【スイクラ】10:第2版(歪愛バッド→真相グッド)感想
“欲”(欲望度)を徹底的に高めないと歪愛ルートには入れないので、大筋は初版とほぼ等しく道化師や女王様に従い子供として振る舞い「恋」に走った結果、その報いを受ける展開と解せました。この点は初版(歪愛バッド)と変化なし。
明確に違うのが、およそ恋人関係が成立した後の振舞いでした。そこから理性を働かせ、大人の振舞いとして「愛」を示す。そうするとなんとバッドエンドだぜ! すごいゲームだ。
まぁたしかに、散々子どもじみた執着を見せてそれを受け入れた途端「わがまま言うのやめるね」と距離を取られたら肩透かしではある。古橋、日之世、密原は柘榴ちゃんに裏切られたような気持ちになって関係性が崩れていました。その観点から言えば間違いなく“バッドエンド”ではある。
久瀬編は、柘榴ちゃんの行動自体は初版と同じなのに自喰の代償が大きくなるのが興味深かったです。一貫した態度を取らなかったがために精神の強固さが及ばず道化師との勝負に負けた結果が歪愛“バッド”だよってことなのかもしれない。
「自分をまだ“真っ当な人間”と勘違いしているのでは」と嘲笑われているような気分になりました。いやはや恐ろしい。
ただこれが「第2版」……つまり「改悪」の結果なら、初版よりは世相に受け入れやすいマイルドな話になってるはずです。個人的には初版よりエグみが増してると感じるのですが、あるいはエグみに気づきやすい分「初版よりマシな世界」なのかもしれません。
これを子供向けの教訓譚として活かすなら。私ならこう締めくくるかなぁ。
「だから子供たちよ、どんなに人を救いたい、願いを叶えたいと思っても、悪魔の力を借りようとしてはいけませんよ。取り返しのつかないことになりますからね」
第2版で示された“教訓”が上記の通りだとしたら、真相編はそれ一編で顕著に表した話だったように思います。弟に対して徹底的に子供じみた執着を示し歪んだ愛を育みきってしまった後に、長じて真井知己に大人の「愛」を示したところで後の祭りだし逆効果、みたいな。
でも真相グッドは他キャラだと深愛バッドに相当する結末だと思われるので、あれは真井知己に注いだ「愛」を評価された結果なのかもしれない。
あるいはあの結末を迎えられたからこそ第3版の道が拓けたと考えるべきかな。などと考えつつ3周目の深愛バッドに行ってきます。
……と思いきやファンブックで「真相は歪愛グッドと深愛グッド」とか記されててもう何も信用できない。深愛グッドとは。この話を深愛グッドすべて見た後にもう一度鑑賞しろと? 勘弁してくれ私は古橋深愛グッドで結びとしたいんだ…………。
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