正誤判別問題攻略法【Mission 17】
▼早速,今日の Mission に挑戦しましょう!
=Mission【17】=
▼各問いに答えなさい。
[001] 日本文(a)の意味を表すように,英文(b)の誤りを正し,その全文を書きなさい。
(a) あれが私が少年時代に住んでいた家です。
(b) That is the house which I lived in my boyhood.
(帯広畜産大学)
[002] 次の英文の[ ]内から誤りのある箇所を1ヶ所指摘しなさい。
Good planning will [result in] [finding] a job [which] you [can be] proud.(北里大学)
[003] 次の英文の[ ]内から誤りのある箇所を1ヶ所指摘しなさい。
I [cannot but] respect a man who is engaged [in] work, [whatever] it may be, [which] he is willing to devote his life. (獨協大学)
[004] 次の英文の[ ]内から誤りのある箇所を1ヶ所指摘しなさい。
[The breed of which gives] [the most milk is the Holstein-Friesian,] [which] [comes from Holland].(東京農業大学)
▼解答・解説は下にあります。
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=Answer【17】=
▼今回の共通テーマは,「〈前置詞+which / whom〉の区別」です。
▼〈前置詞 + which / whom〉のかたちの場合,大きく分けて以下の2通りの可能性があります。なお,以下の解説を読む前に,Mission 16 の解説を必ず読んでおいてください。
(1) 前置詞+関係代名詞
→後は「完全な文(これ以上,名詞を入れる余地がない文)」
→この場合,前置詞の前からが従属節(形容詞節)。
ex-1) This is the house [in which he used to live].
(これが彼が住んでいた家です。)
ex-2) We got to a hill [at the foot of which stood a deserted factory].
(私たちは,ふもとに打ち捨てられた工場がある丘にたどり着いた。)
→〈at the foot of A=Aのふもとに〉という表現が用いられている。at the foot ofを1つの前置詞として扱うことで〈前置詞+関係代名詞〉のかたちになっていると考える。
※なお,次のように〈名詞+前置詞+which/whom〉で一つの名詞のかたまりになっていて,それが後の文の主語や目的語になっている場合,後は不完全な文(必要な名詞が1つ欠けている文)。
cf.) I saw a group of hikers, some of whom were my students.
(私はハイキングをしている人たちのグループに出会った。彼らの何人かは私の学生だった。)
→some of whom は some of them の them(=the hikers)を関係代名詞 whom に変えたもの。この場合,some of whom が1つの名詞のかたまりとして were の主語になっていると考える。
(2) 前置詞+疑問代名詞
→後は「不完全な文(主語・目的語・補語のいずれか1つにあたる名詞が欠けている)」
→この場合,前置詞の後からが従属節(名詞節)。
ex) We were quarreling as to [which was the stronger].
(私たちはどちらが強いかについて言い争っていた。)
→to which の後には was の主語がない。この場合,which が was の主語になるなので,which が前の to とはつながらない。
→(2)の場合,疑問詞になるため,which なら「どちら」,whom なら「誰(に/を)」と訳さねばなりません。
▼which / whom が関係代名詞であるにせよ,疑問代名詞であるにせよ,2つの節(V=述語動詞を含むかたまり)を結んでいるので,2つの節を分けて考える,という方法もあります。
ex) This was the fact of which he was not aware.
→This was the fact / of which he was not aware.
→ This was the fact. + He was not aware of it.(which を it に直す)
(これがその事実だ+彼はその事実に気づいていない)
▼もし,この文の of と which を切り離したら,
*This was the fact of / which he was not aware. …×
となってしまいます。which は 後にあった代名詞が変身して前に移動したものですが,he was not aware のどこにも名詞が抜けた形跡はありません。
[001] That is the house in which I lived in my boyhood.(又はThat is the house where I lived in my childhood.)
[002] [which]→[of which]
[003] [which]→[to which]
[004] [The breed of which]→[The breed which]
[001] which の後は「不完全な文」になりますが,この文は,I が S,lived が V,in my boyhood が M(修飾語句)で,liveは自動詞なので,これ以上名詞が必要のない「完全な文」になっています。よって,which を関係副詞の where に直すか,〈前置詞 + 関係代名詞〉の in which に直します。(※This is the house which I lived in in my boyhood. としても正解ですが,inが2個重なるため,文の体裁があまり良いとは言えません。)
[002] which の後は「不完全な文」になりますが,この文は,you が S,can be が V,proud が C の完全な文なので,〈be proud of~=~を誇りに思う〉の of を用いて of which とします。
訳:きちんと計画を立てれば,自分が誇れる仕事を見つけられるでしょう。
[003] which の後は「不完全な文」ですが,he is willing to devote his life は,これ以上SもOもCも必要がない「完全な文」です。そこで,〈前置詞 + 関係代名詞 which〉のかたちに直します。devote という動詞は,〈devote A to B=AをBにささげる/AをBに没頭させる〉という使い方をするので,ここでは to B の部分を to which に直して前に出したものだと考えます。
訳:どんなものであれ,生涯を進んで捧げようとしている仕事に従事している人を私は尊敬せざるを得ない。
[004] 〈前置詞 + 関係代名詞 which / whom〉の後は「完全な文」ですが,この文では gives の主語がありません。仮にこの文が正しいとすると,which が gives の主語になり,〈which gives the most milk〉が一つの名詞節(前置詞 of の目的語)となるため,which は疑問代名詞で「どちらが最も多くの牛乳を出すか」となってしまいます。よって,of which の of を取って,関係代名詞の which にします。
訳:最も多くの牛乳を出す品種はホルスタインである。これはオランダ原産だ。
=Lesson【17】=
〈前置詞 + which / whom〉は,後が「完全な文」か「不完全な文」かによってwhich / whomの用法が変わり,訳も変わってしまう。疑問詞なのか関係代名詞なのかを見極めよう。