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正誤判別問題攻略法【Mission 04】

▼2020年の三が日も今日で終わりですね。受験生の皆さんはお正月どころではなかったと思いますが,来年の今頃はのんびり正月気分を楽しめるようにあと一息,頑張りましょう!それでは,今回のMissionへ!

=Mission【04】=

▼次の英文の[ ]内から誤りのある箇所を1ヶ所指摘しなさい。
[001] They [have] [been] [discussing about] the problem [since] this morning.(国士舘大学)

[002] [Farming] is a group endeavor [in which] [the most important value lays] in the harmony [within the community].(学習院大学女子短期大学)

[003] Roughly 20 to 30 % of all species [are] going to be at risk of extinction [if] the average global temperature [raises] [by] 1.5 to 2.5℃ above 1990 levels. (立教大学)

[004] An infant [born to] Chinese parents, which [has brought up] from the very beginning by English speakers in the United States, may have physical characteristics [from] its natural parents, but [it] will inevitably speak English.(中央大学)

▼解答・解説はこの下です
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〇〈思考力・判断力・表現力〉の基礎を養う問題集です!!

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=Answer【04】=

▼今回の共通テーマは〈自動詞と他動詞の区別〉です。英語では,動詞の後にどのようなかたちが続くのかがそれぞれの動詞によってあらかじめ決まっています。これを動詞の「語法」と言います。語法は,残念ながら覚えてしまうよりほかに仕方がありません。「文法」は覚えることがそれほど多くはありませんが,「語法」だけはどうしても大量の単語についてそれぞれ機械的に丸暗記しなければなりません。

▼たとえば,次の3つの文のうち,正しいのはどれでしょうか。
(a) I love him.
(b) I love to him.
(c) I love with him.

▼正解は(a)です。これは,「loveという動詞は,その直後に〈目的語〉の役割を果たす名詞が1つ【必要】だから」というloveの語法が存在しているためです(※目的語=動詞の後にある名詞で,主語とイコールになれないもの。主語とイコールの関係にある名詞は「補語」と呼ぶ)。

▼では,次の3つの文ではどれが正しいでしょうか?
(a) He mentioned the theory.
(b) He mentioned about the theory.
(c) He mentioned of the theory.

▼正解は(a)です。mentionという動詞は「~に言及する」という意味で,上で述べたloveと同じ性質(語法)を持っています。つまり,「直後に〈目的語〉の役割を果たす名詞が1つ【必要】である」ということですね。このように,「他動詞を見たら,その後に最低1つ目的語になる名詞が来なくてはならない」という感覚を持っておきましょう!

▼英語における自動詞と他動詞は,日本語のように「する」と「させる」という〈意味〉の問題ではありません。次のように公式化して下さい。

[A] 他動詞…目的語を必要とする動詞
[B] 自動詞…目的語を直にくっつけてはいけない動詞
→自動詞の後に目的語を置く必要がある場合,前置詞の助けを借りなければなりません。そのことから〈自動詞+前置詞〉を1つの他動詞とみなして受動態に直すこともあります。

▼理屈としてはごくシンプルで,要は「目的語」という名前の名詞をじかにくっつけることができるかどうか,というだけのことです。しかし,どの動詞が自動詞でどの動詞が他動詞なのかは,残念ながら理屈抜きで1つ1つ覚えてしまうしかありません(というより,日常的に読む英文の中でそのかたちに慣れるしかありません…)。また,動詞によって目的語を1つしかつけられないものと,目的語を2つまでつけられるものがあり,さらに,1つの動詞でも意味によって目的語が1つしかつけられない場合と2つまでつけられる場合とがあります。

▼たとえば,同じ「~について議論する」という意味であっても,

(a) We talked over the matter.
(b) We discussed the matter.

というように,(a)ではtalked over,(b)ではdiscussedが使われています。これは,talkが自動詞,discussが他動詞だから,という理由のためです。

▼なお,多くの動詞には自動詞・他動詞の両方の用法があり,talkにも他動詞としての用法がありますが,その場合,通例,以下のような決まった表現で用いられます。
□talk A into B =Aを説得してBさせる
□talk A out of B =Aを説得してBをやめさせる
□talk nonsense =わけのわからないことを言う
□talk sense =筋の通ったことを言う
□talk garbage =くだらないことを言う

▼まずは,問題を解きながら,試験によく出される自動詞と他動詞を覚えることから始めましょう。

[001] [discussing about]⇒[discussing]又は[talking over]
[002] [the most important value lays]⇒[the most important value lies]
[003] [raises]⇒[rises]
[004] [has brought up]⇒[is brought up]

[001] discussは他動詞なので,直後にはじかに目的語を置かねばなりません。よって,discussing aboutのaboutを削除するか,自動詞talkを使ってtalking overと直します。
訳:彼らは今朝からずっとその問題を議論し続けている。

[002] layは「~を置く/~を横たえる/(卵)~を産む)」という意味の他動詞ですが,後に目的語がないのでここでは使えません。よって,「存在する/横たわる」という意味の自動詞lieを使い,liesに直します。
訳:農業とは集団での事業であり,その中では最も重要な価値が共同体内部の調和に置かれている。

[003] raiseは「~を上げる/~を育てる」という意味の他動詞ですが,後に目的語がないので,ここでは自動詞のrisesに直します。
訳:1990年の水準よりも1.5度から2.5度世界の平均気温が上昇したら,全ての種のおよそ20%から30%が絶滅の危機に瀕するであろう。

[004] bring upは〈bring up O / bring O up=Oを育てる〉という他動詞なので,has brought upの後に目的語が必要になります。ここには目的語がないことと,by English speakers という「行為者」を表す表現が後にあることから「育てられた」という受動態にする必要があると判断します。よって,has brought upを is brought up に直します。
訳:中国人の親のもとに生まれた子どもは,合衆国で英語話者に初めから育てられたら,身体的特徴は生みの親から授かったものであるかもしれないが,必然的に英語を話すようになる。

=Lesson【04】=

▼「他動詞=目的語が必要」・「自動詞=目的語をつけられない」と覚えたうえで,それぞれの動詞の語法と活用と意味を正確に覚えましょう。また,他動詞を見たら「後に目的語になる名詞が必要だ」という感覚を養いましょう。

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