情報化時代の流れに沿った組織の指揮統制
はじめに
日本モノバンドル株式会社の原沢です。この記事では、情報化時代の組織の指揮統制について記載します。弊社は、コロナ禍の中で設立された会社という背景を持っています。
当社は全職種フルリモートワークという働き方を採用しています。エンジニアだけでなく、広報、バックオフィス、事業開発担当、全てがフルリモートワークです。
現時点で1兆円以上の規模のビジネスをやっている会社は、当然コロナ禍での会社設立をしていない、インターネットがほとんどどこにでもある状態ではなかった、という大きな環境要因の違いがあります。
世界的な大きなパラダイムシフトが起こっている途中で設立された会社であり、インターネットも成熟しているため、グリッドコンピューティングの概念を応用したNCW(ネットワーク中心の戦い)をビジネスに転用し、情報化時代に適した組織の指揮統制を導入する試みをしています。
地理的な分散を前提としたコミュニケーション
情報化時代では、チャットツールを使って1対nのコミュニケーションが無料で導入可能です。そのため、紙で伝える必要性がありません。人々の精神的にも「zoomで」「Google meetで」と言うストレスも減ってきたため、技術でできることに対してメンタルの方が追いついてきた、と言うことができます。
notion、google docsなどのドキュメントツールによって非同期的なコミュニケーションが円滑なのはスマートフォンが出てきてから少しずつ浸透しました。これが近年、コロナウイルスの影響によってzoomなどの心理的障壁が一気になくなったことで、同期的なコミュニケーションに関しても遠隔で問題なくできるようになりました。
非同期的なコミュニケーションと同期的なコミュニケーションがなされれば、あとは人のモチベーションさえどうにかすれば良いため、実態としてリモートワークが導入できるようになった、ということになります。
ルールや取り決めは完全にドキュメントツールに記載する(記載していなければ実際に存在しなかったことになる)ため、情報が浮いていることや議事録漏れということが非常に少なくなり、情報をアップデートするコストが低くなります。
この地理的な分散を利用することで、1億2000万人だけを対象とした採用活動ではなく、地球上の76億人を採用対象にすることができます。1億2000万人から100人を募るのと、76億人から100人を募るのでは後者の方がおそらくレベルが高いので、現在進行形で最初から世界で戦えるチームを作れるよう必要なことを進めています。
人よりネットワークを育てる
この言葉は語弊を生みそうなのですが、言い直すと「ネットワークを育てた方が人が育つ」という仮説です。人間はコミュニティに属すと誰しもが「よく話す人」「そこそこ話す人」「あんまり話さない人」「全然知らないがコミュニティにいる人」に分かれ、それぞれの仲の良さで無意識に共有する情報にフィルターをかけてしまいます。
しかし、ブロックチェーンを含むインターネット領域のビジネスにおいて、情報は血肉に等しく、人は情報があるかないかで全く異なる意思決定をします。
また、ブロックチェーンコミュニティでは特に顕著ですが、コミュニティが育つと勝手に広報やマーケティングを手伝ってくれるようになり、サービスが自然に育つ、ということもあります。
従来のコミュニティはただ応援する人を囲うためのファンクラブのようなものが想定されていましたが、ブロックチェーン業界で指し示すコミュニティは開発者集団であり、マーケター集団であり、営業集団です。
人に情報を与えることで「情報が足りなかったのか」「情報から仮説を立てる力が足りなかったのか」「仮説をアウトプットに変える力が足りなかったのか」などが明らかになることで改善しやすい状態を生むことになり、それを文書化することでエコシステム全体の学習に昇華することができます。
「人を育てる」と言うと非常に曖昧な言葉になってしまいますが「間違わないために必要な情報を開示し、必要であればどこまでもアクセスできる権利を与える」ことで、その人が持っているスキルやマインドのアウトプットや学習機会の効用を大きくできる可能性があり、それを実践しています。
全体に情報を公開し、その情報にアクセスしやすくする(ネットワークを育てる)ことで、総合的に見て戦力化までの時間を短縮し、集団としてのアウトプットの質と量を高めることができます。
当社では「スタンドアローンでも動ける人が多い」という声が上がってきています。ネットワークに大きな影響力を持つ強いノードが必要な時に情報を引き出せる状態を作れるよう、創業期から情報システムと採用には力を入れています。
デジタルネイティブ・ブロックチェーンネイティブな組織
前述のように、自分でもなんとかできる人たちの間にあるネットワークを強化することで、人が育ちやすい環境を整えます。しかし、前述のような組織で働ける人は限られます。よく選択と集中という言葉がありますが、採用や社内でのインセンティブ設計でも「どんな人が働きやすく、どんな人が働きにくいと感じるか」をシビアに考える必要があります。
これまでは同期的なコミュニケーションはオフィス、非同期的なコミュニケーションはSlackやメールを利用している場合が多かったですが、同期的なコミュニケーションも非同期的なコミュニケーションもオンラインで完結しようとすると、きちんと取り決めを設ける必要があります。
また「地理的に分散していることが前提」であれば、日頃からインターネットに触れている必要があります。人とコミュニケーションをノードとネットワークの関係に置き換えることを早く理解するには、ブロックチェーンの仕組みもしくは複雑系の概要を知識もしくは経験として認知している必要があります。
当社では、こういったデジタルネイティブ・ブロックチェーンネイティブな組織を作るための仕組みを構築中です。そのため、早い段階で情報システムと人事に力を入れており、デジタル上でのコミュニケーションを円滑に進められるようにしています。
また、情報化時代の組織では、組織の内外を横断するコミュニケーションを前提とすることでスケールアップを図ります。Hokusai APIは、Hokusai APIを活用してNFTサービスの受託開発やコンサルティングを行う営業パートナーや、Hokusai APIを活用してプロダクト開発を行う個人・事業者とのパートナーシップを積極的に進めています。もしHokusai APIを活用してNFTサービスの開発を行いたいと考えていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ下さい。
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