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正誤判別問題攻略法【Mission 20】

▼早速,今日の Mission に挑戦しましょう!

=Mission【20】=

▼各問いに答えなさい。
[001] [ ]内から誤りのある箇所を1か所指摘しなさい。
The [number] of people at the meeting is [larger] than [those] at last [week's] meeting.(東洋大学)

[002] [ ]内から誤りのある箇所を1か所指摘しなさい。
[Let us] realize that the world [is changing] at [a fast rate] than [it has] at any time in human history.(立教大学)

[003] [ ]内から誤りのある箇所を1か所指摘しなさい。誤りがない場合,「なし」としなさい。
It is [said] that in New York [more] languages [are spoken] than [any other city] in the world. (東邦大学)

▼解答・解説は下にあります。
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=Answer【20】=

▼今回の共通テーマは「比較の基礎」です。何か2つの物を比較する場合,英語には以下のような大原則があります。

比較の大原則
(1) 比較の基準になれるものは〈話者動詞,もしくは筆者と読者の間で共通理解ができている内容=旧情報〉であることが多い。
(2) 比較されるもの同士は原則として〈文法的・内容的に対等な関係〉にある。
(3) 後にthanがある場合,前には必ず
 ① 比較級
 ② rather
 ③ other
 ④ different
のいずれかが必要。

▼まず,(1)のルールについて説明します。次の例文を見てください。

ex) I am taller than he.
(私は彼よりも背が高い。)

▼この英文は,文法的に正しく,和訳することもできます。しかし,比較の基準である「彼」とはいったい何者で「彼」の身長がどのくらいなのかもわかりませんから,この英文はあくまでも「彼」と「私」を単純に比べているだけで,それ以上のイメージを抱くことはできません。

▼では,次の英文ではどうでしょうか。

ex) Mr. Yamazoe is more handsome than Mr. Masaharu Fukuyama.
(山添先生は福山雅治さんよりかっこいい。)

▼…す,すみません。嘘です。あと,内容一致問題じゃないんで,「○か×か」を聞いているわけじゃありません。

▼もし,福山雅治さんのことを知らない人がこの英文を見てもその可笑しさはわからないでしょうが,教室でぼくがこの英文を黒板に書くとなぜか生徒さんは皆,爆笑(失笑!?)します。それは,福山雅治さんといえば,誰が見てもカッコいい俳優・歌手だということを知っているわけで,つまり,「共通理解ができている基準」ということになります。

▼このように,比較の基準になれるのは原則として〈共通理解ができている内容=旧情報〉なのだと理解してください(もちろん,これには例外もあります)。

▼次に(2)のルールですが,これはよく見かける例文で説明しましょう。

ex) The population of Tokyo is larger than Osaka.…×

▼この英文が×であるのは,「東京の人口」と「大阪(のまち)」の比較になってしまっているからです。比較されるもの同士は対等な関係にしなければなりませんから,「東京の人口」と「大阪の人口」を比べねばなりません。

ex) The population of Tokyo is larger than that of Osaka.
(東京の人口は大阪の人口よりも多い。)

[001] [those]→[that]
[002] [a fast rate]→[a faster rate]
[003] [any other city]→[in any other city]

[001] この文では人々の「数」を比べていますが,the number は単数形なので,those ではなく単数形の that(=the number)にしなければなりません。
訳:その会議の人々の数は先週の会議の数よりも多かった。

[002] thanがあるので,前には(1)比較級・(2) rather・(3) other・(4) differentのいずれかが必要です。ここではすぐ前に fast という形容詞があるのでこれを比較級にして at a faster rate than とします。
訳:世界は人類の歴史上のどの時代よりもはやい速度で変化しつつあるということを自覚しよう。

[003] 比較されるもの同士は〈対等な関係〉でなければなりません。この場合,in New York(ニューヨークにおいて)と比較されているので,any other city ではなく in any other city(他のどの都市においても)とかたちをそろえる必要があります。
訳:ニューヨークでは世界中の他のどの都市よりも多くの言語が話されていると言われている。

=Lesson【20】=

比較の基準と比較されているもの同士の関係を意識しよう!

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