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You can make it!! 時事英語【#005 referendum】
【referendum】
▼「国民投票」「住民投票」
▼ラテン語のreferre(報告する)の動名詞。「報告されるべきこと」が原義。
◆2014年9月18日にスコットランド独立住民投票が行われました。イギリスからの独立を求めての住民投票でしたが,結果は賛成1,617,989票,反対2,001,926票で独立は否決されました。
◆2014年9月はこの住民投票についての記事が多かったため,referendum が頻繁に用いられていました。
【例文】
[005-1] Voters will answer "Yes" or "No" to the referendum question: “Should Scotland be an independent country?”
(投票者は「スコットランドは独立国家になるべきか」という国民投票の質問に対し「はい」か「いいえ」と答えることになる。)
出典 http://www.bbc.com/news/uk-scotland-scotland-politics-29238890
□□ independent 独立した
◆なお,その後,2016年6月23日にイギリスでBrexit(ブレグジット:イギリスのEUからの離脱)を問う国民投票が行われたので,その時からまた referendum (Brexit referendum)がニュースの中で盛んに用いられてきました。
【例文】
[005-2] The ex-Beatle also said the the Brexit referendum was "probably a mistake" and he'll "be glad when it's over". He didn't vote in the 2016 referendum, saying he "didn't see anybody saying anything sensible enough".
(その元ビートルズのメンバー(のポール・マッカートニー)はまた,ブレグジット国民投票は「おそらく間違い」で,彼は「それが終わった時に喜べる」だろうとも語った。彼は2016年の国民投票では投票しなかった。そして「(ブレグジット国民投票について)十分に分別のあることを,誰も何も言わなかった」と語った。)
出典 https://www.bbc.co.uk/iplayer/episode/p07nw5m4/focus-personal-polaroids-reveal-mccartneys-life
□□ probably おそらく
□□ vote 投票する
□□ sensible 分別のある
◆2019年11月26日現在,Brexitについて結論は出ていません。現段階では保守党が2020年1月末に離脱することを目標としていますが,労働党政権はEU離脱に反対し,2度目の国民投票を行うべきだと主張しています。
〈参考〉https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191125-00000078-reut-eurp
ブレア英元首相、国民投票の再実施呼びかけ「われわれは混乱状態」
◆イギリスのEU離脱は,EC(欧州共同体)時代からの懸案事項で,ECがEUになった後にいっそう強くなったようです。その背景には,①EUのルールに縛られずに自由に貿易を行いたいことと,②EUに対して支払う拠出金が金額の大きさに対してイギリスへの利点が少ないということ,そして,③EUからの移民を制限したいという思惑などがあります。
◆しかし,EUから離脱した場合,①EU加盟国の単一市場から分離することで人や物の移動が制限され,社会・経済活動に支障が出る,②イギリス領北アイルランドと,イギリスの隣国であるアイルランド共和国の間でも人や物の行き来に支障が生じる可能性がある,などの問題が生じる可能性が指摘されています。また,次のような問題も指摘されています。
〈参考〉Brexit’s consequences for children in Border regions will be profound
https://www.irishtimes.com/opinion/brexit-s-consequences-for-children-in-border-regions-will-be-profound-1.3837752
⇒北アイルランドとアイルランド共和国との境に暮らす子どもや若者は,これまでEUの司法権によって権利や安全が守られてきたが,イギリスがEUを離脱することによりEUの規則が適用されなくなるため混乱が生じることになり,イギリスの子どもたちは欧州連合基本権憲章の保護圏域から除外されることにもなる,という指摘。ちなみに,2016年6月の国民投票では,最も若い層の投票者(18歳から24歳)は男性の61%と女性の80%が残留することに投票した。
"Family lawyers have been giving consideration to the implications of Brexit for family law cases that cross-borders or, as in the case of Northern Ireland, families whose lives straddle borders with non-UK states. Children who live with one parent but cross the Border to enjoy family contact with the other, for instance, will have their already complex lives further disrupted by Brexit. Maintenance payments, also regulated under EU law, will be difficult to address and uncertainty surrounds the framework that will govern cases previously determined by European rules that decide which member state is competent to make decisions about a child. Questions have also arisen as to which framework will govern proceedings in train before the UK’s intended exit on March 29th, with little or no guidance available from the legal professions or Government as to how such cases should be treated in the courts."
