先生、勝鬨を上げます。
去年。
ぼくの人生のバイブルに1冊の漫画が加わった。
『殿さまとスティッチ』
という漫画だ。
その作者和田洋人先生の急逝されたとの報せを昨日、SNSで知った。
言葉が出ない。
ぼくは和田先生にお目にかかったはことはない。
Twitterにて快くフォローしてくださり、『殿さまとスティッチ』や『ファラ夫』、現在連載中の『ヤンキー水戸黄門』の感想を書く度にお返事をしてくださったり、バイクなどの話題もTwitter上ではあるがお話してくださった。
『コロナが落ち着いたら飲みにでも行きましょう』
得体の知れない、一ファンであるぼくに気軽に声をかけてくださったは飛び上がるほど嬉しかった。
『殿さまとスティッチ』の最終話に”勝鬨を上げる”をシーンがある。
ぼくはそのシーンにとても感動した。今でも見る度に心奮える。
和田先生が描いた命尊とスティッチの関係性があったからこそ、『勝鬨』が輝いて見えたし、音が聞こえてきたし、空気を感じているのだと思う。
和田先生はぼくと同年代である。
だから余計に今回の報せはぼくの心に強く訴えるものがある。
和田先生にお目にかかったことはないので、それまでの和田先生のご苦労や悩み、経験などは作品や発表されている記事でしかわからない。
わからないが、Twitterでのご発信や作品を拝見すると…和田先生の仕事には不断の努力と不屈のお心を感じる。
それもあって、『勝鬨』のシーンは非常に心に響いている。
人はいついなくなるかわからない、だから、会いたい時に会おう、とよく目にする。
しかしながらそれは半分あっていて、半分はぼくにはあわないな、と思っている。
会う人には自然と会うだろうし、そうでなければ時期が来てないかということだと思っている。無理に会う、ということではなく、自然に逆らうことなく会うことになると感じている。
ただ・・・。
ぼくの準備ができていなかったにしろ…
和田先生にはお目にかかりたかった。
先生のお心とお考え、お言葉はたくさんの作品、編集者の皆さん、作家仲間の皆さんの中に受け継がれていくと思っている。
ぼくらファンは、先生の作品を大事にすることで…先生のお心、お考え、お言葉を受け継いでいくと感じている。
ぼく自身先生の作品をさらに読み、特に『殿さまとスティッチ』は生涯の書として人生に迷った時、立ち止まった時、悩んだ時・・・嬉しい時にも楽しい時にも読み続けていこう。
ぼくは…
いつか、いつの日か。
先生に褒めていただける勝鬨を上げます。
先生。たくさんの素敵な作品をありがとうございます。
先生。ぼく如きに優しくしてくださってありがとうございます。
先生。あきらめない心を示してくれてありがとうございます。
勝鬨を上げるために進みます。
ただ。今は。
和田洋人先生にありがとうの気持ちとご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。
先生、ありがとうございます。