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「新しい生活様式」旅行篇〜オンライン修学旅行の提案

こんにちは、ロコタビの椎谷です。

コロナの影響によって今年の春〜夏にかけて取りやめになった修学旅行が秋以降に延期され、需要が戻ってきているというニュース記事を見ました。しかし、最近のコロナの第2波によって、キャンセルが増えるのではないかと懸念されています。

記事の最後では、観光協会の理事の方が「新しい修学旅行のモデルを構築しなければならない」という内容で締められていました。

そこで今回、より具体的にこのコロナ禍で実現可能な「新しい修学旅行モデル」について提案ができればと思います。

オンライン旅行という「三密回避方式」

前回、「新しい生活様式」旅行篇の「三密旅行」について書きました。

マイクロツーリズムのように、出来るだけ三密を回避した旅行をするという方法はありますが、団体利用などは三密が避けられず、「オンライン化」によって三密回避の旅行を実現するという内容です。

既に、多くの会社が「オンライン化」に取組んできていますので、「オンライン旅行」の選択肢は増えてきています。

一方で、利用者はどうしても個人になりがちで、団体やグループで「オンライン旅行」をすると言った事例はあまりありません。

ロコタビでも今週から、日本全国の放課後児童クラブ145クラスで、この夏コロナによって夏休みの期間が減ったり、旅行にも出かけられていない子供たちに向けて「オンライン海外旅行」を届けるというイベントが、団体向けとしては初開催となります。

修学旅行は生徒が決める

私の通っていた高校では、修学旅行は生徒が決めるというルールがありました。修学旅行に参加するか、開催するかどうかも含めて、生徒側がボールを持っているというだいぶ変わった方針でした。

まず、生徒たちがどんな修学旅行をしたいのか企画をし、複数の企画案が提示される。その中から生徒たちの投票でいくつかの修学旅行案に絞り込まれます。学校行事なので、実現可能性やリスクなどは学校側(引率の先生達)で話し合われ、Goが出たら、具体的な修学旅行の日程や内容、予算などを生徒と先生が一緒に決めていくというものです。

一般的に、旅行先の野外活動として複数グループに別れて行動するということはあっても、修学旅行先は原則一つで、旅行先が複数ということは少ないかもしれませんが、その学校では、修学旅行先や内容、期間、予算もバラバラで3〜5くらいの修学旅行が毎年行われていました。

私が参加した修学旅行は、カヌーで四万十川を下るという企画で、実際に上流からカヌーを使って海まで行くというものでした。他のグループは、特定の出発地からゴールまで何日間もただ歩き続けるという企画や、ベタな修学旅行先に行くという企画もあります。

重要なのが、生徒が自分たちで修学旅行を企画して、自分たちの投票で修学旅行先が決まっていくということでした。

生徒が自らで考える「オンライン修学旅行」の提案

その経験から、今回「新しい修学旅行モデル」として、生徒が自らで自分たちの学びの場を組み立てていく「オンライン修学旅行」を提案したいと思います。

今、日程、予算、そしてコロナ禍で三密を避けるという様々な制約条件があるなかで、学校側が例年通りの修学旅行を実施するには、大きな困難をともないます。

参考記事:修学旅行、行き先はどう決まる?学びの費用は全体のわずか10%~みんなの修学旅行~
「修学旅行先が決まると、保護者に対して説明会があります。そこでは『なぜそこに行くのか?』という質問を保護者の方々が必ずします。修学旅行は遊びではなく学びの場ですから、学校としてもまずは納得・理解してもらえる場所を選ばなければいけないのです」
 修学旅行の学び以外にかかる費用の割合の多さを憂う竹内氏
 そしてもう一つ影響を与えるのが、交通の便だという。
「交通の利便性というのは非常に大きいですね。公立の場合、中学校の場合は2泊、高校の場合は3泊が最も多く、予算も上限が決められています。ですので、飛行機が使えない場合は発地によっていける範囲が限られてきますから」
「交通の利便性というのは非常に大きいですね。公立の場合、中学校の場合は2泊、高校の場合は3泊が最も多く、予算も上限が決められています。ですので、飛行機が使えない場合は発地によっていける範囲が限られてきますから」

「修学旅行」は遊びではなく学びの場という前提で考えると、物理的に移動するというコトを当たり前と思わず、今までの制約を取っぱらって考えてみてはどうでしょうか。

そう考えると、修学旅行を「オンライン」でやるという選択肢も入ってきます。

オンライン修学旅行」のメリットは、場所の制約にとらわれないため、移動に関わる費用が大きく下がるということです。移動と予算の制約が減ることによって、今までできなかったことも可能になります。

「オンライン修学旅行」の流れ

もし自分がロコタビを使って「オンライン修学旅行」をするなら、こういう流れで進めるというイメージです。

ロコタビは、「海外在住日本人(ロコ)とつながってあなたの『したい』が叶う」というコンセプトのサービスです。
海外と関わる日本人が、海外で何か「したい」事があったときに、現地在住日本人ロコの力を借りて、「したい」を実現させていくことができます。
例えば、ジブリ映画「耳をすませば」に登場する男の子が、ヴァイオリン職人になると言って、ヒロインに別れを告げ旅立った先の街(イタリアのクレモナ)に行って、ヴァイオリン工房を見学したいと思ったとします。
ロコタビで、クレモナ在住の日本人を探して、ヴァイオリン工房見学を依頼すると、ヴァイオリン博物館勤務のロコが知り合いの工房に話をつけて、ヴァイオリン工房見学をすることができます。
実際に先日行われた「オンライン海外旅行」イベントでそれが実現されています。
詳しくはイベントレポートをご覧ください。

生徒が自ら企画して、様々な修学旅行先に行き、自分たちがしたいことを体験します。その経験をフィードバックし、クラスの皆と共有するという流れが「新しいオンライン修学旅行」です。

1)アイデアを発表する
  -生徒たちが修学旅行のアイデアを考え、企画案を発表する

2)チームを作る
   -参加してみたい企画案に投票し、選ばれた修学旅行企画チームに入る

3)企画を具体化する
   -チームの仲間と自分たちの修学旅行の内容を作り込んでいく
   -どこで何を、どのくらいの費用で実現するかの計画を立てます

4)オンラインで相談する
   ※ロコタビでは、現地の人(ロコ)に相談するのは無料でできます
   -企画の具体的な相談をしながら、修学旅行の詳細を決めていきます

5)オンライン修学旅行を体験する
   -実際に「オンライン修学旅行」をロコと一緒に体験します
   -期間は、1時間〜1週間など企画の内容によって変わります

6)フィードバックする
   -各チームが自分たちが体験した「修学旅行」のレポートまとめる
   -レポートを発表し、周りからの反応を受け取る

コロナによって可能になったこと

今回コロナによって多くの困難が起こりました。

一方で、今までは実現が難しかったり、普及が進まなかったような事が、コロナによって可能になったという事実もあります。

Zoomを使ってオンラインミーティングや、オンライン体験をすることは、以前は一部のインターネット企業やITマニアくらいしかいませんでした。しかし、いまではZoomを使って、テレワークや副業が当たり前のように行われています。

今回提案した「オンライン修学旅行」も、今までであれば想像もしなかったようなアイデアかも知れません。しかし、現実問題として多くの学校が修学旅行を中止や延期している中で、学校生活の集大成として行事を簡単に無くして良いのでしょうか。

もし「オンライン修学旅行」に興味のある学校関係者、学生の方がいましたら、何か、お手伝いできることがあるかもしれません。

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