2021年で学んだことと2022年でやること
この記事は、2020年終わりのnoteが自分の進捗の定点観測的に有効だとわかったため、定期的に執筆するものとして書いているものです。
2021年の振り返り
2021年はJPYCのPMF(2021.1-2021.3)から始まり、同社COOとしての退任(2021.5)、Hokusai APIを運営する日本モノバンドル株式会社の立ち上げ(2021.6)、チームを作り(2021.8-12)、京都支社立ち上げの意思決定(2021.12)など、様々なことを経験させていただきました。(他にも様々ございましたが割愛させていただきます。)2021年に原沢個人やJPYC社、日本モノバンドル社を経由して関わってくださった皆様に感謝申し上げます。
リスクと未来予知
去年のnoteでは本を読み、2021年は商売のセンスを身につけたいというところで締めましたが「気づく・気づかない」以外ではセンスは存在しないような気がしています。商売とは「市場の歪みを利用し、リスクを算定して取りに行くこと」であり、ヘッジされたリスクはリスクではなくなり、センスではなくロジックが必要で、小学生レベルの算数を使えば概算できることがわかりました。
極端なことを言うと、ヘッジされたリスクは未来予知に近いものになります。現在の金融市場では銀行が潰れる際に保険としてCDSが発行されているのと同じように「アップサイドは大きいが、ダウンサイドは小さい位置」というのは存在しており、そういったポジションをうまく使うことでセンスに頼らない商売ができるのではというのが現時点での所感です。
組織のおもしろさと難しさ
逆に、人の成長スピードの不確実性の高さにはおもしろさと難しさを感じています。「期間あたりの成長率が最も重要である」というのは意識していたものの、サンプル数が増える場合や、特にスタートアップのようなキャッシュフロー枯渇までの道がある程度わかっている場合はシビアにならざるを得ない場合もあり、経営を何年もされている先輩方はその事実だけですごいなという気持ちになっています。
成長機会が与えられる確率、成長機会を成長機会と認知できる確率、成長機会を使って実績に繋げられる確率、成長したことを認知して更なる機会を求めようとするまでの時間など、実際に成長して、成長を繰り返すためには様々な要素を考慮しなければならないと思いました。
様々な経験をさせていただきましたが、課題や当時の解決策を考えると上記2つが共通して言えるのではないかと考えています。
2022年にやること
2022年は、Hokusaiをさらに伸ばし、ステーブルコインプロジェクトであるStillGASからのリリースも予定しております。海外に出ることは当然として、日本国内からブロックチェーンドメインの起業家が減る中、日本国内でやれるところはやりたいと考えております。
Web3に適した育成の仕組みを作ること
簡単に言うとブロックチェーン周りの知識をつけた事業開発・エンジニアを育成できる仕組みの構築です。今は「それできるんですか?」と言われますが、できると思っています。Googleは今では誰もが知る検索エンジンと広告の企業ですが、世の中にはその枠で商売をする広告代理店があります。
Web広告の代理店がWeb広告の裏側に使われている金融理論を完全に理解していなくとも、IT業界の人はそれを使ってビジネスをしています。ここで、論点は「それを使って儲かるかどうか」であり、同様のことがWeb3周辺技術でも言えると考えています。この育成システムを再現性のあるものにしたいと考えています。
人材の流動性が高いことを前提としているWeb3では、やり方や考え方を根本から変える必要がありますが、その分やる意味があると考えています。
関係者のモチベーションと能力を上げられるようになる
2つ目は個人のシンプルなソフトスキルになってしまいますが、関係者の能力やエンゲージメントを上げられるようになりたいと考えています。当たり前ですが、No.2としての立場と代表としての見え方もやり方も全く違うことを非常に感じています。
これまでは働きにくさややる気を仕組みのみによって解決していましたが、人を動かすにはそれだけでは足りないことがわかってきました。経済的インセンティブだけでなく、あらゆる側面からモチベーションと能力向上につなげられるようになりたいと思っています。