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サービス名やプロダクト名ってどうやって考えるの?

2021年にTimeTree社ではカレンダーシェアアプリTimeTreeの次ぐ2つ目のプロダクトとしてTocalyをリリースしました。その際に考えたサービス名についてプロセスをまとめてみようと思います。

サービス名:Tocaly
読み方:トカリー

はじめに

サービスに名前を付けるなんてことはほとんどの人が関わることがないと思いますが、それゆえどこにもその知見は共有されておらず新規プロダクトをやる人にとってはなかなか悩ましい問題です。これといった方法論が決まっているわけでもありません。このnoteはそんな悩みを抱えている方に少しでも参考になれれば嬉しいです。

何から考えはじめるか

何から始めたらよいかわかrず当時はまず他社のサービス名の由来を調べることから出発しました。facebook、spotify、instagram、pinterestなど有名どころのサービスを調べてその由来を知ることでこんなメジャーなサービスでもこんなノリで名前が作られていたのかと知ると少し安心できます。サービスが大きくなったことで威厳が後から付いてくるんだなぁとなんとなく感じ取りました。そのネーミング法は単語を組みわせた造語で作られているとか、こだわりやサービスへの想いから来ているとか、ノリで作られたなど由来は様々です。

例えば、Spotifyの名前の由来はCEO自らQuoraで答えています。ご参考までに。


軸を立てる

他のサービスを知ったところで、自分たちもネーミングについて着手していくのですが闇雲に案を出しても進まないので、まずは考える軸を立てることから始めます。その当時、資料を見返してみると立てた軸はこんな感じでした。

  1. サービスに対する想い

  2. ブランドストーリーはあるか

    • ストーリーが語れるかどうか

  3. グローバルで通用するか

    • サービスが大きくなったときにメジャー感がでるかどうか

  4. 響きはどうか

    • 読み方が複数ないかどうか

    • 発音しやすいか

  5. 商標やドメインが取得できるか

    • 「.com」が取れるかどうか

  6. SEOで検索にひっかかりやすいか

    • 課題ドリブンのサービスなので検索でひっかかることが重要


今考えるとかなり条件が多いように感じます、、、

キーワードを連想する

次にサービスで実現したいことやプロダクトのコアコンセプト等に沿ってキーワードを出していきます。派生すればするほどキーワードは無限に出てくるので、プロダクトミッションに則しているかどうかという点やキーワードからサービスが連想でき繋がりを感じられるかどうかという点である程度制限を持たせながらキーワードを出していきました。

Miroでマインドマップ的に出しました

そしてここで出たキーワードを組み合わせ造語を作ったり、接頭語を取り造語を作ったりと切り貼りするような感覚で候補を作っていきます。ここでも組み合わせの仕方によっては膨らみすぎるのでプロダクトミッションとも照らし合わせ自分の感覚的にしっくりきた案を50案ほど作っていきました。チームメンバーも同様に案を作ってくれてたのでトータルで細かいバリエーション含め300-500案くらいはあったように思います。なんだかんだで楽しい作業です。

絞り込み

案を発散させた後は次に絞りこんでいきます。まずは客観的に誰が見てもOK/NGである基準が明確なものは絞り込みやすいのでそれを確認します。具体的には商標やドメインがすでに取得されるものはすぐさま候補から除外できるのでその確認をしました。

商標が取得できるかどうかはこちらでチェックをしました。

またドメインが取得できるかどうかはGoogleドメインでチェックしました

https://domains.google.com/registrar/search


商標、ドメインがチェックできたら、さきほどの検討軸に照らし合わせて絞り込んでいきます。

振り返ってみると絞り込みで特に大きくふるいにかける要素だったのは、「.com」を取得できるかどうかという軸でした。そもそも「.com」を重要視するかどうかという観点はありますがチームで議論した結果、「.com」を取ろう!と決めました(経緯はここでは割愛)。必ずしも取得しなければいけないものではありませんが、これに関して特に参考になった記事は2つあります。noteさんの記事とポール・グレアムの言葉です(下にリンクを掲載していますので参考にしてみてください)。

また響や読み方に関しては、社内にいる英語ネイティブの人や他言語を母語にしている人に発音してもらって読み方に困らないかとか、名前を聞いたときに響がスッと入って馴染みが良いかなど自分たちの感覚だけではわからないことは周りを頼りながら進めていきました。この点はTimeTree社が比較的多国籍なメンバーがいて助かったところです。


最後は想い

そんなこんなで案は数個に絞られていき、最後は1つの名前に決めることになります。ここでみんなの意見が1つにまとまり決着がつくというのが一番良いのですが、とはいっても簡単にそうならないところが難しいところです。

やはり個人個人それぞれの想いがあり言葉の感覚というものも異なるので、推しネームも異なります。こうなってくるともう論理的に決めていくというフェーズを越え、あとは個人個人の感覚のバラつきだけが残っている状態です。
ここからは話し合いで決めていくのは難しいのではないかと感じました。あとは一人の代表者が勇気を持って決めるのが良いのではないかと思います。

紆余曲折ありつつも、最終的に決まったネーミングに納得がいく人、いかない人が出るのは当たり前のことでありそれは時間が解決してくれます。しばらく名前を発しているうちにしっくりきて愛着が湧くのです。不思議なものですね。

これで晴れてネーミングが決まりました。
最初はこの名前を使うのに少し照れくささがありますが3日も経てば馴染みます。

ダイジェストになりましたが、これがサービス名を決めていったプロセスです。かなりニッチな内容ですが、この記事が少しでもお役に立てればリアクションしてもらえると嬉しいです。

おまけ

日程調整サービスであるTocalyは、「To your calendar」から着想を得ています。カレンダーに予定を入れることが日程調整のゴールでありその想いを込めて名付けました。


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