正誤判別問題攻略法【Mission 32】
▼早速,今回のMissionに挑戦しましょう!
=Mission【32】=
▼次の英文の[ ]内から誤りのある箇所を1ヶ所指摘しなさい。
[001] If you [had been] here I [can have] received [the prize] [from] the director.(上智大学)
[002] If you [learned] [of] that fact last year, you [would probably] have [quit smoking] [by] now.(慶應義塾大学)
[003] Without [the concerted efforts] of environmentalists [during] the 1970s and 1980s, it is possible that [both] the bald and the golden eagles [will have] become [extinct].(北里大学)
[004] This morning I left [much] earlier than [usual]. [Otherwise], I [would miss] my train.(東邦大学)
[005] A: David has [finally] decided. He's going to [study abroad] next year.
B: Oh, [is he]? I wish I [can] go with him.(南山大学)
▼解答・解説は下にあります。
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=Answer【32】=
▼今回の共通テーマは「仮定法」です。
▼英語には,基本的に3種類の「法(mood)」があります。この「法(mood)」とは「法律」の意味ではなく,「気分・雰囲気」という意味で,話し手や書き手が,ある行為や状態についてどのような気持ちで話したり書いたりしているかを表すものです。
▼まず,3種類の法を確認しましょう。
[1] 直説法(叙実法):事実モード
→「いま,私が述べているのは〈事実・現実〉である」という気持ち
[2] 命令法:命令モード
→「いま,私が述べているのは〈命令である〉」という気持ち
[3] 仮定法(叙想法/仮想法):妄想モード
→「いま,私が述べているのは〈事実から切り離された『想い(空想・想像・妄想)』〉である」という気持ち
⇒時制を過去にずらすことで「現実味の無さ」を表す。
▼例文で確認しましょう。
ex) If I am a bird, I can fly.
→この英文では,「私が(事実として)鳥になったら,私は(事実として)空が飛べる」という意味になります。どう考えても人間は鳥にはなれませんから,「これはあくまでも,事実とは無関係の空想(妄想)なんだけどね…」としなければなりません。日本語の場合,「ぼくが鳥なら空が飛べる」という表現(空想)と「明日晴れたら野球をする」という表現(事実)の違いは,「常識的にわかる」ものかもしれませんが,英語では,この2つについては動詞の時制を変えることで,見た目ではっきりとわかる区別をします。
▼仮定法では,「現実味の無さ」や「可能性の低さ」を表すために,時制を1つ過去にズラして表現します。
[1] 現在のこと→(仮定法)過去
[2] 過去のこと→(仮定法)過去完了
▼よって,先ほどの英文の場合, "If I were a bird, I could fly." と表現します。
▼もし,「私が(過去において)鳥だったら,空を飛べたのに」というように,過去のことについての空想・想像・妄想を述べる場合には,以下のように過去完了形を使います。
ex) If I I had been a bird, I could have flown.
▼なお,ifがついている方を「条件節」,その結果を述べたものを「帰結節」と呼びます。仮定法の帰結節には原則として必ず,過去形の助動詞(would / could / might / should)が含まれていなければなりません。
※例外:条件節で「万が一」を表すshouldが使われている場合,帰結節は直説法・命令法・仮定法のどれでも使えるため,帰結節に過去形の助動詞が含まれていないことがあります。
ex) If you should fail again, you'll be fired.
(万が一,もう一度失敗したら君はクビだよ。)
▼また,仮定法ではifを省略することがあります。その場合,条件節は必ず主語と動詞の語順を入れ替えた〈倒置〉にしなければなりません。
ex) If I were a bird, I could fly.
→ Were I a bird, I could fly.
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[001] [can have]→[could have]
[002] [learned]→[had learned]
[003] [will have]→[would have]
[004] [would miss]→[would have missed]
[005] [can]→[could]
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[001] 仮定法の帰結節には原則として必ず過去形の助動詞が含まれます。よって,can haveをcould haveに直します。
訳:もし君がここにいたら,監督からその賞を受け取ることができたであろうに。
[002] 過去の事実に反していたり,過去の事実と無関係の想像・空想・妄想を述べる時は,仮定法過去完了を使います。条件節内にはlast year(昨年)と書かれているので,learnedを過去完了形のhad learnedに直します。
訳:もし君が昨年,その事実について学んでいたら,君はおそらく今頃までには禁煙していたであろうに。
[003] 仮定法の帰結節には原則として必ず過去形の助動詞が含まれます。it is possibleの部分は直説法(事実モード)ですが,that以下の内容が仮定法の帰結節にあたるので,will haveをwould haveに直します。
訳:1970年代と1980年代の環境保護論者たちの団結した努力がなかったら,おそらく,ハクトウワシもイヌワシも絶滅していたであろう。
[004] 前半の「今朝,私はいつもよりずっと早く出発した」の部分は過去の〈事実〉を述べていますが,後半は,Otherwise(そうでなければ)を使い,その後の帰結節では「列車に乗り遅れたであろう」と過去の事実に反する想像を述べることになりますから,仮定法過去完了を使わねばなりません。よって,would missをwould have missedに直します。
訳:今朝私はいつもよりずっと早く出発した。そうしなかったら,列車に乗り遅れていただろう。
[005] I wishの後に〈S + V〉が続く場合,そのVは仮定法にしなければなりません。よって,canをcouldに直します。
訳
A: デビッドがついに決意したよ。彼は来年,留学するって。
B: え,そうなの?彼と一緒に行けるといいんだけどな。
=Lesson【32】=
仮定法の基本形をしっかり覚えて使えるようにしよう!