2019/07/22 イギリス新首相にボリスジョンソン氏、トルコS400導入、トランプ大統領人種差別発言の裏側
毎週開催している「国際情勢を語り合う会」の内容を備忘録もかねて記しておきます。実際に話していた内容にその後発生したことやちょっと調べたことなども入ってます。
①イギリス新首相にボリスジョンソン氏
先月メイ首相が辞任表明して以来、保守党では党首選びを1か月近くかけて行なってきましたが、ボリス・ジョンソン前外相がジェレミー・ハント現外相をダブルスコアで圧勝し保守党党首(イコールイギリス首相)に選ばれました。
ジョンソン氏はEUと合意が取れなくても期限である今年の10月31日にEUを離脱すると宣言しており、このままだと合意なき離脱(ハードブレグジット)になりそう。
EUのよくわからないルールに縛られるのは嫌なのでEUから離脱し、「栄光ある孤立」の精神を取り戻したい気持ちもわからないでもないですが、イギリス単独の規模でEU離脱後も引き続き世界をリードする立場であり続けられるかはちょっと疑問。イギリスの経常収支は赤字だし、主産業の一つである原油を産出するスコットランドはこれを機に独立に走る可能性も十分にあり、過去の大英帝国の貯金ももう底をついちゃうんじゃないでしょうか?
ちなみにジョンソン氏に敗れたハント氏ですが日本にいたこともあり、先日は日比谷高校で教鞭をとってました。
②トルコS400導入
ロシア製の地対空ミサイルS400をトルコはロシアから購入し、その実機がロシアから搬入され、組み立て作業に入りました。
S400は敵のミサイルを迎撃できるミサイルです。
トルコはアメリカのステルス型戦闘機(敵のレーダーに映らない戦闘機)F35を導入予定でした。しかしながら、S400とF35の両方を運用するとお互いの機密情報がわかってしまいます。そこでトルコがロシアのS400を導入したことにより、F35の機密情報がトルコ、ロシア側に洩れる恐れからアメリカはトルコにF35を売却するのを中止しました。
トルコはNATO加盟国なので形式上は西側(アメリカ側)のはずですが、これを機に急激にロシア側に近づくかもしれません。
F35を買えないのはトルコにとって痛手といえば痛手ですが、ロシアにもSu57(スホイ57)があるのでこれを購入することによりますますロシアと近づく可能性があります。トルコがどうするかはちょっと注目です。
③トランプ大統領、民主党の女性下院議員に対し差別発言
トランプ大統領は民主党の白人でない女性下院議員4人に対して、「元の国に帰れ」という人種差別発言を行ないました。
トランプ大統領の支持層は白人なので、人種差別発言だけでは致命傷にはならないと思われますが、そこにはさらに深い理由があったかもしれせん。
対象となった4人は民主党内でも急進派でペロシ下院議長などとの考えの間には溝がありました。今回のトランプ大統領の発言により、ペロシ下院議長なども彼女らの擁護に回ることになり、その結果民主党が急進的な主張に傾くように仕向けたと考えることもできます。