目指せ売上No1!
【イメージ画 ルドマン様から提供】
アジトのとある場所
"そこ"に1度でも足を踏み入れた者は狂わされたように幾度となく通ってしまう場所があるらしい。
"そこ"には珍しいもの、怪しいもの、兎に角安いもの等、実に様々なものがあった。"そこ"とは……
陽が落ち、闇が完全にアジトを飲み込んでいる。潮風が松明の灯りをそっと撫でている。その灯りの元、1人の男が口を開いた。
「皆、今日も1日お疲れさん。今回の闇市も大盛況だったな!」
主催者のじーまは闇市に参加してくれた店主達を労った。
「お疲れ様でしたー!!」
店主達は終わったばかりのビッグイベントに興奮覚めやらぬ状態だ。
「じゃあ、いつも通り発表するぞ」 闇市が行われた日、売上の順位が発表されるのが恒例となっていた。
「1位……俺!」
拍手と歓声が沸き起こった。
「またかぁ!」
「やっぱすげーなじーまさんは!」
「お前らがまだまだなんだよ!」
店主達は大盛り上がりだ。
「次!2位※ ※ ※、3位※ ※ ※……」
名前が呼ばれる度に歓声が沸き起こる。そしてーー
「最下位は……ルドマン! またか……これで何度目だ?」
3回連続だった。その結果に胸が張り裂けそうだった。
「販売が苦手なら次回からは作業でサポートに回ってもらう」
「待ってください!」
「なら次の闇市で結果を出してみろ。もし3位以内に入ったら……お前を幹部にしてやる」
「本当ですか?」
「あぁ、約束しよう。ちなみに次の闇市は王国のイベントの関係で2ヶ月後になる。それまで商品や値段を研究するんだな」
その真夜中
闇と沈黙が支配する中、ルドマンは自室のベッドで考えていた。
(少しくらい棚を変えた程度じゃ上位に入れないだろう)
他の店主達との差は大きかった。
「2ヶ月か……まず何が売れるのか、売れやすいのか理解しなければ……商品やレシピを1から研究だな。可能ならば各街の卸し業者とパイプを築く事が出来れば仕入れは安定するな。よし。2ヶ月掛けて旅に出よう」
それがルドマンの出した答えだった。
翌日から各街を回った。
街板だけでなく、溜まり場にも顔を出し、人脈を着々と築いていった。
「なるほど。このレシピはこの素材が使われてるから良く売れるのか……」
「この商品は、これだけの条件が求められるから価値が高いのか。しかし供給過多の関係で安く手に入る。これは使えるな」
~2ヶ月後~
アジト街
「ルドマン来ないねー」
黒いドレスの可愛い妖精だ。
「まさか……諦めたか?」
じーまは"信じられない"といった表情でつぶやいた。
その時ーー
「遅れたずやぁ!ちょっと準備に掛かり過ぎたずやぁ!」
じーまは一瞬言葉に詰まったが
「ーールドマン!? 一体何があったんだ!?」じーまは変わり果てた姿に困惑している。
「ちょっと旅に行ってきたずやぁ!」
「……もう以前のルドマンではなさそうだな」
こうして、2ヶ月ぶりの闇市が幕を開けた。
2ヶ月振りの闇市は人がごった返す程大盛況だった。そしてーー
「じーまさんの店は今日も客が一杯だが、ルドマンのとこも負けてねー!」
「この2ヶ月で何があったんだ!?」
そしてーー
「今日の売上を発表する。今日は下から発表してくぞー」
組合員がざわついた。
「15位~、14位~」
次々と呼ばれていく。ルドマンの名はまだ呼ばれない。
「次、3位…………サムセス!」
「よっしゃー!初3位っ!」
「おぉ!ルドマンはまだ呼ばれてないぞ!」
ざわざわざわ
「続いて2位はーー
ルドマン!」
「2位かぁ!ちきしょーずやぁ!!」
悔しかったが、この結果に嬉しくもあった。
「ルドマン、この2ヶ月間色々経験積んだみてーだな。
正直お前の成長には驚かされたよ。
物事っつーのは見ようとしなきゃ見えねーもんがたくさんある。
販売も一緒。棚に置く商品のカテゴリ。値段。レシピに使われてる素材。そしてその素材を手に入れる為の条件とかな。
背景を見ればその商品の内部価値と市場価値のギャップが見えてくる。
今回、それに気付いたんじゃねーか?」
「よし!今日から幹部ずやぁ!」
まるで聞いてなかった。
こうしてルドマンは【ヤバい店主の会】の幹部の仲間入りを果たしたのであった。
「そういや、じーまさん、バトルの溜まり場で気になる事を聞いたずやぁ。 実は……」
「なにぃ!?それはヤバい情報じゃねーか!?」
読んで頂きありがとうございました!
今回はヤバい店主の会、ずやぁ教等、幅広く活動されてる【ルドマン】さんに出演して頂きました!
それと、舞台は闇市ということで【闇市のじーま】さんにも出演して頂きました!お二方本当にありがとうございました!
トップにも書きましたがルドマンさんにはイメージも書いて頂きました!感謝感謝です!
その他の登場した人物、レシピ品全てフィクションです。
忙しくなってきて、最近書けてないですがまた時間がある時は書いていこうと思います!(^o^)