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正誤判別問題攻略法【Mission 05】

▼昨日に引き続き,今日も正誤判別問題に挑戦しましょう。

=Mission【05】=

▼次の英文の[ ]内から誤りのある箇所を1ヶ所指摘しなさい。
[001] [Till] 1998, [no less than] 35 percent of the country [has been] protected [in the form of] parks and nature sanctuaries.(青山学院大学)

[002] [Construction] of the Washington Monument, [which] draws some two [million] visitors a year, [takes] nearly a century of planning, building, and controversy.(学習院大学)

[003] "Have you seen her [recently]?" "Yes, I['ve seen] her only yesterday. We spent [half an hour] chatting [over] a cup of coffee."(東邦大学)


▼解答・解説は下にあります。
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=Answer【05】=

[001] [has been]⇒[had been]又は[was]
[002] [takes]⇒[took]
[003] ['ve seen]⇒[saw]

▼今回の共通テーマは〈時制〉です。特に,今回のポイントは「〈今〉を含んでいるか否か」の区別が付けられるかどうかということです。

▼英語の時制は日本語とは異なるため,とても理解しづらいものです。また,人によっても分類の仕方がまちまちで,どう整理すべきなのか迷うところです。たとえば,「英語にはいくつの時制がありますか?」という質問に対しても,「2つ」「3つ」「12個」と意見が分かれます。

▼では,そもそも「時制」とは何でしょうか?端的に言えば,時制とは「時間軸において,筆者・話者が述べようとしている状態や出来事の位置関係を示すもの」のことで,その動作・状態が「発話の時点と同時(現在)」か、「発話時点よりも前(過去)」か「発話時点より後(未来)」かを表すもののことです。

▼そうなると,時制は現在・過去・未来の「3つ」ということになりますが,実のところ,現在と未来ははっきりと分けることが難しく,以下のように「過去時制」と「非過去時制(現在+未来)」の2つに分けて考えた方がすっきり考えられるはずです。

[1] 過去時制:発話時点より「前」を表す、「今」を含まない時間の枠。「昔そうだったが今は違う」の意味。現在から「遠い」イメージ。
[2] 非過去時制:「今」を含む時間の枠。
① 現在:発話時点と同時であることを表す。
② 未来:発話時点よりも「後」を表す。現在からみた意志・予定・推量・可能性(*1)。

▼今回の問題はいずれもこの「2つの時制」が区別できているかどうか,つまり,「〈今〉を含んでいるかどうか」をたずねているのです。ここでは「完了形」や「進行形」といった「かたち(文法用語では「相」と言います)」の区別は問われていません。時制の問題を考える場合,「時制」と「かたち(相)」を区別して考えることが必要です。

[001] この文ではhas beenという現在時制の完了形(いわゆる「現在完了形」)を用いていますが,「1998年まで」ということは,「今」を含んではいないので,現在時制のhasではおかしいことになります。よって,has beenをhad been又はwasに直します。
訳:1998年まで,その国の35%もが公園や自然保護区域のかたちで保護されていた。

[002] この文では現在時制単純形のtakesという動詞が用いられていますが,ワシントン記念塔の建築は既に済んだことで「今」を含んでいないため,現在時制のtakesではなく,過去時制のtookに直します。
訳:ワシントン記念塔は,1年に約200万人の訪問者を呼んでいるが,その建設には1世紀近くの計画,建築,そして議論を費やした。

[003] I've seenは,I have seenの短縮形です。have seenのhaveは現在時制ですが,only yesterdayとあることから,この英文は「過去」のことを表していて,「今」のことは含まれていません。よって,I've seenをI sawに直します。
訳:「彼女に最近会った?」「うん,昨日会ったばかりだよ。コーヒーを飲みながら30分おしゃべりして過ごしたよ。」

=Lesson【05】=

▼「時制」を考える場合,まず「〈今〉を含むことか含まないことか」を考えよう。

【注】

*1:「未来」は,現在からみた意志・予定・推量のことなので,厳密には独立したひとつの時制とはみなされません。たとえば "I am going to Kyoto next week."(私は来週,京都に行く予定です)という文の場合,未来のことを表していても動詞は am なので時制は「現在」ということになります。 ただし,「未来完了」「未来進行形」といった言い方をする場合,便宜上,独立したひとつの時制のように扱われています。

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