日本とドイツのサッカーの捉え方の違い

サッカーはスポーツである。
というのは当たり前で誰もがうなずくと思う。
自分も別に特にそんなこと考えてなかったけど、サッカーがスポーツなんて当たり前で、潜在的に意識にすり込まれていたように感じる。
例えば、大会の開会式などの選手宣誓の時によくある「スポーツマンシップに則り」というフレーズがあるが、それも潜在的な意識にすり込まれていった一つの要因だと思う。
日本では、スポーツは正々堂々フェアプレーで戦うことが美徳とされていて、サッカーでファールがあったりすれば"汚いプレー"だとみなされる。
ファールをすれば悪。というようなイメージを自然と持っているような気がする。

でもドイツではピンチとなったらびっくりするくらい当たり前のようにファールをする。
以前、公式戦で相手にディフェンスの背後に浮き球パスをされた時、通ったらキーパーと一対一というようなシーンで自分たちのセンターバックは思いっきり上に腕を伸ばしボールを手でパンッと弾いた。
当たり前だがハンドである。誰がどうみても明らかにハンドだった。
もちろんイエローカード。決定的な場面の手前だったからイエローで済んだのだろう。
これを日本人でできる人は滅多にいないと思う笑
これは流石にやりすぎかもしれないけど、他にも、 やられる!と思ったら手で相手を思いっきり掴んだり、後ろから削るなんてのは当たり前。
こういうのを普通にやる。というかできてしまう。

もう一つびっくりしたエピソードは、遊びのキーパーなしのフットサルでラスト1点取れば自分たちが勝ちという場面で、おれがループシュート打って決まったと思ったら真顔で手使って止めやがったこと。
それ入ってたらこっちは勝ちでおれがヒーローだったのに平気でハンドして、はいファールだからお前らボールね。みたいな感じでボールを投げ返してきた。
これには流石にちょっと腹立ったけど同時に感心した。
あ、手使っちゃうのね。。みたいな。笑

でもドイツにきてこういうプレーをたくさんみて、おれが感じたのは、ドイツ人ってサッカーに対する考え方というか捉え方がそもそも日本人とは違ったものなんじゃないかということ。

それはサッカーがスポーツか闘いかの違い。

日本人はサッカーはスポーツだと考えてるけど、
ドイツ人はサッカーは闘いだと考えてるんだと思う。

日本人は、スポーツだからフェアプレーを前提として勝つか負けるかを争う。
でも、ドイツ人は、闘いだから絶対に負けられないし、負けるくらいだったらファールしてでも止める。

この意識の差はでかいと思う。

だからなのか、また抜きとかヒールリフトとかいったいわゆる舐めプというプレーをされると周りの反応が全然違う。
日本じゃやったやつが上手いで終わるけど、ドイツだとやったやつは一気に人気者だし、やられたやつはお前バカにされてるぞ。と笑われる。
なんならやられたらガチギレする奴もいる。笑

おれが練習で一回めっちゃ上手いまた抜きされた時は、お前日本帰った方がいいぜ!みたいな感じで囃し立てられた笑

これもやっぱりサッカーに対する考え方の違いから生まれる反応の違いだと思う。

サッカーは闘いである。
自分はその言葉をよく耳にすることがあったが、実際にそれがどういうことかは理解できていなかった。
だからこそ自分はもっと闘えるようにならなきゃいけないし、もっとずる賢くならなきゃいけないところもある。
全部が全部ドイツのサッカーが良いってわけじゃないから、日本とドイツの何が良いところで何が悪いところか見分けられるようにもっといろんなところにアンテナを張っておきたい。

そして自分は日本とドイツの良いところをうまく盗んで成長していきたい。

こういう今までにない経験をして、今までにない考え方を知って、同じサッカーなのに全く違う競技のようにすら感じられるのは本当に面白いし、ドイツにきて良かったって改めて思える。

今この環境でサッカーができていること。
いや、今ここに自分が生きていることに感謝しながら今ここを全力でやっていきたい。












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?