(家族法を専門とする弁護士たちは,ブレグジットが,家族法の国境を越える裁判に与える影響や,北アイルランドの裁判のように,生活が非イギリス国家との国境にまたがる家族に与える影響について考えてきた。たとえば,片方の親と暮らしているが,もう片方の親との家族の接触を楽しむために国境を越える子どもたちは,ブレグジットによって,既に複雑な生活がさらに乱されることになるだろう。養育費もEUの法律の下で規定されているが,取り組むのが難しくなるであろうし,どの加盟国が子どもについて決断を下す資格があるかを決めるヨーロッパのルールによってこれまでに決定されたケースを支配する枠組みを,不安定さが取り囲んでいる。イギリスの意図した3月29日の離脱前に手順を整えた訴訟手続きにどの枠組みが適用されるのかについての疑問もまた生じてきた。というのも,そのような裁判が法廷でどのように扱われるべきかについて法律の専門家や政府が利用できる指針がほとんど,あるいは全くないからである。)
◆イギリスのEU離脱は,アメリカのトランプ大統領が支持される状況と似たところがあるように思えます。それは,どちらも,自国の優位とアイデンティティを強調した右傾化と移民排斥を伴っている,という点です(さらに言えば,どちらも白人中心で物事が進められている,という点にも共通性があります)。もちろん,自国の優位を強調することがすべて誤りである,というわけではありませんが,それが移民や特定の人種を排斥し,さらに,経済的にも自国の優位を主張して他の国々に圧力と迷惑をかける可能性がある以上,これはいわば「静かな戦争」のようなものなのかもしれませんし,日本も決して無関係ではありません。
◆世界の歴史は,人々の集団の統合と離散の歴史でもあります。「グローバル化(globalization)」ということばがありますが,世界がどんどんつながっていく一方で,失われていくアイデンティティを取り戻そうという動きがあるのもまた自然なことです。そしてこれも,日本のあり方と無関係ではありません。今,日本には外国からの観光客が多数訪れています。アジア諸国だけでなく,欧米諸国からも多くの観光客が来て,比較的長期間滞在します。そうした状況の中で,彼らに対して「これが日本的だ」と言えるものは果たして何でしょうか。「和服(着物)」や「和食」を挙げる人もいますが,それでは現代において,日常的に和服を着て,和食を中心として生活している人はどれくらいいるでしょうか。
◆誤解を恐れずに言えば,どの時代にも通用するような確固たる「日本的なもの」は存在してこなかった,と私は考えます。特定の時代の特定の状況だけを取り出せば「日本っぽいもの」はあったかもしれません(たとえば,「武士」や「十二単」など)。しかし,それらは時代とともに廃れ,現代の日常生活ではほぼ失われたものです。そして,確固たる「日本的なもの」がそもそも存在していないからこそ,為政者は「日本的なもの」という物語を作り出そうと躍起になり,人々も「日本的なもの」という物語にしがみつこうとするのではないか,と思うのです。しかし,それはいわば「虚構」に過ぎません(「日本には四季がある」という主張がその代表例でしょう)。
◆確固たる「日本的なもの」は存在しないと言いましたが,それでは一体どうすればいいのか。田中康夫さんの有名な小説『なんとなく,クリスタル』というタイトルに倣って言えば「なんとなく,日本人」で良いのではないか,と思うのです。あるいはそれは,大江健三郎さんが『あいまいな日本の私』で述べた「あいまいさ(ambiguity)」を受容することなのかもしれません。
【refer】
▼17世紀ごろから使われていることば。
▼re-(元へ)+ fer(運ぶ)
▼refer to~「~に言及する」「~を参照する」
▼refer to A as B「AをBと呼ぶ」
▼refer + O「Oを差し向ける」「Oを任せる」
◆refer は re-(元に)+ fer(運ぶ)からなる単語で,「元に運ぶ」ことから「元ネタを参照する」⇒「参照する」「言及する」という意味で使われています。
◆しかし,単に「参照する」「言及する」という意味だけを覚えるのではなく,語法(動詞の後に続くかたち)に応じて「呼ぶ」「任せる」と言った意味にもなることに気を付けましょう。
【例文】
[005-2] They were once referred to as the "Vatican's spies." But one Christian hopes attitudes towards missionaries are changing in North Korea.
(彼らはかつて「バチカンのスパイ」と呼ばれていた。しかし一人のキリスト教徒が,宣教師に対する姿勢が北朝鮮で変化することを望んでいる。)
出典 http://edition.cnn.com/2014/08/18/world/asia/north-korea-catholic-church
□□ Christian キリスト教の・キリスト教徒
□□ attitude 態度・姿勢・考え方
□□ missionary 宣教師
【referee】
▼「(スポーツの)審判員」「レフェリー」「審査員」「レフェリーを務める」「仲裁する」
▼17世紀ごろから使われている。
▼refer(委託する)+-ee(される人)
▼審判が競技場で常に動き回る競技(サッカー,ホッケーなど)に用いられる。審判員の位置が決められている競技(野球,テニス,バドミントンなど)はumpire。
◆ refer の「任せる」という意味から派生したのがこの referee です。
◆接尾辞の -ee は「~される人」の意味です。たとえば, interviewee(面接される人),employee(雇われる人⇒従業員)といった単語に使われています。
【例文】
[005-3] Edie is supposed to referee a basketball match. There's just one problem ― she doesn't know the rules.
(エディーはあるバスケットボールの審判を務めることになっている。ただ一つ,問題がある。彼女はルールを知らないのだ。)
出典 http://www.bbc.co.uk/programmes/b0078l1w
□□ be supposed to + 原形~ ~することになっている・~しなければならない
#005の解説は以上です。