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正誤判別問題攻略法【Mission 16】

=Mission【16】=

▼次の英文の[ ]内から誤りのある箇所を1ヶ所指摘しなさい。
[001] Mary seems [depressed] [these days]. I don't know [how is] wrong [with] her.(昭和女子大学)

[002] Many authors [find it] hard [to write] about new environments [where] they [did not know] in childhood.(立教大学)

[003] Letters to the editor are printed in [most] daily newspapers and often bring [attention] to some [aspects] of life in the city [where] the writer wants to point out.(学習院大学)

[004] A recent study [found that] Americans spend approximately 90 percent of their time indoors, [which] the concentrations of some air pollutants can be [two to five times] higher [than outdoors].(中央大学)

▼解答・解説は下にあります。
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=Answer【16】=

▼今回の共通テーマは,「完全な文と不完全な文の区別」です。「完全な文」とは,「これ以上,S(主語)もO(目的語)もC(補語)も必要がない文」のことです。これは「これ以上,名詞を入れる余地がない文」とも言えます。

▼逆に,「不完全な文」とは,「S・O・Cにあたる名詞が1つ欠けている文」のことです。

▼たとえば,"I love you." は,I が S,love が V,you が O の「完全な文」です。しかし,"Love you." とか "I love." は不完全な文です。"Love you." の場合 S が欠けていますし,love は他動詞なので目的語が必要ですが,"I love." だと O が欠けています。

▼では,次の文のうち,完全な文はどちらでしょうか。
(1) He gave me.
(2) He gave some money.

▼give という動詞は〈give + IO + DO=IOにDOを与える〉という使い方をしますが,このIOは「間接目的語」,DOは「直接目的語」と言います。このうち,「直接目的語」は,「直接」という言葉が示しているように,give という動詞が与えうる影響を「直接」示した言葉であり,give の後になくてはならないものです。

▼これに対して,「間接目的語」は,「無くても文が成立する」目的語です。その証拠に,"He gave me some money." という文は"He gave some money to me." と書き換えられますが,"to me" は「修飾語」なので,これがなくても文が成立することがわかります。

▼よって,(1)はIOしかありませんから「不完全な文」,(2)はDOがあるので「完全な文」となります(もっとも,"He gave some money."という文は現実的にはあまり見かけませんが)。

▼問題は,どんな単語が前に来た時に後が完全な文になるか,又は不完全な文になるかということです。

▼これは,中学校の時に学んだ疑問文の作り方を考えれば簡単に解決します。たとえば,以下の英文を指示に従って書き換えてみましょう。
ex) Did he buy the car?
 (1) "the car"を尋ねる疑問文にせよ。
 (2) 「いつ」を尋ねる疑問文にせよ。
 (3) 「どこで」を尋ねる疑問文にせよ。
 (4) 「どのように」を尋ねる疑問文にせよ。
 (5) 「なぜ」を尋ねる疑問文にせよ。
 (6) 「誰が」を尋ねる疑問文にせよ。

▼それぞれの正解は以下の通りです。
 (1) What did he buy?
 (2) When did he buy the car?
 (3) Where did he buy the car?
 (4) How did he buy the car?
 (5) Why did he buy the car?
 (6) Who bought the car?

▼ここで大切なことは,(1)はthe carが what に変化して文頭に移動し,(6)は he の代わりに Who が使われていますが,(2)~(5)はそのような〈名詞の移動〉が伴っておらず,後は〈S + V + O〉のままになっている,ということです。

▼what は後にいた名詞が「抜けて」前に移動したものです。ゆえに,what の後は「不完全な文」と言えます。who も同様に,主語である名詞が「抜けて」文頭に移動したと考えられます。そして,それ以外の,when / whwre / how / why はいずれも後が「完全な文」です。(※なお,how は "How are you?" のように,形容詞のCが欠けたかたちになる場合もあります。)

[001] [how is]→[what is]
[002] [where]→[which]又は[that]
[003] [where]→[which]又は[that]
[004] [which]→[where]

[001] how は名詞の移動を伴いません。よって,how の後は〈S + V〉がそろっていなければなりません。ここでは「何がおかしいのか」と考えて,how を what に直します。
訳:メアリーはこのところ落ち込んでいるように見える。彼女の何が問題なのかわからない。

[002] where の後は完全な文が来ます。ところが,know の目的語が欠けています。もしこの know を自動詞だと解釈すると,「多くの作家は新しい環境について書くのは難しいと考える。その環境の中で彼らは知らなかった」となってしまうため,意味が通じません。よって,where を関係代名詞の which 又は that に直します。
訳:多くの作家は,子どものころに自分たちが知らなかった新しい環境について書くのは難しいと考える。

[003] where の後には「完全な文」が来ますが,point out は「~を指摘する」という他動詞で,目的語が欠けているので「不完全な文」だと考えられます。よって,where を関係代名詞の which 又は that に直します。なお,この which(that)の先行詞は some aspects [of life] であって,the city ではありません。
訳:編集者への手紙はたいていの日刊紙に印刷され,その町の中の,筆者が指摘したいと思ってるいくつかの側面に注目させる。

[004] which の後には「不完全な文」が来ますが,the concentrations が S,can be が V,higher が C の完全な文が来ているため,which が誤りです。ここでは indoors を受けていると考えられるので,which を where に直さねばなりません。
訳:最近のある研究が発見したのは,アメリカ人が自分の時間のおよそ90%を屋内で過ごしているということであるが,そこでは一部の大気汚染物質が屋外の2倍から5倍になりうるということだ。

=Lesson【16】=

「完全な文」と「不完全な文」の区別がつけられるようになろう!わからなくなったら,「疑問文を作る時に名詞の移動があったかどうか」で思い出すこと!

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