。
自分もそれまで必死になって配達をしていたので、神々しく見えた部員達と同様に汗だくなのだが、悲しいことに彼らとは違い、爽やかさどころか不快感さえ漂っているだろう。改めて「若いって良いなぁ」なんてまざまざと思わされたのだが、そういえば自分も高校時代は目の前の高校生たちと同じように毎日夜遅くまで部活をしていたことを思い出した。
自分は野球部だったのだが、本当に練習が辛く、毎日が苦痛の連続で常に辞めたいと思っていた。ただ途中で辞めるのもどこか悔しさのようなものがあったので、ずっと早く3年になって引退したいと思っていた。1年の終わり頃から、最後の夏の大会までの日数をノートの片隅に書いては引退する日を待ち望んでいた。
そんな半端な気持ちで続けていたからだろうか、ついに最後の大会に負けて引退が決まった瞬間、驚くほどに達成感が無かった。1年の終わり頃からおよそ500日くらい待ちに待った日を迎えたのにも関わらず...。
自分は一体、何と戦っていたのだろう。今思えば、歪んだモチベーションで部活を続けるのなら、きっぱりと途中で辞めた方が良かったかもしれない。でもそれは出来なかったし、する勇気もなかった。
なんとなく野球部に所属していることに甘えていたのだろうか。高校を辞めてからもその精神性に変わりはなく、定職にも就かず、気づけば高校を卒業しておよそ20年が経った。世間一般的に働き盛りと言われる30代も後半なのに、ずっとモラトリアムな時間を過ごし、色んなことを先延ばしている状態だ。
失った青春を取り戻すためにも、もっと強い覚悟を持って、これからの日々を過ごしていかないと本当に手遅れになってしまう。部活に励む高校生を見て、「神々しい!」なんて思っている場合ではない事は確かだ。