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失ったからこそ得たもの

あの時、全てが崩れたように感じました。それはまるで自分の足元の土台がなくなり、深い闇に落ちていくような感覚。久しぶりにこの新聞記事を見つけた時、その時の記憶が鮮明によみがえってきました。でも、あの時の自分に出会えるなら、一つだけ伝えたいことがあります。それは、「失うことは、何か新しいものを得る始まりでもある」ということです。

今よりずいぶん太ってて顔パンパン、正直恥ずかしいんです。

2009年のあの時、失業という言葉は重くのしかかり、未来が見えなくなった瞬間でした。記事には「失業したけど、音楽や!」という大きな文字が躍っています。振り返れば、この一見ネガティブな出来事が、私にとって転機となったのです。当時の私は、何もかもを失ったように感じていました。しかしその一方で、何かを始めなければならないという強い決意が、心の奥底から湧き上がってきました。それがウクレレとの深い関係の始まりでした。

記事の写真には、ぎこちない笑顔でウクレレを抱えた自分がいます。あの時はまだ、自分のやっていることに確信はありませんでした。失業後、すぐに「音楽で生きていく」と決めたわけではなく、むしろ何かにすがる思いでウクレレを手に取っただけでした。しかし、練習を重ねるうちに、その小さな楽器から広がる音色に癒され、自分自身が少しずつ前を向けるようになりました。何よりも、その音楽を通じて人々と繋がることの楽しさを知りました。

当時は「生きるために何をすべきか」という不安ばかりが頭にありましたが、ウクレレを教え始め、徐々にコミュニティが形成される中で、一人ひとりの笑顔や感謝の言葉に救われていきました。音楽を通じて、人の心を温かくすることができる。それは、自分が想像していた以上の喜びでした。「教えること」と「学ぶこと」が同時に存在するその場は、私にとってかけがえのないものとなりました。

失業は辛い経験でしたが、それがなければ今の私はいなかったでしょう。あの時、自分の力を信じて新しいことに挑戦する道を選びました。そして、ウクレレ教室を通じて、地元の人々との交流を深めていきました。ネットで曲を販売し始めたのも、思えば「何かを与えたい」というGiveの精神からでした。自分が経験して得た知識や技術を、他の人たちと共有することで、自分も成長することができました。

そして何より、この経験から学んだことは、「どんな逆境にあっても、前を向いて行動し続けることが大切だ」ということです。今この瞬間にも、多くの人が困難な状況に直面しているかもしれません。けれど、失ったものに目を向けるのではなく、そこから何を得ることができるのか、どんな新しい道が開けるのかを見つめてほしいと思います。あの時、私がウクレレを手に取ったように、今を生きる全ての人にとっての「新しい一歩」が必ずあるはずです。

未来は必ずしも計画通りにはいきませんが、行動することで道が開けることを、私は身をもって知りました。だからこそ、今困難に直面しているあなたへ、「恐れずに、新しい挑戦をしてみてください」と伝えたいです。そして、その道の先にはきっと、あなたにとって予想もしなかった素晴らしい出会いや経験が待っているはずです。

過去の自分が不安を抱えていたからこそ、今の自分がある。そして、その経験を通じて得たものを、これからも誰かに与え続けていきたいと思います。私たちの人生は、一つ一つの経験が繋がってできています。そして、その全てが意味を持ち、私たちを前に進める力となります。

共に、前を向いて進んでいきましょう。「音楽や!」という言葉が、私に新しい希望を与えてくれたように、あなたにも必ず希望の光が見えてくると信じています。

最後まで読んでくれたありがとう!

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