正誤判別問題攻略法【Mission 06】
▼今日が仕事始めや学校の3学期初日だった人も多かったのではないでしょうか。お正月ののんびりした気分から一気に現実に引き戻されますね…。
▼早速,今回のMissionに挑戦してみましょう!
=Mission【06】=
▼次の英文の[ ]内から誤りのある箇所を1ヶ所指摘しなさい。
[001] The man [at the front of] the bus is [the driver]. [He driving] the bus.(広島国際学院大学)
[002] The school [established] 20 years [ago] by the first president. In [those days] English [was taught] by two American ladies. (愛知学院大学)
▼解答・解説は下にあります。
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=Answer【06】=
▼今回の共通テーマは〈述語動詞と準動詞の区別〉です。
▼既に説明したように,英語のセンテンス(ピリオドまでの1文)には,原則として必ず,〈V=述語動詞〉が含まれています。「述語動詞」とは,一人前扱いできる動詞のことで,以下の4つのことです。
[1] 動詞の現在形
ex) I study mathematics every day. →studyがV。
[2] 動詞の過去形
ex) I lived in Tokyo last year. →livedがV。
[3] 助動詞+動詞
ex) You should study English every day. →should studyがV
※完了形〈have + 過去分詞〉,進行形〈be動詞 + -ing〉,受動態〈be動詞 + 過去分詞〉は,それぞれまとめて1つの述語動詞として扱います。
ex) We haven't heard from him since then. →have heardがV。
ex) He is driving the bus. →is drivingがV。
ex) The boy was kidnapped. →was kidnappedがV。
[4] 命令文の原形
ex) Study hard. →StudyがV。
▼「動詞の原形」「to不定詞(to + 動詞の原形)」「-ing」「過去分詞」は原則として単独では一人前の動詞として扱うことができません。これらは「準動詞」と呼ばれ,一見,述語動詞に見えますが,述語動詞としてではなく,名詞・形容詞・副詞のいずれかの働きをします。
▼また,これも以前に説明しましたが,1つのセンテンスの中に述語動詞(V)が2つ以上ある場合,必ず「のり」になる連節語句が必要です。VとVを結ぶ連節語句は,「接続詞」「関係詞」「疑問詞」の3つだけです。「のりはセッ・カン・ギ」と覚えましょう。(⇒Mission 3を参照)
▼なお,規則活用の動詞(-ed)や,過去形と過去分詞形が同じかたちの動詞(find-found-foundなど)の場合,
[1] 過去形 ⇒ 述語動詞
[2] 過去分詞形 ⇒ 準動詞
となります。正誤判別問題では,過去形と過去分詞形が同じかたちの動詞を使ったものが多く,それが過去形なのか過去分詞形なのかを考えねばなりません。その判別の原則は以下の通りです。
[1] 主語がない場合,過去分詞。
ex) Left to himself, the child started to cry.
→Leftは前に主語が書かれていないので過去分詞。
[2] 他動詞(目的語が必要な動詞。Lesson 4も参照)なのに目的語が無い場合,過去分詞。
ex) She is loved by everybody.
→loveは他動詞だが,lovedの後に目的語が欠けている(受動態になっているため,目的語が主語の位置に移動している)ので過去分詞。
[3] 連節語句(接続詞・関係詞・疑問詞)が無い場合,過去分詞。
ex) Our food comes prepacked.
→comesは現在形なので述語動詞だが,prepackedが過去形だと「連節語句」が必要になるため,prepackedは過去分詞。
▼では,それぞれの問題の解答と解説です。
[001] [He driving]⇒[He is driving]又は[He drives]
[002] [established]⇒[was established]
[001] -ingは,単独では述語動詞として扱うことができません。これでは,2つ目のセンテンスに述語動詞が無くなってしまうため,He drivingをHe is driving(又はHe drives)に直します。
訳:そのバスの前部にいる人が運転手です。彼はバスを運転しています。
[002] 1つ目のセンテンスは,The schoolがSで,establishedがVになっていますが,establishは「~を設立する」という他動詞なので,目的語が必要になります。ところが,establishedの後には目的語がありません。よって,本文のestablishedは,「~を設立した」という過去形の能動態ではなく,「設立された」という過去分詞となってしまいます。過去分詞は単独では述語動詞にはなれないので,受動態の文を作るためにはbe動詞の助けを借りて,was establishedとしなければなりません。
訳:その学校は最初の学長によって20年前に設立された。当時,英語は2人のアメリカ人女性によって教えられた。
=Lesson【06】=
▼述語動詞と準動詞の区別をつけられるようになろう。特に,過去形と過去分詞形が同じかたちの動詞の場合,どちらで使われているのかを判断しよう。