国際情勢を語り合う会(2019/03/28)
毎週開催している国際情勢を語り合う会の内容を備忘録もかねて記しておきます。実際に話していた内容にその後発生したことやちょっと調べたことなども入ってます。
①アメリカ イスラエルにゴラン高原の主権を認める
シリアの領土であるゴラン高原は第3次中東戦争以降イスラエルが武力で占領し始め現在にいたります。武力による支配は現在の国際法上認められませんが、今回トランプ大統領は認めることになりました。
背景は次の通りです。イスラエルのネタニヤフ首相としては、汚職疑惑により来月行われる選挙で負ける可能性があるため、支持率を回復しておきたいところ。一方のアメリカ・トランプ大統領側も来年の大統領選挙を見据え、ユダヤ系の支持を固めておきたいところがあり、両者の利害が一致したためだと思われます。
おそらくこれが原因で、パレスチナ人が住むガザ地区からイスラエルのテルアビブにロケット弾が発射されたり、報復にイスラエルがガザ地区に空爆したりしたようですが、このあたりはしょっちゅうそれなりにもめているので、今回の件で大きく状況が変わった感はありません。
興味深かったのは日本政府の反応で、日本はアメリカの行なったことは基本追認するケースが多いですが、今回はゴラン高原におけるイスラエルの主権は認めませんでした。ここを認めてしまうと占領したものが勝ち的な論調になってしまい、竹島の主権を主張するところとの整合性がとれなくなるということもあるのかと思われます。
②中国 習近平主席訪欧
習近平主席がヨーロッパを訪問。最初に訪問した国はイタリア。これは中国の掲げる巨体経済圏構想である一帯一路にイタリアが賛同し、投資を受ける方向となったため。一帯一路に賛同する国は十数か国ありますが、G7の中ではイタリアが初めて。財政状態の悪いイタリアは中国マネーを必要としているため一帯一路に賛同しましたが、今後他のヨーロッパの大国も賛同するかが見どころ。
また、中国はヨーロッパの航空機メーカーであるエアバス社の旅客機300台の購入を発表。カタログ価格で4兆円ほど(実際は値引きが入るものと思われます)。中国には中国商飛という航空機メーカーがあり、今回の購入はエアバスからの技術移転も含めて大量購入したのではないかと推測されます。エアバスと並び大手航空機メーカーであるアメリカのボーイングとは米中貿易摩擦や、エチオピアでの墜落事故があり、中国としては距離をおきたいところということもあります。
③フランス 黄色いベスト運動再び盛り上がる
2018年11月17日より燃料税の廃止などを求め毎週土曜日にフランス各地で行われているデモである黄色いベスト運動。参加者は黄色いベストを着てデモに参加します。日本のデモと違うのは破壊活動を伴うことで、シャンゼリゼ通りの店の中には破壊により営業できない店舗もあります。ここ数週間は下火になっていてニュースでもあまり取り扱われていませんでしたが、最近また参加者も増え、注目されています。大きな騒ぎにはなってませんが、治まる気配もないのでどういった形で終息するのか状況を引き続き見ていきます。フランスではデモは民主主義における権利として根付いているのに対し、日本ではデモ参加者を特別視するような環境なので、日本にいるとデモに参加するのが特別なことではないという考え方には違和感があります。
といったような話や、その他雑談含めいろいろ話してますので、ご興味ある方はご参加ください(毎週木曜日開催です)