今日は何の日?7月28日は,カール・ポパーの生まれた日!
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概要 このページでは「今日は何の日?」をテーマに,今日生まれたひとは,今日あった歴史的出来事について書いていきます。昔のことを思い出し,それを題材に周りのひとと会話するきっかけづくりにお使いください。毎日提供!(たぶん)
今日は何の日
7月28日は,サー・カール・ライムント・ポパーの生まれた日です。
ポパーはイギリスの哲学者です。
仮説というのは,例えば自然や人間の心がある法則にしたがっているという考えのことをいいます。仮説は人間の頭で考えて出てきたものであって,必ずしも自然のありようと仮説とが一致するわけではありません。仮説は実際にテストをすることで,その妥当性がテストされていきます。妥当である仮説は残り,妥当ではない仮説は捨てられてます。そうして,より自然のありようと一致するような仮説をみつける作業が続きます。こういう営みのことを科学といいます。
科学的な仮説というのは,テストできるものであり,反証可能性があるものをいうとポパーはいいます。
反証可能性のある仮説というのは次のようなものをいます。ある仮説をテストするために,実験をしたとします。仮説が間違っている場合はどのような結果になるかがはっきりしている仮説を反証可能性がある仮説といいます。
仮説が間違っている場合に,どのような結果が得られるかわからない仮説がありえるのだろうかと思われましたね。意外に多く,例えば,身近な例でいえばオカルトなんかがそうです。
オカルトというのはこういうものをいいます。目に見えない世界がある。私たちふつうのひとにはそれに気づかない。けれど,特殊な能力をもったひとにはそれに気づくことができる。占いなんかもそうですし,予言なんかもそうですね。
予言でいえば,例えば,2024年の7月に世界が終わるという予言があるとします。その予言の確からしさは,2024年8月に世界が終わっていなかったら確かめられそうですが,予言者はおよそいいわけをします。例えば,2024年の7月に世界が終わると私が予言したところ,世界のひとびとが自分の行いを悔い改めることで予言が回避されたなどです。こういう言い訳がされると,その予言の確からしさはテストできなくなりますね。こういうのを反証可能性のない仮説といいます。
それはオカルトだけのはなしかといえば,そうでもなく,ポパーは例えば心理学者でいえば,フロイト,アドラー,ピアジェの説には反証可能性がないと指摘しています。いずれも心理学で大きな影響力をもつひとびとです(故人になった今でさえ)。ユングの説もまたポパーの考えでは反証可能性はありません。
エチカを書いたスピノザは,理性を高めることが至福へとつながると言いましたが,反証可能性のない説と金泥することは,理性を曇らせるものになるでしょう。
けれども私たちは小説を楽しみますね。フィクションとして。同様に,フロイト,アドラー,ユング,ピアジェも一種の小説として楽しめばいいのではないでしょうか。
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