Atomic Designを組織にインストールする「Atomic Organization」

HokusaiというNFTのインフラを開発する会社で代表をしている原沢です。この記事では、組織の話をします。Atomic Designを組織にインストールすると組織の責任と権限と構造を理解しやすくなり、迅速な意思決定と執行を補助するメタ的なフレームワークになるのではないかと思い、Atomic Oraganizationと名前をつけて試行しています。

Atomic Organizationは、Atomic Designの考え方を組織の指揮命令系統と権限に応用する考え方です。Atomic Organizationを会社組織に導入することで、個人・チームメンバー・事業部・企業すべての指揮命令系統と権限を明確にし、迅速な意思決定と執行を補助する役割を担います。また、Atomic Organizationの考え方は抽象化して他の組織に転用させることができます。

Atomic Designとは

Atomic DesignとはUIデザインなどでよく活用されるデザイン設計のフレームワークであり、デザインパーツを原子(Atomic)<分子(Molecule)<有機体(Organization)<テンプレート(Template)<ページ(Page)の5分類に分けることで、再利用性が高い形でデザインできる考え方です。

Atomic Designに関する記事は言語問わずいくつもあるため、以下に参考になりそうな記事を列挙しておきます。


Atomic Designを組織にインストールする

ここからは、Atomic Designの概要を理解したことを前提に話を進めます。まず、原子→ページの流れを変更します。

Atomic Design: 原子(Atomic)<分子(Molecule)<有機体(Organization)<テンプレート(Template)<ページ(Page)

Atomic Oraganizaitonでは、各要素を以下のように定義します。

原子:期日、投入時間、金銭的リソース、完成物の要件
分子:スプリント、ワークフロー
有機体:業務全体
テンプレート:業務テンプレート、組織テンプレート
組織:個別具体的な組織

原子(Atoms)

まず、原子要素となる要素についてです。期日、投入時間、金銭的リソース、タスクそれぞれが原子レベルの要素となり、これらが組み合わさってスプリントやワークフローが生まれます。原子レベルの要素は仕事における最小単位であり、ほとんどの仕事において日常的に確認されます。

これらをもれなくスプリントやワークフローに組み込むことで、もれなく仕事を終了させる確率を上げることができます。


分子(Molecules)

原子レベルの要素を組み合わせると、スプリントやワークフローが生まれます。これらは原則、週次で管理・メンテナンスされるものであり、業務内容によってスプリント(定期的に業務を確認して検証を短期間で繰り返すもの)やワークフロー(あるトリガーが発生したら業務を遂行するもの)に分類されます。

これらを適切に回すために定例会議を設けたり、スプリントあるいはワークフロー用のドキュメントが設けられたりします。


有機体(Organisms)

Atomic Oraganizationの有機体レベルとは、分子レベルが集合した業務全般になります。Hokusaiを例に挙げると、Bizdevスプリント・Devスプリント・CXスプリントすべてを合わせたものを「業務全体」と呼びます。


テンプレート(Template)

Atomic Designはテンプレートという要素が用意されていますが、Atomic Oraganizationも同様に組織用のテンプレートを構成します。これはAtomic Oraganizationを利用した組織を立ち上げれば立ち上げるほどテンプレートの数は増えていき、Atomic Oraganizationを活用する組織が増えれば増えるほど、組織設計の幅は増えていきます。


組織(Organization)

テンプレートを活用すると、個別具体的な組織が完成します。経営戦略やビジネスモデルや初期メンバーによってそれぞれ特徴を出す必要がありますが、組織テンプレートを活用することで大幅に時間を削減可能です。


まとめ

以前、日本モノバンドル株式会社がやることというnoteで述べた通り、組織もひとつのプロダクトとして、あらゆる粒度で再現性の高い組織を構築できるよう、機能的な組織を志向して運営します。また、これから組織を改善するためのサイクルを回し、多様なビジネスモデルに対応可能な柔軟性の高い組織を作って参ります。

また、Atomic Organizaitonについてなにか質問や類似例をご存知の方は、ぜひTwitterまでご連絡いただけますと幸いです。


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