警視庁捜査二課を名乗る詐欺電話

何度も同じ内容の詐欺電話がかかってくるので手口をまとめた。

手口は警視庁捜査二課を名乗って「あなたは詐欺事件に巻き込まれている可能性があり容疑者のひとりになっています。証拠隠滅の恐れがあるので電話は絶対に切らないでください。」という脅しから入ってパニックにさせる事でまともな判断能力を奪うという手法だった。こんな雑な内容でも引っかかる人がいるのか?と思ったけど警視庁渋谷署に確認したら実際にかなり大きい額の被害が出ているらしい。

ある日、非通知で電話がかかってきたのでうっかり受けてしまった。

キャリアの設定で非通知番号は着信しないように設定しているけど、例外があって海外の電話回線から発信された場合はこの設定を無視して非通知番号を着信してしまうのだ。

通話内容
詐欺師「警視庁捜査二課の⚪︎⚪︎です。俺さんの携帯番号で間違い無いでしょうか?」
俺「はい、間違いないです。」
詐欺師「住所は、世田谷区⚪︎⚪︎-XXで間違いないですか?」(おそらく名簿屋で買った古い住所)
俺「あ、今そこには住んで無いです。」
詐欺師「今はどちらに住んでいますか?」
俺「東京です。」
詐欺師「わかりました。今回電話した件ですが、俺さんの銀行口座が不正利用された形跡があったので電話しました。⚪︎⚪︎銀行に口座はお持ちですか?」
俺「いえ、持ってないです。」
詐欺師「今はどこの銀行口座を持っていますか?」
俺「非通知だとあなたが警察である確証がないのですが、折り返し用の連絡先を教えてくれませんか?」
詐欺師「詐欺事件の極秘捜査中で守秘義務があるためお伝えできません。この件については極秘捜査なので警視庁に問い合わせされてもお答えできないです。証拠隠滅の可能性があるので電話を切らないでください。」
俺「なるほど、もう一度あなたの名前を伺ってもいいですか?」
詐欺師「警視庁捜査二課の⚪︎⚪︎です。」
俺「警視庁に問い合わせてもいいですか?」
詐欺師「極秘捜査なので問い合わせても、わかる人がいないです。」(この辺で相手が馬鹿すぎるので詐欺だと確信したけど手口を知りたかったので一旦話を聞いてみた)
俺「なるほど、わかりました。」
詐欺師「それでは今回の事件の内容を伝えるので、誰もいない場所に移動してください。」
俺「移動しました。」(リモートワークなので誰もいない笑)
詐欺師「今から言う内容を間違えないように必ず紙にメモしてください。」
俺「なぜ、メモが必要なんですか?」
詐欺師「和歌山県警に事件番号を伝える必要があるからです。」
俺「和歌山県警?警視庁じゃないんですか?」
詐欺師「今回の事件は和歌山県で発生した大規模詐欺グループに関わる事件なので和歌山県警の管轄になっています。」(だったらなぜ警視庁から電話してきたの???と思いつつ)
詐欺師「事件番号をいうので今からメモしてください。」
俺「え?なんでメモが必要なんですか?」
詐欺師「自分で伝えていただく必要があるからです。事件番号は(わ52301)事件名は大手詐欺グループの主犯⚪︎⚪︎太郎を逮捕と書いてください。」
俺「書きました。」
詐欺師「この件で明日までに和歌山県警に出頭していただく必要があります。」
俺「え?警視庁だとだめなんですか?渋谷署が自宅の近くなのですぐ行きますよ。」
詐欺師「和歌山県警に明日までにこれないと逮捕される可能性があります。ただ、直接出頭する方法とオンラインで手続きする方法で選択できますがオンラインを希望されますか?」(疑いがあるのにわざわざ本人に電話で知らせたら逃げられるんじゃないの?と思いつつ)
俺「そしたら、オンラインでお願いします。」
詐欺師「わかりました。それでは岡山県警につなぐのでお待ちください。」

保留音で変な音楽が流れる・・

詐欺師B「お電話かわりました。岡山県警の⚪︎⚪︎です。」
俺「さっき警視庁の人が折り返しの連絡先を教えてくれなかったので、そちらの連絡先を教えてくれませんか?」
詐欺師B「聞いてどうするんですか?」
俺「所在確認します。電話番号を教えてください。」
詐欺師B「ホームページにも書いてあるのでその通りです。」(なんかにごされたな)
俺「一度掛け直していいですか?」
詐欺師B「電話を切ると証拠隠滅の可能性があるため不利になりますけど大丈夫ですか?」(この辺で飽きてくる)
俺「なるほど、ではトイレ我慢してるのでこのまま放置してトイレに行ってもいいですか?」
詐欺師B「どうぞ、電話を切らないように気をつけてください。」

ここで待たせておいて一応確認した。
1. 楽天銀行に本当に自分の口座があるか確認
 解答:口座はありません。作りますか?>いりません。
2. 電話の内容を警視庁に伝えた
 解答:確認して折り返します。
3. 和歌山県警に所在確認
 解答:そんな人いません。最近流行っている詐欺です。

ここまで終わったら待たせていた詐欺師の電話が切れていたので続きの話を聞けなかったけど、警視庁から折り返しの電話がかかってきて手口を教えてくれた。

まず、相手が地方の人だったら明日までに警視庁に行く必要があると伝えて、東京の人には和歌山県警など翌日出頭するのが無理そうな場所を伝える。相手が出頭できるというと、そこで話が終わってしまうけど殆どの人は翌日遠い場所の警察に出頭するのは無理なので、オンラインの手続き方法を選ぶらしい。
オンラインの手続き方法を選択するとLINEでの手続きを案内されるらしい。そしてLINEで逮捕状を送りつけて相手にこのままだと前科になると伝える。そして詐欺で使われた⚪︎⚪︎万を一時的に支払いしてもらえば逮捕状を取り消すことができると言ってくる。さらにお金は後から返還されるから大丈夫だとたたみかけてお金を払わせるという手口だった。
冷静に考えるとLINEで逮捕状とか笑ってしまいそうだけど、パニックになっている人はこれでかなりの高額を払ってしまうらしい。

まとめ
・警察が非通知で電話をかけてくることはない。
・極秘捜査の内容をわざわざ犯人候補の人に伝えることはない。(逃げられると困るので直接家に身柄をおさえにくる)
・警察が手続きをLINEに誘導することはない。

後日の話
この後も何度か非通知で電話がかかってきてずっと無視していたら海外の電話番号通知でかかって来たので電話に出たら・・
詐欺師「警視庁捜査二課です。」(また例のヤツか・・少し遊んでやろうと思い)
俺「捜査二課のどこの係ですか?」
詐欺師「あ・・」
ここで察したのかプツッと電話を即切りされた。

ちなみにかかって来た電話番号はこれ。
+1 81135976032

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