Anycaの終わりと個人間カーシェアの未来
個人間カーシェアサービスのAnycaがサービス終了を発表しました
発表時点で新規登録の停止、車検切れのクルマや免許の有効期限切れユーザーの更新も受付終了ということで、ご無沙汰だったユーザーが「えっ!」ってなった頃には何も出来ないという状況でした。
最後に駆け込まれても困るって感じですかね。
私はオーナーとして100回以上のシェアをしていました。
ドライバーとしても、色々なクルマに乗ることが出来て楽しかったです。
レンタカーでは乗れないような強烈な個性のあるクルマに乗れるのがAnycaの魅力でしたね。
特にバーキン7やModel Xは凄い体験をさせてくれました。
また、Anycaは運営側が積極的にイベントや交流会を行って、サービスを盛り上げようとしている姿勢が印象的でした。
まぁ、イベントがあるのは首都圏ばかりで参加出来る機会はなかなか無かったんですが…。
なので、個人規模でユーザー交流会を主宰したりしていました。懐かしいな…。
もう5年ほど前、2019年ごろです。
地方で精力的に活動していたことを評価され、4周年記念イベントに招待頂き表彰された事もありました。
2020年以降はコロナをきっかけに、そういったイベントはなくなってしまって、そのまま勢いが衰えていったような印象があります。
私もオーナー業をこの辺からお休みする事になり、そのままサービス終了となってしまいました。
オーナーとして愛車をシェアしなくなった理由は、収入に対してリスクが大きすぎる点です。
そもそも、維持費をドライバーとシェアしてその分のお金をもらうシステムなので、基本的に維持費以上にお金が入ってくることはありません。(あったら法に触れるので)
1日7000円ぐらいでシェアしていたんですが、消耗品費用が1km当たり5円ぐらいかかるので、300km走ったら1500円は消耗品で消えて、当然Anycaに支払う手数料も取られるので、手元に残るのは数千円?
その数千円で、毎回車内清掃や洗車、クルマの使い方説明などをやると考えると正直割に合わないんですよね。
「どうしてもクルマを持ちたいけど、維持費に困っている」とかじゃない限りは、なかなかしんどい。
今やってる3Dプリント部品の販売なんか、家で作ってネットで売って、ポスト投函で発送するだけで1日数千円とか貰えるわけですよ。
そう考えると個人間カーシェアで収益取るのはリスクと手間が大きすぎる。
ここで言うリスクは、クルマの破損や盗難のことで、サービス終盤ではその辺を手厚くした保険が登場したりしました。
まぁ、その分手数料が上がってしまうので、時間単価の高いクルマじゃないとやってらんねぇという感じでした。
面白いサービスだったんですけどね~~。
やっぱりオーナー側のリスクがデカすぎて、そこのケアをしようとすると保険料や手数料を上げる事になって、リスクが低減されるものの収入が目減りするのでオーナーが離れていって…という負のスパイラルがあったのかもしれません。
モノ言うのは金ですよ、金。
個人間カーシェアサービスは色々出て来ては廃れていく中で、Anycaは多分赤字を垂れ流しながらも長期間かなり頑張っていたのですが「目標に遠く及ばずサービス終了」ということなので、DeNAの規模で収益を上げられないのなら、やっぱ個人間カーシェアというもの自体が無理ゲーなんじゃないのかな~~~~と思います。
ちょうどテスラがロボタクシーを発表しましたが、既存の車両も使っていない間にタクシーとして提供する構想があるそうです。
こういうのが当たり前になった頃には、個人間カーシェアの未来に光が見えてくる…のかも?
Anycaは色々な人との繋がりを作ってくれました。
またどこかでお会いしましょう。