文系博士のお金のはなし
博士課程は長期戦。大学の教壇に立つまでも長期戦。
ということで、気になるのはお金の話。
博士課程の在籍年限は3年ですが、文系の場合、3年で博士号が取れるのは入学時に博士論文の内容がめちゃくちゃ固まっていて、学会発表や論文投稿のノウハウをもっている人だけです。そうでなければ博士号取得まで最低5年は見積もったほうがいいです。6年以上かかる人も結構います。お恥ずかしながら私もその一人。社会人から博士に来たため、学会にも入ってないし論文投稿のノウハウなんてないし、博士論文だってあくまでも計画でしかない。おまけに修士と博士で在籍した大学は違うため、コネもない。そんな状態で入ったので、案の定5年以上頑張ています。
そして、そのままアカデミアに残り、大学の先生(非常勤講師含む)として就職するまでに、あと数年かかるとしたら、
大学の先生としてお給料をもらえるまで
1年分の生活費×(5年+博士課程6年目以降の年数+就職までかかる期間n年)+授業料5年分
かなりの軍資金が必要になります。貯金がそこそこあったとしても、就職までにかかる期間が数年では収まらない場合、かなり厳しい状況に…
少しでも貯金の取り崩しを緩やかにするために私が実際やった方法は
①在学期間中に授業料の免除を受ける
②在学期間が終わった後は休学し、授業料を払わない状態で博士論文の執筆期間を延ばす
学振は修士から上がるときに指導教官の先生に推薦書を書いてもらわないといけないんですが、博士課程で在籍する大学に推薦書を書いてもらえる先生はいないので、学振は私の場合応募不可!
もし、もっと余裕がなかったとしたら、
③実家に戻って生活費を削減し、リモートで論文の指導を受ける
また、私の同期は
③在学中に他大学で教える
という方法で稼いでいます。
上記に補足すると、
①在学期間中に授業料の免除を受ける、という方法は超おすすめ。
私は、実家からの仕送りなし、母は他界、父は年金暮らし、私も定職なし、ということで1年目の後期から申請し、3年目まで全額免除してもらいました。タダで博士論文の指導を受けられるなんて、こんなお得なことはありません(^^
そんな厳しい状況じゃないよ!という方も、実家含め収入が一定以下であれば、「免除してくれないと研究生活を全うするための軍資金が足りません」「毎月入ってくるお金はほとんどありません」という状況を見せられれば、免除を受けるのはそこまで難しくないです。
また、学部・修士で在学していた大学にも似た制度はあったので、この授業料免除というシステムはどこの大学にもあると思います。
当然、②休学すれば一切お金もかからないし、博士論文の執筆期間も延びますね。
zoomなどを使ってミーティングすることが普通になってきている昨今、先生にお願いすれば③実家に戻って生活費を削減し、リモートで論文指導を受ける、というのも割と簡単にできてしまうものです。(私は実家に戻らず一人暮らしでやっているのですが)
同期で③をやっている人、実際にいました。
学部は教室に行って授業を受けるスタイルに戻っていますが、大学院は論文の個別指導が主なため、毎回zoomやSkypeをつないで指導を受けることは十分可能です。リモート指導に難色を示す先生はほとんどいないんじゃないでしょうか。
私も大学に行ける距離に住んでるのに、先生とzoomでお話したことがあります。それくらい、コミュニケーション手段に選択しとして十分アリということです。
③在学中に他大学で教える、はちょっとハードルが高いように思えますが、
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