自分語りな自己紹介~少年期2~
深層は闇の中。何だか小説か何かに登場しそうなタイトルですね笑。そんな”出来事”もあったね程度で終わりです。ただ一言「ごめんなさい」で終わってしまったのです。僕の心はぽっかりと穴が空いたままでした。
ぽっかり空いた心はそのままに、下校したらすぐに”皆”がいる”そこ”に向かうのが、僕の日課になっていました。相変わらずの顔ぶれに、タバコの煙、嗅ぎなれた香水の香り。泣いたり笑ったり。僕にとって居心地の良い”そこ”は、まるで自分の家の様な、家族と居る様な、全てがある様な、とても不思議な空間だったのです。
そんな毎日を過ごしていた、小学校もそろそろ卒業を迎えようとしていた6年生の真冬の夜中です。更なる悲劇が僕に訪れます。やけに家の中が騒がしく目を覚ましました。「ばあちゃんが危ない」父親の一言でした。
一瞬何が何だか解らずそのまま寝てしまったのを覚えています。
翌朝、起きると家には母と兄の2人だけ。夜中の父の一言を思い出し、状況が解らないので確認。「昨晩、おばあちゃんが倒れてね。皆で病院駆け付けたんだけど・・・」と母。
駆けつけて何?ばあちゃんどうなったの?死んじゃったの?ねぇ・・答えてよ・・・
「くも膜下出血っていう頭の血管が切れちゃう病気でね・・・」
うん、それで?それでばあちゃんどうなったの?
「死んではいない。だけどもう身体動けなくなるし、話できなくなるかもって先生が・・・」
何で?この間まで元気だったじゃん!話したし、小遣いもらったばっかだよ!そんな事になる訳ない・・・
小さい頃、僕がまだ保育園に通ってた頃、小学校入学したての頃。ずっと一緒にいてくれたばあちゃん。口が悪くて、ぶっきらぼうで、お酒が好きで、踊りが上手くて、三味線弾いててかっこよくて。
最後の最後まで僕の心配してくれたね。ねぇばあちゃん、覚えてる?
術後の経過がよくてさ、一般病棟に移る前。僕に「制服かっこいいな。大事に着るんだぞ」って。無菌服と制服間違えるなよ。なぁばあちゃん・・・
僕が中学校に入学する年の2月に大好きなばあちゃんは遠くへ行ってしまいました。
*ここからは結構“過激”な内容の描写になります。悪しからず(汗)
中学校入学と同時に僕は所謂”不良”になります。
今でいう”東京リベンジャーズ”みたいな世界観といえば分かりやすいでしょうか。ヤンキーって奴です。
周りには元々そういう仲間が沢山いてくれたので(笑)
髪を金髪に脱色し、短ラン、ボンタン・・・(昭和丸出しです)
学校にはほとんど登校せず、街に繰り出したり、たまり場でタバコ吸ったり誰かが盗んできた原付バイクを乗り回したり。
この頃には体力も付いたのか小児ぜんそくの発作は、ほとんどおきなくなっていました。
朝も夜も”仲間達”とつるみ只々楽しくて、好き勝手な事ばかりして過ごしていました。”ぽっかり空いた心の穴”を埋めていくかの様に・・・
そんな事ばかりしていると、やはり”面白くない”と思う人達が登場してくるわけです。本当にマンガの世界です。僕たちみたいに、ただ学校に行かなかったり、タバコをふかして悪ぶりしてるだけではない、なんて表現しますか・・・「本物」に目を付けられてしまったのです。
そうです。「暴走族」です。完全に詰みです。経緯を詳しく話ますとこうです。
”いつもの”たまり場にいる仲間の中に高校生の仲間が何人かいました。
その仲間の1人が通う高校に”暴走族”のメンバーが何人かいて、チームに入る様に誘われたらしいのですが、ちゃんと断らずあやふやにしていた様なのです。チームに入らず目立つ格好、好き勝手にやっている。
それは面白くないはずですね。”圧倒的”な団結力のある「本物」と、気まぐれで集まる「不良気取り」が対等であるわけがないのですから。
”ケンカ”?”抗争”?いえいえ笑。ぐちゃぐちゃです。一方的です。一瞬でした。「この人達本当に高校生?」と思うくらいの体格、眼光、凶暴的攻撃。
痛みなんて感じてる暇がないんです。次から次へと全身に浴びる殴打の嵐。
悲鳴にも似た唸り声。「やめて!死んじゃう!」女の人の声でした。
「あ?殺しに来てんだよ。これだけじゃ終わらせねーよ。なぁ?」
更に攻撃を加えます。「許してください・・・勘弁してください・・・」
「あ?何?聞こえねーよ!チームに入りたい?もう1回テメーの口から言え!チームに入れて下さいってよ!」
「チームに・・チームに入ります!勘弁して下さい・・・」
原チャリとは全く違う”別物”から、ゆっくり降りてくる”その男”が言います。「明日、ここにいる全員、頭丸めてもう一度俺の所に来い。」
後に僕達の「総長」となる”その男”は単車の爆音と共に去って行きました。
痛いなんてもんじゃありません。激痛です。殴られている間は痛くないんです。不思議と。「アドレナリン」が出ていますからね。
興奮状態から覚めると身体のあちこちに激痛が走ります。血塗れの口の中、
曲がった鼻からぽたぽた垂れる続ける赤黒い鼻血、攻撃から身を守るためにできたであろう、腕、ひじの防御痕。毟られた髪の毛にまみれた、たん瘤。
僅か3人にその日いた僕ら8人全員が潰され、降伏したのです。
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